2022年2月、大阪に本社を置く、社員数わずか9人の株式会社Warrantee(ワランティ)(本社:大阪府大阪市 代表:庄野 裕介)が、日本の株式市場を飛び越えアメリカのNASDAQ市場に上場申請を提出したと各メディアが伝えている。
Warranteeは、フリーインシュアランス(無料保険)事業を世界で展開している企業だ。Warranteeが展開するあまり聞き馴染みのないフリーインシュアランスとはいったいどのような事業なのか。
Warranteeの現在の主な事業は、「フリーインシュアランス事業」と「フリーヘルスケア事業」の2つ。通常の保険では、ユーザーが保険料を支払って加入するが、Warranteeのフリーインシュアランスは、損害保険(モノに対する保証)を無料提供する代わりに、保険加入時に、名前や住所などスポンサー企業が求める情報を共有することを条件にユーザーが無料で保険に加入できるサービスだ。
製品やサービスを提供するメーカーは、マーケティング情報の対価として、スポンサーフィー(協賛金)をWarranteeに支払うことで、ユーザーの保険料を無料にできる仕組みとなっている。
また、フリーヘルスケア事業は、医療機器や治療などを無償提供するサービスでフリーインシュアランス事業とほぼ同じ仕組で、メーカーなどの企業がスポンサーとなり、ユーザーはマーケティング情報を提供する。企業の協賛金によってユーザーの治療費などを捻出する仕組みとなっている。
フリーインシュアランス事業の仕組み
この仕組みではWarrantee自体がフリーインシュアランス事業の保険や保証、フリーヘルスケア事業の医療機器や治療を提供しているわけではなく、保険会社やクリニックなどの協力業者が提供している。
F-1(米国市場の上場申請書)にも、Warranteeの事業は「保険事業者」ではなく「マーケティング及び市場調査テクノロジー企業」と記載されており、エンドユーザーに対してはサービスを無償化する仕組みを、スポンサーに対しては購買データやマーケティング支援を提供する事業であると言える。
実はこのフリーインシュアランスは、法的には“保険”ではない。保険業法では保険の定義を「人の生存又は死亡に関し一定額の保険金を支払うことを約し保険料を収受する保険、一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約し保険料を収受する保険その他の保険」としており、いずれも「保険料を収受」することが保険の前提条件になっている。
フリーインシュアランスは、保険料を受け取らないので、保証の提供ではあっても厳密な意味での保険ではない。そのため、保険業法の制約を受けず、金融庁の管轄からも外れる。
保険は割引が基本的に禁止されていたり、広告宣伝のやり方にも厳しい制約が付いたりと非常に規制が厳しい。保険業の申請も必要になる。ところがフリーインシュアランスの場合、保険ではないので、例えばSNSの活用やYouTuberを使った広告も可能だ。この柔軟性が、フリーインシュアランスの特徴の1つとなる。
この展開、20年11月に国内で特許を取得したことから、国際特許を申請。そこから海外展開を本格化させている。すでにシンガポール支社を設立しており、アジアおよび北米を中心に展開を進める。
特許の概要
【特許番号】6788911
【登録日】2020年11月5日
【発行日】2020年11月25日
【発明の名称】保険管理サーバ,サービス提供システム,及びサービス提供方法
【国際特許分類】 G06Q 40/08 20120101AFI20201116BHJP
【特許権者】 【識別番号】516134567 【氏名又は名称】株式会社Warrantee
【発明者】 【氏名】庄野 裕介
【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2203/15/news013.html
https://take85.com/%E7%A4%BE%E5%93%A19%E4%BA%BA%E3%81%A7nasdaq%E4%B8%8A%E5%A0%B4%E3%81%AEwarrantee%E3%80%82%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%EF%BC%88/
https://warrantee.com/ja/
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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