ツイキャス、「コメントを画面に流す」機能を削除 – 特許侵害の指摘を受けて
ライブ配信サービス「ツイキャス」は、画面上にコメントを流す機能を削除しました。この機能は2023年7月に「コメントを画面に流す(β)」として実装されましたが、ニコニコの運営会社であるドワンゴが特許侵害の可能性を指摘したため、急遽削除されることとなりました。
ドワンゴの栗田穣崇代表(同社取締役COO)は8月6日、自身のX(旧Twitter)アカウントで、ツイキャスがドワンゴの特許技術を無断で使用していることを問題視しました。具体的には、「配信に流れるコメント」表示機能がドワンゴの特許であるにもかかわらず、ツイキャスがこれを独自に実装したとして、特許侵害の可能性が高いと主張しています。
ツイキャスの設定画面には、他社の特許を調査の上で機能を実装しているとの説明が表示されていましたが、この説明は現在削除されています。栗田氏は、法務部がこの件を調査した結果、特許侵害の可能性が高いとの結論に達したと報告しています。ツイキャスはこの状況を受け、特許侵害を避けるために、問題の機能を削除する対応を行ったと見られます。
ドワンゴは、画面上に流れるコメントを表示するシステムについての特許を保有しており、2023年には同様の機能を採用した「FC2動画」に対する特許訴訟でも勝訴しています。このため、ツイキャスの新機能も同様に特許侵害の可能性があると判断されたものと考えられます。特許を巡る争いは、特にITやテクノロジー業界において非常に重要な問題であり、企業間の競争が激化する中で法的な対応が求められています。
ツイキャスを運営するモイ株式会社(東京都千代田区)は、問題の機能をどのようにして実装したかについて、現時点で公式のコメントを発表していません。しかし、特許侵害の可能性を指摘されたことで、今後の対応が注目されることは間違いありません。この事件を通じて、特許保護の重要性と、特許技術を適切に管理し活用することの必要性が再認識されることでしょう。
この一件は、ライブ配信業界全体における技術競争の激化と、それに伴う特許紛争のリスクを浮き彫りにしています。今後、特許保有者と新規参入企業との間で、同様の問題が増加する可能性も考えられます。特許侵害に対する防御策を講じることが、ますます重要になっていくでしょう。
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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