2023年7月、パテント・リザルト社が公表した最新の研究により、鉄鋼、非鉄金属、および金属製品産業の特許の力を示すランキングが明らかになった。「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 特許競争力ランキング2022」と題されたこの報告は、業界の技術的リーダーシップを示すものとして注目を集めている。
「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2022」上位10社 出所:パテント・リザルト
このランキングは、各企業が2022年に所有する特許が、他社の特許申請審査時にどれだけ参照されたかを基に集計されている。具体的には、ある企業の特許が他社の特許申請の審査過程で「拒絶理由」として引用された回数をカウント。これにより、その企業が保持する技術の競合他社に対する影響度や先進性を評価することが可能となる。
住友電気工業が、2022年のランキングでトップを獲得したことは、多くの業界関係者からも予想されていた結果である。同社は、引用された特許の総数が2124件と圧倒的。特に、住友電工の「ばらつきが少ない薄膜歪抵抗材料」に関する特許は、2021年に続いて注目を浴びており、ミネベアミツミの審査過程で28回も引用された。
次いで、日本製鉄が2位にランクイン。同社の特許は全体で1509件が引用された。中でも、製造プロセスの精度を向上させる「制御システム」関連の特許が多く注目され、JFEスチールの特許審査時に6回も参照された。
そして、3位にはJFEスチールが名を連ねた。その特許数は888件。JFEスチールが持つ「金属含有物からの還元金属の製造方法」という技術は、住友金属鉱山の審査過程で4回も引用され、その重要性を示している。
総じて、このランキングからは、特定の技術分野での優れた研究と開発が、企業の競争力向上に寄与していることが伺える。業界全体として、継続的な技術革新とその特許化が、今後のビジネスの成長と繁栄の鍵となることは間違いない。
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