株式会社ケイオー(千葉県野田市)は、新型コロナウイルスへの感染予防を想定した新しい生活様式、いわゆる『ウィズコロナ』に対応する感染対策グッズ「マルチフック」を開発・特許出願し、あわせて一般消費者および事業者向けに販売を開始した。当該特許出願は、2020年9月24日に出願公開された(公開番号:特開2020-152375)。
つり革や手すりに直接触れないための把持具として使用可能
我々の日常生活において、電車やバスのような公共交通機関を利用する際、移動する車内で立っている乗客は、つり革や手すりなどの把持設備につかまることで、転倒しないように安全を確保することが一般的である。
しかし、例えばコロナウイルスやインフルエンザウイルス等が蔓延しているような状況においては、特に衛生的な観点から、つり革や手すりに直接触れることに抵抗を感じる場合が少なくない。
そこで、つり革の吊り輪部分や、手すりなどに引っ掛けられる引掛部と、当該引掛部に貫通して装着されるベルト等の部材をあわせることで、種々の形状の把持設備に対して、使用者が直接触れることなく、体を支えることができるようにした。
■引掛部は、高強度材料と意匠性材料との組み合わせで構成される
マルチフックの先端に位置する引掛部は、使用者の体重を十分に支え、転倒等を防止する役目を担っているのであるから、当然ながら十分な強度が要求される。また、種々の色合いや柄などを備えさせることも考慮し、透明性が高く、かつ強度のある樹脂材料として、ポリカーボネート樹脂が採用された。そして、このポリカーボネート樹脂を板状のフック型とし、これを2枚貼り合わせ、その間に意匠性材料、たとえばUVプリンタなどで印刷された画像の層を挟み込むこととし、デザイン性も向上させることができた。なお、ポリカーボネート樹脂2枚を張り合わせることで、横方向からの力にも耐えうる、高い耐荷重性を実現しているとのことだ。
使用者が直接触れる部分となるマルチフックのベルトには、高い柔軟性を有する材質を採用し、手指の保護が十分されるように設計されている。
ウイルス対策のみならず、広く需要が見込まれる
マルチフックは、もともとウイルス対策を目的として開発されたが、開発陣が試用する中で、当初の目的とは異なる、思わぬ効果もあった。すなわち、このマルチフックはフック部分と持ち手のベルトとの間に所定の長さがあるために、例えばつり革につかまるにあたっては、腕を大きく上げなくてもよいこととなる。特に女性においては、周囲からの脇の下への視線を気にすることが少なくなるであろう。また、体の小さい子供が、そのままでは手が届かないつり革などを利用する際にも、至便であるという効果も期待できる。
さらには、フック部分を直接持って、ドアの開閉やエレベータのボタン操作などをフック先端で行うことも可能である。エレベータのボタン操作を行うには通常は直接指で触れる必要があるが、マルチフックを介して操作することで、衛生的な安心感が得られるというわけだ。
ウィズコロナの時代、通勤通学の必需品となるかもしれない
マルチフックの先端(本体部分)の重量は約45gと軽量であり、ベルト部をたためば、かばんを圧迫することもなく、日常的に携行することができるだろう。また、製造は国内工場で行われるとのことで、安全性は確かなものといえそうだ。このマルチフック、amazonや楽天市場で、税込価格1,650円で販売中である。
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