Yellow Duck、海に浮かんで電気をつくる再エネ発電システム「アヒル発電」で「HeCNOS AWARD」を受賞


株式会社アドリブワークス(兵庫県神戸市、代表:山岡健人)は、官民連携スタートアップスタジオ『NOROSIスタートアップハブ』及び、起業家のためのマッチングサイト『triven®️』を運営しており、この度、新たなスタートアップとして誕生したYellow Duck株式会社(本社:兵庫県神戸市 代表:中山繁生)が公益財団法人大阪産業局の主催する「HeCNOS AWARD(カーボンニュートラル分野)」を受賞したことを、23年9月20日プレスリリースで公表した。

イエローダックは、シンプルなアイデアを大切に、人と自然が互いに無理なく暮らすことのできる世界を目指している。暮らしに欠かせないエネルギーを、もっとやさしくつくることができたら。人と自然に負担をかけないエネルギーを供給することができたら。そんな思いからイエローダックは、自然のエネルギーだけで電気をつくる発電システム「アヒル発電(Wave-DAC*)」を開発している。

アヒル発電(Wave-DAC)とは、大気中から二酸化炭素を直接回収する技術をDirect Air Capture、同社では略してDAC(ダック)と称している。ウェーブ・ダックはその名のとおり、波のエネルギーを利用して大気中の二酸化炭素を回収するシステム。さらにウェーブ・ダックは、CO2を回収する過程で水素も生成する。

仕組みはとてもシンプルで、過した海水の電気分解により実現し、その電気分解に必要な電力を、再生可能エネルギーである波でまかなおうというのがウェーブ・ダックのコンセプトだ。丸いたまご型のシステムを海に浮かべ、波に揺られて傾くことで電力を生み出。

再生可能エネルギーを用いて水素を生成し、さらに大気中のCO2を回収するウェーブ・ダックは、カーボンニュートラルの実現に向けた特許取得済みの技術。

アヒル発電の特徴

<特徴①>海ならどこでも利用可能
アヒル発電は浮かべるだけの発電技術により、これらの課題を解決した。海底や沿岸への固定が必要ないため、沿岸に限らず海全域をエネルギーとして有効に活用することができ、地球の7割を占める海が持つエネルギーを最大限利用するアヒル発電は、気候変動へ大きなインパクトを与えることが期待される。

<特徴②>エネルギーを安定的に供給
波は天候や時間帯による影響を受けにくく、また風や太陽光に比べて予測がしやすい特徴がある。そのため発電量のコントロールが可能で、大きな出力低下の心配がない。さらに既存の発電システムは、一度設置してしまうと動かすことができない。夜になったからといって、地球の裏側へソーラーパネルを運んでいくことはできないが、浮かべるだけのアヒル発電なら発電場所を自由に変えることが可能だ。

<特徴③>風力発電の1/2のコスト
アヒル発電は浮かべるだけの発電システムのため、建設工事が必要ない。そのため建設コストを大幅に削減できるとともに、海底への固定による破損も避けることができる。さらにアヒル発電は、陸上でのメンテナンスが可能で、アヒル発電は浮かべるだけの発電技術により、建設コストと維持コストを大幅に削減する。

このアヒル発電が、万博出展候補企業を選定する公益財団法人大阪産業局主催「HeCNOS AWARD(カーボンニュートラル分野)」において、アワードを受賞した。

「HeCNOS AWARD」受賞(2023年9月20日16:40更新)
本プログラムは2025年大阪・ 関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン「展示・出展ゾーン」への出展支援事業「リボーンチャレンジ」の認定事業に選定されており、アワード受賞企業には、大阪・関西万博の地元館である「大阪ヘルスケアパビリオン」への効果的な展示方法についてのアドバイスや社会実装に向けたビジネスサポートなどがあり、アワード受賞企業の中から出展企業が選定される。(※公益財団法人大阪産業局発表資料より一部抜粋)


Latest Posts 新着記事

10月に出願公開されたAppleの新技術〜Vision Proの「ペルソナ」を支える虹彩検出技術〜

はじめに 今回は、Apple Inc.によって出願され、2025年10月2日に公開された特許公開公報 US 2025/0308145 A1に記載されている、「リアルタイム虹彩検出と拡張」(REAL TIME IRIS DETECTION AND AUGMENTATION)の技術内容、そしてこの技術が搭載されている「Apple Vision Pro」のペルソナ(Persona)機能について詳説してい...

