Terra Drone、ドローンによるFPSOの船体板厚計測で船級協会より世界初の承認を取得

Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区 代表:徳重 徹)は、三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:金森健)と共同で、三井海洋開発がブラジルでオペレーションを行うFPSO(Floating Production, Storage and Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)であるFPSO Cidade de Mangaratiba MV24において、ドローンによる原油貯蔵タンク内の船体板厚計測を2023年11月12日までに完了したとした。

また、その計測方法について、世界的な船級協会であるABS(American Bureau of Shipping:米国船級協会)の承認を取得した。FPSOでのドローンによる板厚計測方法に対する承認取得は世界初となったことを、23年12月19日プレスリリースで公表した。

FPSOの原油貯蔵タンク内の検査は、暗くて閉鎖的な空間での高所(約30メートル)における作業が必要となり、労働安全環境上の懸念事項となっている。同時に、従来の検査では、作業員がおおよその板厚計測地点を紙に記録するという方法で実施していたため、定期検査で同一地点を毎回計測することが難しく、計測地点のトレーサビリティにも課題を抱えている。

今回実施したテラドローンのTerra UT Drone(超音波探傷検査機器を搭載したドローン)を使った検査では、作業員は高所に上る必要がなく、タンク内の安全区域からドローンが行う作業を監視するだけで済み、より安全に検査を実施することを可能にした。

また、板厚計測結果と共に、ドローンが撮影した検査映像や3次元点群データ※1の取得が可能となったことから、課題であった計測地点のトレーサビリティの改善を実現した。三井海洋開発は、ドローンによるトレーサビリティの高い計測データを活用して、高精度のデジタルツインモデル(Digital Twin Model)※2を構築することなども視野に入れ、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた海洋プラットフォームの健全性(アセット・インテグリティ※3)の向上を推進していくとしている。

テラドローンと三井海洋開発は、既に2例目の検査もリオデジャネイロ沖の沖合約300Kmで操業するFPSO Cidade de Angra dos Reis MV22で11月25日に完了し、今後も、FPSOでの定期検査に今回承認を得た方法を適用して実績を積み、さらなる技術の発展を目指すとしている。

※1: 3次元点群データ
ドローンや写真測量、地上レーザスキャナなどによる 3 次元測量によって得られた 3 次元座標を持った点データの集合のこと。

※2: デジタルツインモデル(Digital Twin Mode)
現実世界の物理的オブジェクトやシステムをデジタル上で再現した仮想モデルのこと。これにより、設計や運用の最適化、予測メンテナンス、シミュレーション、コスト削減などが可能とされる。

※3: アセット・インテグリティ
物理的資産(設備やインフラ)が安全かつ効率的に機能し、維持されること。安全性、信頼性、コスト削減、法規制遵守が確保され、競争力と持続可能な成長が期待される。

主な特許概要

【特許番号】特許第6675537号(P6675537)
【登録日】令和2年3月13日(2020.3.13)
【発明の名称】飛行経路生成装置、飛行経路生成方法とそのプログラム、構造物点検方法
【特許権者】 【氏名又は名称】Terra Drone株式会社
【発明者】 【氏名】高吉 美和 【氏名】柏井 宏太郎 【氏名】松永 治久【氏名】塩塚 弘樹

【要約】 【課題】カメラを備えた無人航空機を自動飛行させて構造物を撮影するための飛行経路を生成できる飛行経路生成装置を提供する。

【解決手段】構造物SRの3次元画像9と、構造物SR上の撮影対象領域と、撮影対象領域に向かう無人航空機のカメラ2の撮影方向とがディスプレイ30に表示され、入力装置20に入力される指示に応じて、撮影対象領域及び撮影方向が変更される。撮影対象領域及び撮影方向を確定する指示が入力装置20に入力されると、無人航空機の飛行経路上の撮影位置と、その撮影位置において構造物SRを撮影するカメラ2の姿勢とが、確定した撮影対象領域及び撮影方向に基づいて算出される。撮影位置は、構造物SRを鉛直方向に貫く仮想的な中心線Ayから所定の距離にあるように算出される。

* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。