プラスビジョン特許

MacBookシリーズで「マットブラック」色、準備中か?アップルが表面処理の特許を出願


Patently Appleによると、Appleが最近USPTO(米国特許商標庁)に提出した出願特許によって、同社はMacBookシリーズのマットブラック色オプションを研究していることがわかったとしている。

2020年5月提出の「マットブラックの外観を有する陽極酸化部品と題されAppleの特許出願書には、意図した仕上げに到達するための製造プロセスが詳しく説明されている。

ここで興味深いことは、Appleの目標は、「本物の黒に近い色」ではなく、明らかに「本物の黒」の仕上げに到達することにあるようだ。実際に「一般的にすべての可視光を吸収」し、現在存在している他のマットブラック仕上げよりも更に「真の黒の仕上げ」になるということだ。

その実現の為に、陽極酸化層の外面をエッチングして、外面から入射する一般的にすべての可視光を吸収する「光吸収機能」を形成するための技術が示され、さらに、これらの光吸収機能によって吸収されない可視光は、外面の加工によって拡散反射されている。その結果、外面は限りなく光沢の少ないマットな仕上がりに見えるとある。

2 Apple patent figs 1  2c-d

ちなみに2016年9月に発売されたiPhone 7では、つや消しブラック(マットブラック)のカラーバリエーションが用意されていたのだが、指紋が非常につきやすく傷つきやすいジェットブラックも。しかし今回の特許が実現すれば、もしかしたらこのジェットブラックのような漆黒の色でマットな仕上がりになり、指紋もつかないという最強の仕上げができあがるのかもしれない。

現行最新のiPhone 12 ProシリーズやApple Watch Series 6のステンレスモデルには「グラファイト」色の選択肢があるが、これらも日本語では石墨、黒鉛となり、Appleの仕上げ色はマットブラックというよりは墨の色で、かなりグレイに近い黒といえる。

Appleは今後MacBook ProやMacBook Airシリーズに真の黒、マットブラックモデルを導入するために動いている可能性があり、いわば需要先取りの動きと言える。

【引用・参照】
https://xiaolongchakan.com/archives/apple-may-be-working-on-a-matte-black-finish-for-macbooks.html
https://www.patentlyapple.com/patently-apple/2020/12/would-you-love-to-own-a-cool-matte-black-aluminum-macbook-well-apple-researchers-are-working-on-just-that.html
http://appft1.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO1&Sect2=HITOFF&d=PG01&p=1&u=/netahtml/PTO/srchnum.html&r=1&f=G&l=50&s1=20200383224.PGNR


Latest Posts 新着記事

福島市×富士フイルム、罹災証明簡素化システムを特許出願──災害対応DXの新モデル

地震、台風、水害、火山噴火──自然災害が頻発する日本において、行政が担う災害対応業務の中でも、被災者の生活再建に直結するものが「罹災証明書」の発行である。罹災証明書は、住宅などの被害状況を確認し、「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」などの判定を行政が下し、それを被災者に文書で交付するものである。これにより被災者は、公的支援や保険金の請求などが可能になる。しかし、その発行には時間と人的コストが...

ペロブスカイト特許競争が激化 日本の技術立国に試練

近年、次世代の太陽電池として注目されている「ペロブスカイト太陽電池」。軽量・柔軟・低コスト・高効率という四拍子揃ったこの技術は、従来のシリコン型太陽電池を補完あるいは置き換える存在として、世界中の研究機関・企業から熱い視線を浴びている。その中でも、中国勢の特許出願ラッシュが著しく、知財戦略の面でも日本は岐路に立たされている。 ペロブスカイト太陽電池とは何か ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト...

IBMの特許王国を支える“ミドルの力”——革新を続ける管理職育成の真髄

2020年、IBM(International Business Machines Corporation)は米国特許商標庁(USPTO)から9,130件の特許を取得し、28年連続で特許取得件数世界一の座を守った。これはApple(2,792件)、Microsoft(2,905件)、Google(1,817件)などの名だたるテックジャイアントを大きく引き離す数字であり、IBMがいかに継続的にイノベ...

メガネの新常識、「Zoff SNAP GRIP」登場──全国発売開始、究極のフィット感を実現

2025年5月16日、国内大手アイウェアブランド「Zoff(ゾフ)」は、新製品「Zoff SNAP GRIP(ゾフ・スナップグリップ)」を全国のZoff店舗およびオンラインストアにて発売した。この新商品は、Zoffが“究極の快適性”を追求した末に生み出した革新的なメガネフレームであり、現在特許出願中の新構造「スナップグリップ機構」を搭載している点が最大の特徴だ。 Zoffは、これまでにもリーズナブ...

三菱ケミカルG、CATLと特許契約締結 電解液技術をグローバル展開へ

2025年5月、三菱ケミカルグループ(以下、三菱ケミカルG)は、世界最大の電気自動車(EV)用バッテリーメーカーである中国・寧徳時代新能源科技(CATL)に対し、リチウムイオン電池に使用される電解液の特許技術をライセンス供与する契約を締結したと発表した。電池材料業界における知財戦略の新たな局面を象徴するこの一件は、単なるライセンス供与という枠にとどまらず、日中間のEV産業連携、そして将来のバッテリ...

りんご飴に特許という選択肢。『ポムダムールトーキョー』が札幌すすきので描く知財スイーツ戦略

札幌市中央区・すすきのエリアに、日本初の“りんご飴専門店”として注目される「ポムダムールトーキョー(POMME DAMOUR TOKYO)」が出店しているのをご存じだろうか。単なる屋台スイーツの延長ではない。店舗で提供されるりんご飴には、企業としての確かなブランド戦略、独自技術の裏付け、そして知的財産権による保護という、現代的ビジネスの三拍子が揃っている。 今回は、札幌進出とともに特許取得が話題と...

テクノロジーで共生をつくる――オムロンが無償開放する“ゆにもの”特許の力

2025年、オムロン株式会社は、自社が保有する「ユニバーサルものづくり」に関する複数の特許技術を無償で開放することを発表した。この動きは単なる企業の社会貢献の枠を超え、製造業全体、ひいては日本社会の在り方に大きなインパクトをもたらす可能性を秘めている。 ■「ユニバーサルものづくり(ゆにもの)」とは何か? まず、オムロンが提唱する「ユニバーサルものづくり」、通称“ゆにもの”の概念を理解する必要がある...

BYD、電動化特許で世界をリード──寒冷地対応「自己発熱電池」で市場を拓く

中国のEV大手・BYD(比亜迪)が、電動化に関連する特許出願数で世界的に突出している。世界知的所有権機関(WIPO)のデータや中国国家知識産権局(CNIPA)によると、BYDはモーター制御、バッテリーマネジメント、駆動系統、熱制御技術など広範な分野で急速に特許出願を積み上げており、2023年の段階で「電動化技術」において世界トップクラスの知財ポートフォリオを築いている。 中でも注目すべきは、「寒冷...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る