特許取得の「運動サプリGH」、高知県土佐市の健康増進イベントで市民の行動変容を促すことに成功


高知県土佐市は令和5年10月2日から11月5日まで、「令和5年度とさ健康ウォーキングチャレンジ事業」を実施した。このイベントでは株式会社センス・イット・スマート(本社:東京都千代田区 代表:谷本広志)が開発した特許取得済のスマートフォン向けウォーキングアプリ「運動サプリGH」が活用され、平均目標達成率が90%を超える成果を上げたと、同社は23年12月1日プレスリリースで公表した。

このアプリ、行動経済学の理論に基づく多様なインセンティブ設計が可能で、今回のイベントでも参加者がペアの相手に貢献したいという気持ち(利他)にさせてウォーキングに励む設計により、参加者の健康促進が図られるもので、今回、土佐市民がペアを組み、アプリを使用して指定された日々の目標歩数を達成することで、相手方にインセンティブが付与される仕組みを採用している。

令和5年度とさ健康ウォーキングチャレンジ結果要約

・参加者218名のウォーキングチャレンジ平均目標達成率92.2%
 ・参加者のウォーキングチャレンジ参加中の平均歩数が参加前と比べて平均3,149歩/日増加
 ・土佐市民の運動機会の増進とコミュニケーションの活性化を実現

今回のイベントでは、自分が歩かないとペアの相手がコインを獲得できないインセンティブ設計のチャレンジを通じて参加者のウォーキングを促進。チャレンジの成果に応じてコインが分配され、1週間の目標歩数を達成すると、ペアの相手に500円分の地域商品券(ドラゴンカード)と交換可能なコインが付与される設計とした。

この「自分が歩かないとペアの相手がコインを獲得できないインセンティブ設計のチャレンジ」では、チャレンジに成功した場合、ペアにコインが付与されるが、失敗した場合、ペアの相手はコインを受け取れない。参加者はお互いにこのチャレンジを実施し、ペアの相手のために歩くという利他的動機付けが促されるのが最大の特徴。

多くの自治体主導のウォーキングイベントでは、自治体が参加者に健康増進活動を行ったご褒美としてインセンティブを提供している。本アプリを活用した健康維持・増進サービスでは、自治体からのインセンティブを地域住民やその家族に配分することが可能で、行動経済学の手法を活用して最適な設計を行うことで、地域住民がウォーキングチャレンジに積極的に取り組む動機付けが可能となる。

行動経済学の理論に基づいて開発された「運動サプリ®GH」は、ウォーキングの「チャレンジ」を作成することが出来るインセンティブ自由設計型のスマートフォン向けウォーキングアプリで、従来のウォーキングイベントのように「歩くと自分がポイントをもらえて得をする」だけではなく「歩かないと自分がポイントを失い損をする」、「自分が歩かないと同僚、家族等がポイントを失い損をする」等のディスインセンティブの設計を可能としている。

このような多様なインセンティブ設計により、アプリユーザーに「損失回避」や「利他」の気持ちを想起させ、行動経済学において人を動かすとされる環境を生み出す設計になっている。

同社では、「運動サプリ®GH」の提供を基にウォーキングイベントの企画、運営、結果報告から、最適なインセンティブ設計の立案、アプリの使用方法説明、チャレンジ実施前後のアンケート調査や体力測定の実施、さらに次回のイベント実施に向けた改善案の提案まで、ワンストップでサポートしている。

特許概要

【特許番号】特許第6696672号(P6696672)
【登録日】令和2年4月27日(2020.4.27)
【発明の名称】チャレンジ支援システム
【特許権者】 【氏名又は名称】谷本 広志
【発明者】 【氏名】谷本 広志

【要約】 タスクに挑むユーザがタスクを達成する可能性を高めるチャレンジ支援システムを提供する。タスクを達成するための条件とタスクにチャレンジする期間とを含む契約条件、タスクのために預ける資金の額、タスクの成功時の資金の配分設定、タスクの失敗時の資金の配分設定をブロックチェーンネットワークに送信する端末側コントラクト生成部と、契約条件が満たされたか否かを判定するために用いる判定用データを前記ブロックチェーンネットワークに送信する判定用データ送信部とを備える。


Latest Posts 新着記事

5月に出願公開されたAppleの新技術 〜視線で控えめに確認できるスマートな通知システム〜

はじめに タブレットやスマートフォンで作業しているときや動画に集中しているとき、突然画面上に現れる通知に邪魔された経験はありませんか? Appleから2026年5月21日に公開された発明は、この「通知による作業の阻害」という課題を、ユーザーの「視線(アイトラッキング)」と「LEDライト」の組み合わせによって解決する新たなアプローチです。 画面をいきなり覆い隠すのではなく、まずはベゼルの端で小さく光...

