装着したままでも飲み物を飲めるマスク

新型コロナウイルス対策で注目されているマスクに関するデザイン特許(意匠)を紹介します。このデザイン特許は、新型コロナウイルスが世界的に流行している中で、韓国にて出願され、デザイン特許として登録されたものです。
マスクを装着している人が飲み物を飲もうとする場合、マスクを一時的に外すか、マスクをあごまで降ろす必要があるため、手間がかかったり、衛生面でやや問題がありました。
これに対して、本デザイン特許のマスクは、口を覆う部分に蓋付きの開口が設けられているため、マスクを一時的に外したり、マスクをあごまで降ろすことなく、蓋を開けるだけで開口を通じて飲み物を飲むことができるようになっています。
このように、本デザイン特許のマスクは、手間をかけずに衛生面への配慮もしつつ、飲み物を飲むことができるものであり、新型コロナウイルス対策にも役立ちそうな内容となっています。
なお、本デザイン特許のマスクは、日本でも人気の東方神起のメンバーユノさん(本名:チョンユンホさん)が創作したもので、ファンの間やインターネット上でかなり話題になっています。まだ、商品化されたとの報道はありませんが、ひょっとすると、東方神起のコンサートグッズなどの形で登場するかもしれません。

■解説

本デザインのマスクは、図1及び図2に示すように、全体的には、通常の不織布マスクと同様に、不織布等からなる本体布の左右両端に装着用のゴム紐が設けられた基本構成を有しています。
しかも、本デザインのマスクは、通常の不織布マスクと同様の基本構成に加えて、本体布のほぼ中央に円形の開口部が形成されており、この開口部を覆う蓋を有しています。
本体布のうち開口部の周囲部分は、鼻や口との前後方向間に空間が確保されるように突出した突出部が形成されています。
 この突出部は、本体布の前方から見ると、横長のひし形形状になっています。このため、ひし形形状の上部が鼻の形状にしっかりフィットする効果とともに、横方向にも空間が十分に確保されていることから、会話時の口の動きが妨げられにくくなる効果も得られるのではないかと思われます。
そして、突出部の中央には、やや斜め下方を向くように樹脂等からなる円筒形状の開口部が設けられています。このため、飲み物を飲む際に、ペットボトルの口などを開口部の中にスムーズに運ぶことができると思われます。また、開口部は、ペットボトルの口などのサイズよりも十分に大きなサイズを有しています。このため、ペットボトルの口などが開口部に当たるなどの不具合を防ぐことができ、衛生面への配慮にも寄与できると思われます。

次に、蓋は、開口部の全体を覆う円形状を有しており、樹脂等からなる部材です。そして、蓋には、開口部の縁が嵌る溝部が形成されており、蓋の溝部に開口部の縁を嵌め込むことで開口部を閉じることができるようになっています。しかも、蓋は、ヒンジ構造を介して開口部に装着されており、これにより、蓋の開閉を行えるようになっています。また、蓋の縁部には、蓋の開閉を行う際に、手で掴みやすいようにタブが形成されています。このため、飲み物を飲む際には、片手でタブを掴んで蓋を容易に開閉することができ、しかも、ヒンジ構造によって蓋が開口部に付いたままの状態を維持することができます。言い換えれば、このマスクを使用すれば、片手でタブを掴んで蓋を開閉するだけで手間をかけずに、しかも、衛生面への配慮もしつつ、飲み物を飲むことができます。

マスクに開口部を設けるという発想自体は、それほど目新しくはないかもしれませんが、マスクをしたままで飲み物を飲むという観点で、突出部や開口部、蓋のサイズや形状が工夫されている本デザインは、なかなかの優れものと言えるかもしれません。

【図1】

【図2】

■概要

名称:マスク
出願国:韓国
出願番号:3020200009539
出願日:2020年3月3日
登録番号:3010514710000
登録日:2020年3月16日
出願人、創作者:シニョン、チョンユンホ

* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。