世界知的所有権機関(WIPO)は3月2日、特許協力条約(PCT)の枠組みに基づく国際特許の2020年の出願件数を発表した。同年の全世界の出願件数は27万5900件と、新型コロナウイルスの世界的大流行にもかかわらず前年比4%増加し、過去最高を更新。
国別のランキングでは、中国が前年比16%増の6万8720件を出願し、2年連続で首位の座をキープ。2位のアメリカは前年比3%増の5万9230件。3位は日本、4位は韓国、5位はドイツの順だった。
スイスのジュネーブに本部を置くWIPOは国際連合の専門機関で、PCTには150カ国以上が加盟している。その枠組みにより、発明者は1つの加盟国に国際特許を出願することで、多数の国で同時に発明の特許保護を求めることができる。WIPOが発表する毎年の出願件数は、国家や企業のイノベーション能力を示す重要な指標と見なされている。
WIPOの統計によれば、国際特許の出願件数は1978年にPCTが発効してからずっとアメリカが首位の座を守っていた。しかし2019年、中国がアメリカに1150件の差をつけて初めて逆転。2020年の出願件数では両国の差は9490件に拡がった。
一方、企業別のランキングでは上位10社のうち8社を中国、韓国、日本という東アジアの3カ国の企業が占めた。首位は中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)で、前年比23.87%増の5464件。2位は韓国のサムスン電子、3位は日本の三菱電機だった。
ファーウェイ以外の中国企業では、ディスプレーパネル大手の京東方科技集団(BOE)が7位、スマートフォン大手のOPPO(オッポ)が8位に食い込んだ。上位10社のなかで欧米企業は2社にとどまり、アメリカの半導体設計大手のクアルコムが5位、スウェーデンの通信機器大手のエリクソンが6位だった。
なお、WIPOが開催した説明会で、WIPOの首席エコノミストを務めるカーステン・フィンク氏がわざわざ言及した中国企業がある。ショート動画アプリ「Tik Tok(ティックトック)」の開発・運営を手がける字節跳動科技(バイトダンス)だ。
同社の国際特許の出願件数は719件と、2019年の70件の10倍以上に急増。企業別のランキングは32位と、2019年の362位から大躍進を遂げた。その要因についてフィンク氏は、Tik Tokのグローバルな人気の高まりが背景にあるとの見方を示した。
【引用】
https://toyokeizai.net/articles/-/416846
【参照】
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2103/11/news054.html
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01CXU0R00C21A3000000/
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