バカン、特許技術のトイレの混雑可視化/抑制サービスを活用した実証実験開始


AIとIoTを活用して「待つ」をなくすスタートアップ、株式会社バカン(東京都千代田区 代表:河野剛進)は10月2日より電気ビル本館(株式会社電気ビル、本社:福岡県福岡市 代表:豊馬誠)などで、トイレの混雑抑制メディアサービス「VACAN AirKnock(バカン エアーノックアッズ、以下 AirKnock)」および、トイレの混雑状況可視化サービス「VACAN Throne(バカン スローン、以下 Throne)」を活用した実証実験を開始することを、23年10日6日プレスリリースで公表した。

ビル利用者の快適性向上を目的として、九電グループの電気ビルが保有する電気ビル本館、電気ビル北館、および電気ビル共創館の一部トイレにて、トイレの混雑抑制メディアサービス「AirKnock」および、トイレの混雑状況可視化サービス「Throne」を活用した実証実験で10月2日から11月末(予定)まで行われる予定だとしている。

実証実験では、サービス導入によるトイレ個室の長時間滞在の抑制や、フロア毎のトイレ利用率のばらつきの低減などを検証する。

トイレの混雑抑止メディアサービス「AirKnock」は、個室内に設置したタブレットを活用することでトイレの長時間利用を抑制および、動画情報を利用者に届けるメディアサービス。滞在時間に応じて画面の表示を滞在抑制につながる表示に変更したり、混雑具合に応じて広告の長さを自動で調整したりといった、同社がこれまでに蓄積してきた技術やノウハウから生み出した特許技術(出願中含む)を多数用いることで、トイレの混雑抑制とメディア化を実現している。全国約9,000個室に導入済としている。

トイレの混雑状況配信サービス「Throne」は、手のひらに収まる程度のセンサーをトイレ内に設置することで、トイレの空き情報をリアルタイムに可視化するサービス。検知した情報は、デジタルサイネージやwebサイト、導入店舗アプリなどを通して柔軟に配信可能であることから、スマートシティ分野などでも利用されている。

同社は「いま空いているか1秒でわかる、優しい世界をつくる」というミッションの実現に向けて、「待つをなくす」サービスを提供している。「Throne」や「AirKnock」の提供を拡大することで、商業施設やオフィスなどのトイレから待ちや混雑を無くし「行ってみたら空いていなかった」という体験のない社会を目指している。またサービスから得られた混雑データは、業務の効率化やトイレ内における急病などのリスクの抑制に繋がるとしている。

主な特許の概要

【公開番号】特開2023-11191(P2023-11191A)
【公開日】令和5年1月24日(2023.1.24)
【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
【出願人】 【氏名又は名称】株式会社バカン
【発明者】 【氏名】河野 剛進 【氏名】鈴木 慎介

【要約】 (修正有)
【課題】施設の混雑情報として誤りである可能性の高い情報を配信してしまう可能性を低減する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。

【解決手段】トイレ空席管理システムにおいて、情報処理装置である管理サーバ10は、トイレ施設におけるトイレ個室に設置され、トイレ個室を利用する利用者の有無を検出する検出装置21-1~21-nからゲートウェイ22を介して送信された検出結果に基づいて、個室が利用中か否かを示す利用情報を記憶する記憶部316と、利用情報が検出装置21-1~21-nから所定時間以内に取得した情報であるか否かを判定する判定部314と、利用情報に基づいて、施設の混雑状況を示す混雑情報を
導出する混雑度導出部313と、判定手段314による判定の結果に応じて混雑情報を出力する出力
部315と、を有する。


Latest Posts 新着記事

10月に出願公開されたAppleの新技術〜Vision Proの「ペルソナ」を支える虹彩検出技術〜

はじめに 今回は、Apple Inc.によって出願され、2025年10月2日に公開された特許公開公報 US 2025/0308145 A1に記載されている、「リアルタイム虹彩検出と拡張」(REAL TIME IRIS DETECTION AND AUGMENTATION)の技術内容、そしてこの技術が搭載されている「Apple Vision Pro」のペルソナ(Persona)機能について詳説してい...

