鹿島建設、特許取得技術の超高速施工が可能な「スマート床版更新(SDR)システム」~他社に広く展開

鹿島建設株式会社(本社:東京都港区 代表:天野裕正)は、道路橋床版更新工事に伴う交通規制を大幅に減らす「スマート床版更新(SDR※1)システム®」を開発し、工事への適用に向け準備を進めているが、このたび、同社が2017年10月18日に出願した「SDRシステム」の特許が成立し、特許原簿に登録された。これを受け同社は、交通規制によるソーシャルロスを大幅に低減できる「SDRシステム」を他社にも幅広く展開していくことを22年12月12日公表した。※1 Smart Deck Renewal

高度経済成長期に整備された道路橋は、大型車の通行量の増加や凍結防止剤の散布などにより、現在急速に劣化が進行しており、適切な維持管理および更新が喫緊の課題となっているが、道路橋の床版更新工事にあたっては、工事に伴うソーシャルロスを低減するため、交通規制の期間や範囲を最小限にする技術に加え、近接する交通や周辺施設への安全を確保できる革新的施工法が求められている。

それに対し「SDRシステム」は、3つの特長 1.超高速施工、2.周辺への安全性向上、3.鋼桁への影響低減を有している。

1.従来の標準的な工法と比べ、床版取替の工期を大幅に短縮できる。今後、床版取替工事の主流となる「幅員方向分割(2車線道路の場合1車線規制)取替」で、工期を1/10に短縮する超高速施工が可能な工法となる※2。
※2 総合実証実験で2022年5月に検証済

2.床版撤去機および床版架設機の内部を床版搬出用トラックや床版運搬台車が通過できるため、既設床版および新設床版の旋回を伴う揚重作業が不要となる。これにより、最小規制範囲での施工が可能となり、近接する交通や周辺施設に対する安全性が向上する。

3.軽量な床版撤去機および床版架設機を用いることで、大型クレーンを用いる標準的な施工方法に比べ、施工時に鋼桁に与える影響(発生応力)を1/2~1/3に低減。

床版架設機によるプレキャストPC床版の架設状況

【特許概要】
・特許番号:特許第7148746号
・登録日:令和4年9月27日
・特許権者:鹿島建設株式会社
・発明の名称:床版架け替え方法

同社は実物大実証実験において所期の結果を得たことを受け、今後は実工事への適用に向け、本システムを積極的に提案し、併せて、自動化を初めとした機能向上についても研究開発を進め、交通規制等によるソーシャルロスを最小限にとどめる道路橋床版更新工事の実現に寄与していくとしている。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.kajima.co.jp/news/press/202212/12c1-j.htm

* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。

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