フォートナイトに特化したゲーム開発スタジオ設立~衛星データから仮想世界を生成するAI技術の特許を活用


株式会社スペースデータ(本社:東京都新宿区 代表:佐藤航陽)は、衛星データから仮想世界を生成するAI技術に関する同社の特許(特許第7232552号)をベースに、世界5億人が遊ぶオンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」に特化したゲーム開発スタジオ「SpaceGame(スペースゲーム)」を設立したことを23年3月22日プレスリリースで公表した。

Fortnite(フォートナイト)は、Epic Games社が配信しているオンラインゲームで、総プレイヤー数5億人以上、月間アクティブユーザー数7,000万人を誇るメタバースプラットフォーム。

フォートナイトのユーザーは、オンラインで対戦するバトルモードと、ユーザーが独自のゲームを制作することができる「クリエイティブモード」で遊び、直近では「Unreal Editor for Fortnite(UEFN)」が公開されたことで、極めて自由度の高いゲームや、ハイクオリティな空間を作ることもできるようになった。

同社は、衛星データと3DCG技術を活用してバーチャル空間に現実そっくりのデジタルツインを自動生成するAI技術を開発。衛星から取得できる地上の静止画像と標高データに機械学習を行い、地上の構造物を検出した上で、AIに地上の3Dモデルを自動生成させ、3DCG技術によって鉄・植物・ガラスなどの材質を再現できる技術(特許取得)。

【特許番号】特許第7232552号(P7232552)
【登録日】令和5年2月22日(2023.2.22)
【発明の名称】情報処理装置、方法、およびプログラム
【特許権者】 【氏名又は名称】株式会社スペースデータ
【発明者】 【氏名】佐藤 航陽

【発明が解決しようとする課題】
【0004】 特許文献1に開示された技術では、立体構造物に対応する三次元メッシュに、衛星画像をテクスチャとして貼り付けることで、立体構造物の三次元モデルが生成される。このようにして生成された三次元モデルは、映画、ビデオゲーム、VR(Virtual Reality)・メタバース、などの高品質な視覚的品質が要求されるコンテンツにおいて利用するにあたっていくつかの問題がある。(以下省略)

【課題を解決するための手段】
【0009】 本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、地表面に存在する地理要素を撮影した写真を含む画像情報を取得する手段、画像情報に基づくモデル入力データに、地理要素の属性を予測可能な属性予測モデルを適用することで、モデル入力データに対応する地理要素の属性情報を生成する手段、属性情報を含む地理空間データベースを生成する手段、地理空間データベースに基づいて三次元モデルを生成する手段、として機能させる。(以下省略)

同社は保有するデジタルツイン生成技術と、世界5億人が遊ぶフォートナイトのプラットフォームを組み合わせることで、今後ともグローバルで楽しまれる独自のコンテンツを開発し、外部のフォートナイトクリエイターとも連携を強化していくとしている。


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