工場を持たずにOEMができる──化粧品DXの答え『OEMDX』誕生

2025年10月31日、化粧品OEM/ODM事業を展開する株式会社プルソワン(大阪府大阪市)は、新サービス「OEMDX(オーイーエムディーエックス)」を正式にリリースした。今回発表されたこのサービスは、化粧品OEM事業を“受託型”から“構築型”へと転換させるためのプラットフォームであり、現在「特許出願中(出願番号:特願2025-095796)」であることも明記されている。 これまでの化粧品OEM業...

特許で動くAI──Anthropicが仕掛けた“知財戦争の号砲”

AI開発ベンチャーのAnthropic(アンソロピック)が、200ページ以上(報道では234〜245ページ)にわたる特許出願(または登録)が明らかになった。その出願・登録文書には、少なくとも「8つ以上の発明(distinct inventions)」が含まれていると言われており、単一の用途やアルゴリズムにとどまらない広範な知財戦略が透けて見える。 本コラムでは、この特許出願の概要と意図、そしてAI...

SoC時代の知財戦争──ホンダと吉利が仕掛ける“車載半導体覇権競争”

自動車産業が「電動化」「自動運転」「ソフトウェア定義車(SDV)」へと急速にシフトするなか、車載半導体・システム・チップ(SoC:System­on­Chip)を巡る知財・開発競争が激化している。特に、ホンダが「車載半導体関連特許を8割増加」させているとの情報が注目されており、同時に中国自動車メーカーが特許活動を爆発的に拡大しているとされる。なかでもジーリー(Geely)が“18倍”という成長率を...

試験から設計へ──鳥大が築くコンクリート凍害評価の新パラダイム

はじめに:なぜ“凍害”がコンクリート耐久性の大きな壁なのか コンクリート構造物が寒冷地・凍結融解環境(凍害)にさらされると、ひび割れ・剥離・かさ上がり・耐荷力低下といった劣化が進行しやすい。例えば水が凍って膨張し、内部ひびを広げる作用や、塩分や融雪剤の影響などが知られている。一方、これらの劣化挙動を実験室で迅速に・かつ実サービスに近づけて評価する試験方法の開発は、長寿命化・メンテナンス軽減の観点か...

Perplexityが切り拓く“発明の民主化”──AI駆動の特許検索ツールが変える知財リサーチの常識

2025年10月、AI検索エンジンの革新者として注目を集めるPerplexity(パープレキシティ)が、全ユーザー向けにAI駆動の特許検索ツールを正式リリースした。 「検索の民主化」を掲げて登場した同社が、ついに特許情報という高度専門領域へ本格参入したことになる。 ChatGPTやGoogleなどが自然言語検索を軸に知識アクセスを競う中で、Perplexityは“事実ベースの知識検索”を強みに急成...

特許が“耳”を動かす──『葬送のフリーレン リカちゃん』が切り開く知財とキャラクター融合の新時代

2025年秋、バンダイとタカラトミーの共同プロジェクトとして、「リカちゃん」シリーズに新たな歴史が刻まれた。 その名も『葬送のフリーレン リカちゃん』。アニメ『葬送のフリーレン』の主人公であるフリーレンの特徴を、ドールとして高精度に再現した特別モデルだ。特徴的な長い耳は、なんと特許出願中の専用パーツ構造によって実現されたという。 「かわいいだけの人形」から、「設計思想と知財の結晶」へ──。今回は、...

“低身長を演出する靴”という逆転発想──特許技術で実現した次世代『トリックシューズ』の衝撃

ファッションと遊び心を兼ね備えた新発想のシューズ「トリックシューズ」が市場に登場した。通常、多くの「シークレットシューズ」や「厚底スニーカー」は身長を高く見せるために設計されるが、本モデルは逆に身長を「低く見せる」ための構造を意図しており、そのためにいくつもの特許技術が組み込まれているという。今回は、このトリックシューズの設計思想・技術構成・使いどころ・注意点などを掘り下げてみたい。 ■ コンセプ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る