エーアイセキュリティラボ、ChatGPT活用による自然言語での脆弱性診断設定の生成で特許申請


株式会社エーアイセキュリティラボ(本社:東京都千代田区 代表:青木歩)は、近年急速な進化を遂げる生成AI(Generative AI)をサイバーセキュリティ(脆弱性診断)分野で活用すべく研究開発を開始。その初期成果として、自然言語による脆弱性診断の設定が可能なプロトタイプを開発し、すでに特許申請済み特許申請済み(出願番号:特願2023- 96021)とし、23年6月14日プレスリリースで公表した。

簡単かつ高精度なWebアプリケーション脆弱性診断ツール「AeyeScan」は、大企業のセキュリティ部門や大手セキュリティ専門会社等から非常に高い評価を受け、有償契約100社を突破。AeyeScanでは現在、フォームを自動認識して操作したり類似画面を識別したりする認識AIを活用しており、認識AIによる自動巡回機能は高い支持を得ているとしている。

一方で、依然として人手による作業が残る部分もあり、近年急速な発展を遂げる生成AIを活用してさらなる利便性と精度向上を目指すべく研究開発を開始している。具体的には、大規模言語モデル(LLM)を活用し、診断に関するあらゆるタスクの自動化により、日常的に使う自然言語での指示を可能とし、より簡単に高度な診断の実現を目指すとしている。

研究開発の概要
-大規模言語モデル(LLM)利用におけるシステム検討

Open AI社ChatGPT・Azure Open AI Platform等の性能調査

-脆弱性診断におけるプロンプト活用の研究開発
自動巡回・診断技術での活用検討および研究開発

-プロトタイプ開発
診断必要画面の判定

初期成果

高精度な脆弱性診断の実現には、対象Webアプリケーションに関する技術要素の把握が不可欠で、この度の研究開発の推進の結果、生成AIおよびプロンプトエンジニアリングの活用により、自然言語を用いた診断必要画面の自動判定を実現。本件を含む特許権については特許出願済。

また、ECサイトにおいて商品Aを購入したい場合、これまでは対象画面の特定や詳細な遷移条件の入力など複数の技術要素を把握し、ツールにそれらを設定する必要があった。生成AIを用いることにより、「商品Aの購入フローのみを巡回して」とプロンプト入力するだけで高精度な診断が可能となる。


Latest Posts 新着記事

福島市×富士フイルム、罹災証明簡素化システムを特許出願──災害対応DXの新モデル

地震、台風、水害、火山噴火──自然災害が頻発する日本において、行政が担う災害対応業務の中でも、被災者の生活再建に直結するものが「罹災証明書」の発行である。罹災証明書は、住宅などの被害状況を確認し、「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」などの判定を行政が下し、それを被災者に文書で交付するものである。これにより被災者は、公的支援や保険金の請求などが可能になる。しかし、その発行には時間と人的コストが...

ペロブスカイト特許競争が激化 日本の技術立国に試練

近年、次世代の太陽電池として注目されている「ペロブスカイト太陽電池」。軽量・柔軟・低コスト・高効率という四拍子揃ったこの技術は、従来のシリコン型太陽電池を補完あるいは置き換える存在として、世界中の研究機関・企業から熱い視線を浴びている。その中でも、中国勢の特許出願ラッシュが著しく、知財戦略の面でも日本は岐路に立たされている。 ペロブスカイト太陽電池とは何か ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト...

IBMの特許王国を支える“ミドルの力”——革新を続ける管理職育成の真髄

2020年、IBM(International Business Machines Corporation)は米国特許商標庁(USPTO)から9,130件の特許を取得し、28年連続で特許取得件数世界一の座を守った。これはApple(2,792件)、Microsoft(2,905件)、Google(1,817件)などの名だたるテックジャイアントを大きく引き離す数字であり、IBMがいかに継続的にイノベ...

メガネの新常識、「Zoff SNAP GRIP」登場──全国発売開始、究極のフィット感を実現

2025年5月16日、国内大手アイウェアブランド「Zoff(ゾフ)」は、新製品「Zoff SNAP GRIP(ゾフ・スナップグリップ)」を全国のZoff店舗およびオンラインストアにて発売した。この新商品は、Zoffが“究極の快適性”を追求した末に生み出した革新的なメガネフレームであり、現在特許出願中の新構造「スナップグリップ機構」を搭載している点が最大の特徴だ。 Zoffは、これまでにもリーズナブ...

三菱ケミカルG、CATLと特許契約締結 電解液技術をグローバル展開へ

2025年5月、三菱ケミカルグループ(以下、三菱ケミカルG)は、世界最大の電気自動車(EV)用バッテリーメーカーである中国・寧徳時代新能源科技(CATL)に対し、リチウムイオン電池に使用される電解液の特許技術をライセンス供与する契約を締結したと発表した。電池材料業界における知財戦略の新たな局面を象徴するこの一件は、単なるライセンス供与という枠にとどまらず、日中間のEV産業連携、そして将来のバッテリ...

りんご飴に特許という選択肢。『ポムダムールトーキョー』が札幌すすきので描く知財スイーツ戦略

札幌市中央区・すすきのエリアに、日本初の“りんご飴専門店”として注目される「ポムダムールトーキョー(POMME DAMOUR TOKYO)」が出店しているのをご存じだろうか。単なる屋台スイーツの延長ではない。店舗で提供されるりんご飴には、企業としての確かなブランド戦略、独自技術の裏付け、そして知的財産権による保護という、現代的ビジネスの三拍子が揃っている。 今回は、札幌進出とともに特許取得が話題と...

テクノロジーで共生をつくる――オムロンが無償開放する“ゆにもの”特許の力

2025年、オムロン株式会社は、自社が保有する「ユニバーサルものづくり」に関する複数の特許技術を無償で開放することを発表した。この動きは単なる企業の社会貢献の枠を超え、製造業全体、ひいては日本社会の在り方に大きなインパクトをもたらす可能性を秘めている。 ■「ユニバーサルものづくり(ゆにもの)」とは何か? まず、オムロンが提唱する「ユニバーサルものづくり」、通称“ゆにもの”の概念を理解する必要がある...

BYD、電動化特許で世界をリード──寒冷地対応「自己発熱電池」で市場を拓く

中国のEV大手・BYD(比亜迪)が、電動化に関連する特許出願数で世界的に突出している。世界知的所有権機関(WIPO)のデータや中国国家知識産権局(CNIPA)によると、BYDはモーター制御、バッテリーマネジメント、駆動系統、熱制御技術など広範な分野で急速に特許出願を積み上げており、2023年の段階で「電動化技術」において世界トップクラスの知財ポートフォリオを築いている。 中でも注目すべきは、「寒冷...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る