かねてより九州の信用金庫が中小企業向けに知財活用を働きかけているが、その中で越後信用金庫(本店:福岡県久留米市 理事長:江口和規)の特許取得支援の取組み成果が注目されている。越後信用金庫では取引先である株式会社アイナックシステム(本社:福岡県久留米市 代表:稲員重典)が進める、高級イチゴ「あまおう」の自動収穫ロボットの開発プロジェクト支援として専門人材をコーディネイトし、ロボに関する特許取得を支援した。
越後信金では、「伸びる会社は特許をしっかり押さえている」と説き、顧客に知財戦略の重要性や活用法を理解してもらい、地域の独自技術を守りつつ新たな研究開発につなげる信金の立ち位置ならではのコーディネイト活動だとしている。
具体的には、今回の支援先であり開発主体のアイナックシステムとは、日ごろから経営課題について共有できる信頼関係を構築しており、数々の取り組みを共有。そのなかの課題のひとつに「いちごの自動収穫ロボットの開発」における知財戦略があった。
そのための具体的な支援活動を「知財担当教育」支援とし、マネジメントメンターのコーディネイトに動いた。アイナックシステムの経営課題を具体的に言語化し、紙面に落とし込むことで最適な人選に繋ぎ、「大企業出身」、「特許の出願経験がある」という点が期待とマッチ。また、年齢も近くコミュニケーションが取りやすかった為、面談がスムーズに進み「良きご縁」のコーディネイトが成立。
これにより、「アイナックシステムの技術力を2倍に強化する鉄則プログラム」をテーマに知財戦略、具体的な特許申請の仕方、留意点等に関する勉強会、その他随時電話相談に対応を通じて双方の信頼関係構築に繋げる。
越後信金ではアイナックシステムへの特許に関する社員教育等の支援は終了し、現在、適宜マネジメントメンターとの相談は行いながらも、自社単体で取り組んでいけるよう体制整備に努めている。自社製品については未だ世に出ていない状況であるため、当該事業の拡大に力を入れ、引き続き「自社技術の開発および製造販売の事業展開」と「離職率の改善」に向けて取り組んでいきたいとしている。
一方、アイナックシステムでは創業当初より自社製品を持ちたいという思いがありながら、アイデアを具体化しても、製品に近づいた時期に他社の特許がある事に気が付き、コンセプト変更する事で製品としての魅力が無くなり、結果的には中断となっていた経緯もある。
また、県内で成長を感じる中小企業を分析してみると、共通して「知財戦略」についての意識が高い事に着目し、全く経験のない社員2名にマネジメントメンターからは大企業なりの「強い特許」を得る為の教育を得て、のちに具体的に2件の特許出願において指南を得る。
特に特許事務所への出願資料の完成度を上げる事を重視した結果、いちごの自動収穫ロボットの開発において最も重要な機構である「果実収穫ハンド」については特許取得の結果を出す。(特許第6991611号、VISION AIトッピック2023.05.05にて紹介))
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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