任天堂、睡眠や疲労などの健康情報に基づいて進行されるゲームの特許を取得

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任天堂株式会社は、健康に関する情報の測定やその結果の確認をユーザーに継続的に行わせる動機付けを与えることを目的とした、健康情報に基づいて進行されるゲームの特許を取得した(特許第6592441号、登録日:令和1927日)。当該特許は特許協力条約による国際特許出願(国際公開番号:WO2016/021236、国際公開日:平成28211日)から、日本へ国内移行されて日本国内で特許が取得されたものである。日本以外への出願も同時に行われており、この特許技術が単なるアイディアの出願ではなく、実際の製品化を見据えたものである可能性は高いだろう。

ユーザーの睡眠状態を測定し、測定結果に基づいてユーザーの睡眠に関する分析を行う技術はよく知られていた(例えばオムロンヘルスケアの睡眠分析プログラムである特開2013-168026号など)。このような睡眠分析は、例えば寝つきに要した時間や、睡眠時間内に覚醒していた時間、起床予定時刻よりも所定時間以上前に目覚めた日数、平均就床時間、起床時刻の推移などを統計的に測定することで行われる。

しかし、このような健康状態を測る分析技術やプログラムがあったとしても、測定や分析結果の確認をユーザーが継続して行わなければあまり意味がないといえる。

そこで、健康に関する情報の測定および分析結果の確認をユーザーに継続的に行わせる動機付けを与えることを目的とした特許が出願され、特許権が付与されたのである。

ゲームの進行は健康情報に基づいて行われる

本発明は、ユーザーの睡眠および疲労に関する健康情報を算出し、その情報に基づいてゲームのアプリケーションにおけるゲーム進行を制御することとしたものである。健康情報を求めるための指標例としては、「入床から入眠までの時間」「覚醒から離床までの時間」「レム睡眠の周期」「レム睡眠の時間とノンレム睡眠の時間との割合」「中途覚醒の回数」「寝返りの回数」「いびきの大きさ」などが挙げられる。このような情報をゲームにおけるパラメーとして用いることが本発明の一番の特徴といえる。

ユーザーに情報を確認させるためのしかけ

本発明は、測定された健康情報の評価結果等(評価結果に基づくアドバイス情報やリコメンド情報であってもよい)をユーザーに確認させることが目的である。ユーザーが測定結果を確認しなければ、健康情報を測定している意味が小さくなってしまい、ユーザーの健康改善にもつながらない。健康に対する興味が小さいユーザーにとっては、単に評価結果を表示するだけでは面白みがあまり感じられないため、評価結果等に対する興味が次第に薄れていく。

そこで、評価結果に基づくゲーム処理を実行し、ゲームの進行を測定結果に基づくようにした。逆にいえば、健康情報の測定をしなければ、ゲームが進行しないこととした。これにより健康情報の測定をユーザーがゲーム感覚で行うことができるため、継続的に健康情報の取得を行う動機付けをユーザーに与えることができる。

具体的なゲーム内容はまだ不明

取得された特許の明細書には、具体的なゲーム内容は記載されていないが、例として、複数のステージが用意され、取得された健康情報に応じてステージに登場する敵キャラクタを倒す(所定のダメージを与える)といった、アドベンチャーゲーム的な態様が例示されている。

これらの技術を採用したハードが新しく発売されるのかどうかも不透明であるが、国際特許出願から日本国内の特許権を取得していることから考えると、ユーザーの健康向上を目指した「クオリティ・オブ・ライフ」ブランドの製品・サービスを今後リリースする可能性は高いものと考えられる。

* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。

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