電通が「AIコピーライター」を開発、蓄積ノウハウを活用し特許出願中


電通が「AIコピーライター」を開発、蓄積ノウハウを活用し特許出願中

電通は、電通デジタルと共同で広告コピー生成ツール「AICO2(AI Copy Writer 2)」を開発したと発表しました。このツールは、電通のコピーライターが長年培ってきた思考プロセスをAIに学習させたものであり、現在特許出願中です。

「AICO2」は、キャッチコピーとして「伝えたいこと」や「商品名」、「解決したい課題」などを入力すると、「伝えるべきこと」と「表現方法」が理由とともに表示される仕組みです。これにより、ブランディング領域において、認知や共感を目的とした高品質なキャッチコピーの生成が可能になります。このツールは、広告コピーの生成プロセスを効率化し、コピーライターの創造性をさらに引き出すことを目指しています。

電通によれば、生成AIの登場により、広告コミュニケーション領域でもAIの活用が急速に進んでおり、同社グループでは2015年から生成AIの研究開発を進めてきました。この経験を基に、広告コピーの分野におけるAIの活用をさらに推進するために「AICO2」が開発されました。

「AICO2」は、従来の広告制作プロセスを支援するだけでなく、新たな発想や表現を生み出すツールとしても期待されています。このツールの導入により、広告制作のスピードと質が大幅に向上し、より効果的な広告コミュニケーションを実現することが可能となります。

電通は今後も、AI技術を活用した広告制作の効率化と品質向上に取り組み、クライアントのビジネス成長をサポートすることを目指しています。また、「AICO2」の特許出願により、同社の独自技術を保護し、競争力を強化することにも注力しています。

このAIコピーライターの開発は、広告業界におけるAIの可能性をさらに広げるものとなるでしょう。電通は、今後もAI技術を活用し、革新的な広告ソリューションを提供していくことを計画しています。


Latest Posts 新着記事

ロボットの動きをAIが特許化する時代に──MyTokkyo.Aiの最新発明抽出事例

家庭内ロボット市場が急速に進化している。掃除ロボットや見守りロボットだけでなく、洗濯物の片付けや調理補助など、従来は人が行ってきた細やかな日常作業を担う“家庭アシスタントロボット”が次のトレンドとして期待されている。しかし、家庭内という複雑な環境で、人に近いレベルの判断と動作を瞬時に行うためには、膨大なセンサー情報を統合し、高度なモーションプランニング(動作計画)を行う技術が不可欠だ。 このモーシ...

「施工会社」から「技術企業」へ──特許資産ランキング2025、鹿島建設が首位に立つ理由

建設業界は今、大きな転換点に立っている。少子高齢化による深刻な人手不足、カーボンニュートラルへの対応、インフラの老朽化、建設コストの上昇など、従来型のゼネコン経営では持続可能でなくなる課題が次々と顕在化している。こうした中、各社が未来の競争力として注力しているのが「特許」だ。特殊技術の囲い込み、施工ノウハウの形式知化、AI・ロボティクス・材料開発などの分野で、知財の強化が急速に進んでいる。 202...

自動車軽量化の裏側で進む加工技術革新──JFEスチールの割れ防止発明が鍵に

自動車の軽量化ニーズが高まり、高強度鋼板(AHSS:Advanced High Strength Steel)が普及するにつれて、プレス成形時の“割れ”は避けて通れない技術課題となっている。特にAピラー下部、サイドメンバー、バッテリーフレームなど、複雑な形状でありながら衝突時に高いエネルギー吸収が求められる部位では、L字形状のプレス部品が多用される。しかし、こうしたL字プレス品は、曲げコーナー部に...

Ouraの提訴が示すスマートリングの“囲い込み競争”──次世代ヘルスデータ戦争へ

ウェアラブルデバイス市場が新たな転換点を迎えている。フィンランド発のスマートリングメーカー Oura(オーラ) が、Samsung(サムスン電子)を含む複数の大手企業を特許侵害で提訴する意向を示したという報道が流れ、業界の緊張感が一気に高まっている。対象は、急速に注目を集める「スマートリング」分野。指輪型デバイスによる健康管理市場はまだ黎明期であり、プレーヤーが少ないからこそ、特許をめぐる争いの影...

アップルはなぜ負けた? 医療特許の壁に直面したApple Watch

米国の特許訴訟市場が久々に世界の注目を集めている。発端は、Apple Watchシリーズに搭載されてきた「血中酸素濃度測定(SpO₂)機能」をめぐる特許訴訟で、米国ITC(International Trade Commission)がアップルに対し“侵害あり”の判断を下したことだ。米国では特許侵害が認められると、対象製品の輸入禁止措置という強力な制裁が発動される可能性がある。今回の判断は、App...

デフリンピック開催に寄せて:「聞こえ」を支えるテクノロジー、人工内耳の「中核特許」

2025年11月、日本では初めてのデフリンピックが開催されています。これは、手話をはじめとする、ろう者の文化(デフ・カルチャー)が持つ独自の力強さに光が当たる、歴史的なイベントです。 https://deaflympics2025-games.jp/   デフリンピックの開催は、スポーツイベントであると同時に「聞こえ」の多様性について考える絶好の機会でもあります。聴覚障害を持つ人々にとっ...

10月に出願公開されたAppleの新技術〜Vision Proの「ペルソナ」を支える虹彩検出技術〜

はじめに 今回は、Apple Inc.によって出願され、2025年10月2日に公開された特許公開公報 US 2025/0308145 A1に記載されている、「リアルタイム虹彩検出と拡張」(REAL TIME IRIS DETECTION AND AUGMENTATION)の技術内容、そしてこの技術が搭載されている「Apple Vision Pro」のペルソナ(Persona)機能について詳説してい...

工場を持たずにOEMができる──化粧品DXの答え『OEMDX』誕生

2025年10月31日、化粧品OEM/ODM事業を展開する株式会社プルソワン(大阪府大阪市)は、新サービス「OEMDX(オーイーエムディーエックス)」を正式にリリースした。今回発表されたこのサービスは、化粧品OEM事業を“受託型”から“構築型”へと転換させるためのプラットフォームであり、現在「特許出願中(出願番号:特願2025-095796)」であることも明記されている。 これまでの化粧品OEM業...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る