世界で戦うための「見えない武器」――スタートアップと知財の現在地

「資金調達支援」だけでは成長できない時代 スタートアップ支援というと、多くの人はまず資金調達を思い浮かべるだろう。政府による補助金や助成金、ベンチャーキャピタルからの出資、金融機関による融資など、創業期の企業にとって資金は確かに重要な経営資源である。しかし近年、スタートアップを取り巻く環境は大きく変化している。特に技術を強みとする企業にとっては、資金と同じくらい、あるいはそれ以上に重要な経営資源と...

技術は国境を越え、特許は支配力になる――中国とドイツが映す知財戦争

近年、中国企業による欧州企業の買収や研究開発投資が活発化しているが、その成果が知的財産の世界でも鮮明に表れ始めている。ドイツの調査機関が公表した最新分析によると、中国企業や研究機関が保有する「ドイツで開発された特許」が1万1000件を超えたという。この数字は単なる特許移転の規模を示すだけではない。世界の技術覇権を巡る競争が、製造拠点や市場シェアではなく「知的財産権の所有権」にまで及んでいることを象...

オピオイド危機と知財戦略――ナロキソン点鼻スプレーが果たす役割

オピオイド危機の中で注目される救命薬 製薬業界における特許というと、多くの人は新薬そのものを思い浮かべるだろう。新しい有効成分を開発し、その独占販売によって研究開発投資を回収する。長年、医薬品ビジネスはこうしたモデルを中心に発展してきた。しかし近年、その構図は少しずつ変化している。有効成分そのものだけでなく、薬をどのように患者へ届けるかという製剤技術やデバイス技術が競争力の源泉となり始めているから...

ジェネリック業界の常識を変えるか――東和薬品が進める供給網再設計

いま東和薬品が見ているのは、価格競争より供給能力の壁だ 東和薬品の吉田逸郎社長は2026年5月14日の決算説明会で、特許満了医薬品の生産能力増強に向けた協業について、「まだ限定出荷もあり、需要に対する供給が追いついていない。生産量をまだ増やしていく必要がある」と述べ、さらなる協業拡大に意欲を示したと報じられている。東和薬品はすでにCDMOのアドラゴスファーマ川越、三和化学研究所との協業を進めている...

スタートアップの社運をかけた反撃――ビーサイズ対MIXIの深層

このニュースが重いのは、単なる特許訴訟ではないからだ ビーサイズがMIXIに対して特許訴訟で反撃した、という話が注目を集めたのは、単にスタートアップが大企業を訴えたからではない。 本当に重いのは、その前段に協業や出資の打診があり、その後に競合製品の参入が起きた、という流れが語られている点にある。 Business Insider Japanによれば、2019年にビーサイズはMIXI側と面談し、出資...

超大型新薬の失効で何が起きるのか――製薬株のジレンマの深層

2026年から始まるのは、単なる減収ではなく「評価の組み替え」だ 製薬株にとって特許切れは昔から避けられない宿命だった。 だが、2026年から2030年にかけての波が特に重いのは、失効するのが単なる主力品ではなく、企業価値を支えてきた超大型薬だからである。Optumは2026年を「大きな特許切れの始まり」と位置づけ、後発品やバイオシミラーの影響が本格化すると整理している。さらに業界分析では、202...

“もっと賢いAI”では足りない――Googleが示した信頼性向上の新ルール

いま問題になっているのは、AIが答えられるかではなく「なぜそれを信じるのか」だ 生成AIの進化で、文章を作ること自体はかなり当たり前になった。 要約もできる。説明もできる。比較も提案もできる。 だが企業でも一般ユーザーでも、最後にいつも残るのは同じ疑問である。 その答えは、なぜ信じていいのかという問いだ。 この点で、Googleが出願している特許はかなり示唆的だ。 Googleの公開特許 JP20...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

大学発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る