なんと、Appleが睡眠を変える! 生体認証ヘルス機能が詰まった超ハイテク「スリープマスク」の特許出願


心身共に疲れているにもかかわらず、床に就いてから眠りに入るまで時間がかかるひとも少なくないのでは。それに対して、入眠しやすくため、部屋を暗くして静かな環境音を流す、といった方法など思い思いの対策を習慣にしている人も多いとされる。

近年、ヘルスケア関連の機能を強化するAppleが、この入眠を支援するための「スリープマスク(sleep mask)」と呼ばれるスマートなアイマスクを考案。実現に必要な技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間22年7月28日に「WEARABLE ELECTRONIC DEVICE」(公開特許番号「US 2022/0240016 A1」)として公開された。

デバイス向けに開発されたその特許が明るみに出ると特許関連のサイトのPatently Appleは7月28日、米国特許商標庁が公開したアップルの新たな特許資料の詳細を伝えている。

このデバイスは、AirPodsなどのイヤホンと組み合わせて使うことを想定したもので、音楽を聴きながら睡眠を促進させる次世代のスマート・アイマスクといった位置づけで、ユーザーの目を覆い、周囲の光を遮断するように設計され、お気に入りの音楽を聴きながらリラックスして睡眠を促進させる次世代のスマート・アイマスクだ。

「Sleep Mask」は、ユーザーの目と鼻の領域を中心に柔らかい布で構成され、耳にも程よくフィットする。AirPodsの関連製品とされてはいるが、形状は似ても似つかず全く新しいデバイスといってもいいだろう。

そして、「Sleep Mask」には数多くのセンサーが統合。オーディオセンサーや光学センサー、タッチセンサー、眼球運動センサー、血圧センサー、心拍数センサー、心電図センサー、脳波計センサー、フォトプレチスモグラフィーセンサー(血流速度を感知する)などで健康状態を確認できる。

さらに、圧力センサー、湿度センサー、温度センサー、水分センサーなど、小さなデバイスにあらゆるセンサーが目白押しだ。マイクは健康状態をモニターするだけではなく、オーディオ入力にも利用できる。

Appleは、睡眠モニタリングが健康管理において重要な役割を果たす可能性があることを早期に認識。2017年に睡眠トラッキングデバイスBedditを買収し、その後に睡眠モニタリングシステムの特許を出願。iOS 7では新機能「SleepTracking」を導入した。

すでにApple Watchなどのウェアラブルデバイスでは、健康に関する機能が充実しているが、「Sleep Mask」ではヘルス機能がさらに進化すると予想されている。

なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書であり、登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://realsound.jp/tech/2022/08/post-1092150.html
https://japan.cnet.com/article/35191882/
https://forbesjapan.com/articles/detail/49483/1/1/1?s=ns


Latest Posts 新着記事

トランスGG、創薬支援で前進 エクソンヒト化マウスの特許が成立

株式会社トランスジェニック(以下、トランスGG)は、2025年6月、日本国内において「エクソンヒト化マウス」に関する特許が正式に成立したと発表した。本特許は、ヒト疾患の分子機構解析や創薬における薬効評価、毒性試験など、幅広い分野で活用が期待される次世代モデル動物に関するものであり、今後の創薬研究において大きなインパクトを与えるものとなる。 ■ エクソンヒト化マウスとは エクソンヒト化マウスは、マウ...

紙も繊維も“東レの特許にぶつかる”──業界を動かす知財の力とは?

繊維、紙、パルプ業界は、古くから日本の基幹産業の一つとして発展してきました。近年では、環境配慮型の製品開発や高機能素材の開発が加速し、技術競争の主戦場となっています。そんな中、特許という形で技術を押さえることの重要性がかつてないほど高まっており、「特許牽制力」すなわち他社の出願・権利化を妨げる力が、企業競争力の鍵を握る要素として注目されています。 2024年の業界分析において、特許牽制力で群を抜く...

万博で出会う、未来のヒント──“知財”がひらく可能性

2025年に開催される大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、世界中から最先端の技術、文化、アイデアが集まる祭典です。その中で、ひときわ注目を集めているのが「知的財産(知財)」をテーマにした展示や体験型イベント。普段は馴染みが薄いと感じがちな“知財”の世界を、子どもから大人まで誰もが楽しく学べる機会が広がっています。 知財とは?難しくない、でもとても大事なこと 「知的財産...

ロボットタクシーの現状|自動運転と特許

「ロボットタクシー」の実用化が世界各地で進んでいます。本コラムでは、その現状とメリット・問題点を簡潔にまとめ、特にロボットタクシーを支える特許に焦点を当てて、日本における実用化の可能性を考察してみます。 世界で進むロボットタクシーの実用化 ロボットタクシーの導入は、主に米国と中国で先行しています。 米国 Google系のWaymo(ウェイモ)は、アリゾナ州フェニックスやカリフォルニア州サンフランシ...

6月に出願公開されたAppleの新技術〜顔料/染料レスのカラーマーキング 〜

はじめに 今回のコラムは、2025年6月19日に出願公開された、Appleの特許出願、「Electronic device with a colored marking(カラーマーキングを備えた電子デバイス)」について紹介します。   発明の名称:Electronic device with a colored marking 出願人名:Apple Inc.  公開日:2025年6月19...

東レ特許訴訟で217億円勝訴 用途特許が生んだ知財判例の転機

2025年5月27日、知的財産高等裁判所は、東レの経口そう痒症改善薬「レミッチOD錠」(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)をめぐる特許権侵害訴訟で、後発医薬品メーカーである沢井製薬および扶桑薬品工業に合計約217億6,000万円の損害賠償支払いを命じる判決を下しました 。東レ側は用途特許に関して権利を主張し、一審・東京地裁での棄却判決を不服として控訴。知財高裁は、後発品の製造販売が特許侵害に当たるとの...

Pixel 7が“闇スマホ”に!? 特許訴訟で日本販売ストップの衝撃

2025年6月、日本のスマートフォン市場を揺るがす衝撃的なニュースが駆け巡った。Googleの主力スマートフォン「Pixel 7」が、特許侵害を理由に日本国内で販売差し止めとなったのだ。この決定は、日本の特許庁および裁判所による正式な判断に基づくものであり、Googleにとっては大きな痛手であると同時に、日本のユーザーにとっても深刻な影響を及ぼしている。 中でもSNSを中心に広がったのが、「今使っ...

KB国民銀行が仕掛ける“銀行コイン”の衝撃 韓国金融に何が起きているのか

韓国の大手金融機関がデジタル通貨領域への進出を本格化している。2025年6月、韓国の四大商業銀行の一角を占めるKB国民銀行が、ステーブルコインに関連する複数の商標を出願したことが確認された。これにより、韓国国内における民間主導のデジタル通貨開発競争が新たな局面を迎えつつある。カカオバンクやハナ銀行といった他の主要金融機関もすでに関連動向を見せており、業界全体がブロックチェーンとWeb3技術への対応...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る