
資生堂は22年9月28日、連結子会社であるEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域本社のシセイドウ ヨーロッパ(Shiseido Europe S.A.)を通じて、英スキンケアブランド「ガリネー(GALLINEE)」を買収したことをWWD他各メディアが伝えている。
取引額は非公表。同ブランドの特徴である皮膚上の細菌に注目したマイクロバイオームに関心を持つ新たな顧客層の獲得および、ヨーロッパイノべーションセンターを中心に同社の研究機関でマイクロバイオームの研究を加速するなど、“スキンビューティー”領域のさらなる強化につなげるとしている。
「ガリネー」は2014年に誕生。世界的なマイクロバイオーム研究の第一人者であるマリー・ドラゴ(Marie Drago)薬学博士が立ち上げ、プレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクスの特許取得成分を配合した製品で、皮膚上のマイクロバイオームの環境を整えるスキンケア、ボディーケア、ヘアケア、サプリメント、オーラルケアの全17品種を展開する。価格帯は12〜103ドル(約1700円〜1万4800円)。イギリスとフランスを中心に販売している。
ブランド創始者のドラゴ博士は、資生堂グループEMEAのフランク・マリリー(Franck Marilly)社長兼最高経営責任者(CEO)のもと、EMEA地域本社のチームとともに引き続きブラントをリードする。
マイクロバイオーム(Microbiome、微⽣物叢)とは、体内の微⽣物が形成する群集を指すもので、これらが肌や体内のバランスを保つ役割をしている。これまでの特別な成分や機能を与えるという考え方ではなく、すでに体内にあるマイクロバイオームを活用し、肌の健康を取り戻せるという点で、近年市場で大きな注目を集めてきた。
とりわけスキンケア商品にマイクロバイオームを活⽤した商品が増加傾向にある。また、ニキビ・アトピー性⽪膚炎・乾燥肌など、肌トラブルの改善に効果があることで、化粧品企業が研究開発に注力している。
フランスのダーマ化粧品(低刺激・敏感肌向けの化粧品)ブランド、アベンヌ(Avène)は2019年末、韓国で開催したシンポジウムのテーマを「肌マイクロバイオーム」とし、世界中から100名以上の⽪膚科専⾨医を招いて研究結果を発表した。アベンヌの他にも、ロレアル、アモーレパシフィック(AMOREPACIFIC)等の化粧品企業がマイクロバイオーム関連の商品を発売している。
近年では、外部環境からの保護など皮膚や健康にとって重要な役割を果たすマイクロバイオームに着目したスキンケアが欧州を中心に注目を集め、今後大きな成長が見込まれている。
【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.wwdjapan.com/articles/1437068
https://www.fashionsnap.com/article/2022-09-29/shiseido-gallinee/
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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