知財戦略に役立つ特許調査~特許情報から見た足と靴のヘルステック、技術と企業の両面で特許情報を俯瞰


技術系の特許情報サービスを提供する株式会社ネオテクノロジー(東京都千代田区 代表:中島隆)は、足と靴に関わる情報を用いて、未病または治療などの健康に役立てる技術に着目し、最近5年間を対象に特許情報の調査を行なったと22年11月24日公表した 。

健康な生活は長寿社会の基本。しかし年齢とともに身体の動きが衰え、足の機能が低下し歩くことが面倒になると、筋肉は弱っていく。足の筋力の低下によって転倒しやすくなり、生活の不自由さが生まれ、その状態が長引けば、足だけでなく身体全体の健康が損なわれていく可能性も高まる。このように、健康な生活を送るためには「足」の健康を守ることは大切なこと。

近年、センサや通信技術を活用することにより、歩行動作や足の状況を把握することができるようになっており、最近ではスマートフォンと連動する「スマートスニーカー」や「スマートシューズ」、「スマートインソール」などが話題となっている。高齢者だけでなく、健康寿命を延ばすためには、日常生活の中で足のケアを行うことが大切だ。

ネオテクノロジーは、足の健康に着目して最近の特許情報を調査。ヘルスケア関連では、これまでにも「高齢者の見守り技術」や「睡眠センシング」等の特許レポートを発刊している。

調査対象とした技術と特許情報

足や靴に関わる情報を抽出し、未病または治療などの健康に役立てる技術を取り上げた。具体的には、センサが内蔵された靴や靴下、インソール、足や歩行状態を計測するセンシング・ウェアラブルデバイスやカメラシステム、歩行状態に応じて歩行のアシストをするシステム、高齢者のフレイル検出などに関する技術を取り上げる。ひとの健康増進や身体能力向上という観点では、スポーツやトレーニングとの関わりも広く含めている。

最近5年間(2017年6月1日以後、2022年5月31日まで)に発行された国内公開特許情報1218件を、技術と特許の専門技術スタッフが技術者の目で調査し、足と靴に関わる情報を何らかの健康目的技術に関する514件を抽出して技術分類を付与した。

【技術分類】
・足データ検出(29件)
・歩行分析・モニタリング(38件)
・健康モニタリング(31件)
・高齢者の健康(26件)
・リハビリサポート(109件)
・その他(34件)
・参考情報(247件)  

調査結果は、技術と企業の両面で特許情報を俯瞰できるダイナミックマップ形式で提供し、技術分類別・企業別に豊富な特許マップと併せて俯瞰することができる。

ダイナミックマップは、タイトルテーマ技術に関する特許情報の調査結果を、技術分類別の「技術」と出願上位10社までの「企業」の2軸から全体の技術動向を俯瞰できる電子版特許調査報告書。調査結果は、各種特許マップや一覧表にまとめ、「技術」では、出願件数推移グラフや技術の企業シェア等を掲載。「企業」では、出願内容を技術分類ごとに分けたレーダーチャートや発明者リスト、共同出願人リスト等を掲載している。

【本資料の活用方法】
・技術の全体的な技術開発動向、競合技術の開発動向などを知りたい。
・研究開発戦略、知財戦略、事業経営戦略に特許情報を活用したい。
・特許出願や権利取得の主なプレイヤーを知りたい。
・特許技術の具体例として特許権の具体的内容を知りたい。
・特許請求の範囲の特定事項の例を知りたい。
・特許マップを活用したい。
・IPランドスケープのノイズを落とした1次資料(Excelデータ)として活用したい。

など、特許調査、技術動向把握、事業経営企画のための特許調査資料として活用できるとしている。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.dreamnews.jp/press/0000270795/


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