工場を持たずにOEMができる──化粧品DXの答え『OEMDX』誕生

2025年10月31日、化粧品OEM/ODM事業を展開する株式会社プルソワン(大阪府大阪市)は、新サービス「OEMDX(オーイーエムディーエックス)」を正式にリリースした。今回発表されたこのサービスは、化粧品OEM事業を“受託型”から“構築型”へと転換させるためのプラットフォームであり、現在「特許出願中(出願番号:特願2025-095796)」であることも明記されている。 これまでの化粧品OEM業...

特許で動くAI──Anthropicが仕掛けた“知財戦争の号砲”

AI開発ベンチャーのAnthropic(アンソロピック)が、200ページ以上(報道では234〜245ページ)にわたる特許出願(または登録)が明らかになった。その出願・登録文書には、少なくとも「8つ以上の発明(distinct inventions)」が含まれていると言われており、単一の用途やアルゴリズムにとどまらない広範な知財戦略が透けて見える。 本コラムでは、この特許出願の概要と意図、そしてAI...

SoC時代の知財戦争──ホンダと吉利が仕掛ける“車載半導体覇権競争”

自動車産業が「電動化」「自動運転」「ソフトウェア定義車(SDV)」へと急速にシフトするなか、車載半導体・システム・チップ(SoC:System­on­Chip)を巡る知財・開発競争が激化している。特に、ホンダが「車載半導体関連特許を8割増加」させているとの情報が注目されており、同時に中国自動車メーカーが特許活動を爆発的に拡大しているとされる。なかでもジーリー(Geely)が“18倍”という成長率を...

試験から設計へ──鳥大が築くコンクリート凍害評価の新パラダイム

はじめに:なぜ“凍害”がコンクリート耐久性の大きな壁なのか コンクリート構造物が寒冷地・凍結融解環境(凍害)にさらされると、ひび割れ・剥離・かさ上がり・耐荷力低下といった劣化が進行しやすい。例えば水が凍って膨張し、内部ひびを広げる作用や、塩分や融雪剤の影響などが知られている。一方、これらの劣化挙動を実験室で迅速に・かつ実サービスに近づけて評価する試験方法の開発は、長寿命化・メンテナンス軽減の観点か...

Perplexityが切り拓く“発明の民主化”──AI駆動の特許検索ツールが変える知財リサーチの常識

2025年10月、AI検索エンジンの革新者として注目を集めるPerplexity(パープレキシティ)が、全ユーザー向けにAI駆動の特許検索ツールを正式リリースした。 「検索の民主化」を掲げて登場した同社が、ついに特許情報という高度専門領域へ本格参入したことになる。 ChatGPTやGoogleなどが自然言語検索を軸に知識アクセスを競う中で、Perplexityは“事実ベースの知識検索”を強みに急成...

特許が“耳”を動かす──『葬送のフリーレン リカちゃん』が切り開く知財とキャラクター融合の新時代

2025年秋、バンダイとタカラトミーの共同プロジェクトとして、「リカちゃん」シリーズに新たな歴史が刻まれた。 その名も『葬送のフリーレン リカちゃん』。アニメ『葬送のフリーレン』の主人公であるフリーレンの特徴を、ドールとして高精度に再現した特別モデルだ。特徴的な長い耳は、なんと特許出願中の専用パーツ構造によって実現されたという。 「かわいいだけの人形」から、「設計思想と知財の結晶」へ──。今回は、...

“低身長を演出する靴”という逆転発想──特許技術で実現した次世代『トリックシューズ』の衝撃

ファッションと遊び心を兼ね備えた新発想のシューズ「トリックシューズ」が市場に登場した。通常、多くの「シークレットシューズ」や「厚底スニーカー」は身長を高く見せるために設計されるが、本モデルは逆に身長を「低く見せる」ための構造を意図しており、そのためにいくつもの特許技術が組み込まれているという。今回は、このトリックシューズの設計思想・技術構成・使いどころ・注意点などを掘り下げてみたい。 ■ コンセプ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る