大人気コンテンツになりつつあるVTuber、その裏にはどんな特許技術が隠されているのか

スタートアップと知財の距離を近づける取り組みを特許庁とコラボしているASCIIと、Tech企業をIP(知的財産)で支援するIPTech特許業務法人はASCIISTARTUPの連載で21年10月13日、Techビジネスプレーヤーが知るべき知財のポイントとしてVTuberの裏の特許技術について次のように伝えている。

VTuberとは、「バーチャルユーチューバー」であり、2Dまたは3Dのアバターを使って活動しているYouTuber(配信者)のことを指します。可愛らしい、格好いいキャラクターになって配信をすることができるため、多くのユーザーからの人気を集めている。

また、元々YouTuberとして活動していた活動者の方がVTuberになるケースも増えている。コロナに伴う自粛等の影響で、在宅時間が長くなり、自宅でYouTube等の配信サービスを視聴する機会が増えてきている。そのなかで、最近では、YouTuberだけでなく、VTuber(Virtial YouTuber)の人気が台頭し、メディア広告などへの起用も増えてきているようだ。

例えば、著名なVTuberとしては、「キズナアイ」をご存じの方も多いと思います。また、VTuberの人気上昇に伴い、VTuberが事務所を卒業し、VTuber活動自体を引退することがニュースになることもある。「ホロライブ」に所属していた「桐生ココ」が「ホロライブ」を卒業する(VTuberとしての活動も終了)というニュースは、一度は目にした方もいるのではないだろうか。大人気コンテンツとなりつつあるVTuberですが、その配信の裏には、どのような特許技術が隠されているのか。

VTuber配信周りの技術動向、および、その主プレイヤー
さて、このように広がりを見せるVTuberの業界だが、現状のVTuberの配信に関連する特許には、どのようなものがあるか。その中から重要と思われる特許を抜粋し、確認してみる。

(1) VTuber配信におけるアバター表現に関連する技術
まずは、VTuberの配信においてアバター表現に用いられる技術について見る。

出願人:株式会社Live2D(ソフトウェア「Live2D」を提供)
①特開2009-104570
②特許5505848

引用:特許5505848

これらは、ゲーム・YouTube等でアバター表現に使用されるソフトウェアである「Live2D」に関連する技術で、例えば、アバターにおける髪の差分を複数準備し、それを違和感なく接続し、自然に髪が揺れているように見せる技術、異なる身体のパーツを自然に接続し、違和感なく見せる技術だ。

2Dのアバターが画面上で自然に動作(瞬き、髪の揺れ等)しているビジュアルを見た人も多いのではないだろうか。当ソフトウェアは無料でも使用できることから、多くのユーザーに使用されている。現在活動しているVTuberは、上記Live2Dにより作成されたアバターと、「FaceRig」によるトラッキング技術を利用し、配信しているケースが多いようだ。

(2) その他、VTuberの配信周りの技術
次に、VTuberの配信周りの技術から、筆者が気になったものを一部抜粋してみると、VTuberの配信周りでは、例えば、下記のような特許が出願・権利化されている。
出願人:株式会社ドワンゴ 特許6454883 【概要】仮想キャラクターを表示させた表示装置をスタジオに設置して仮想キャラクターを番組に出演させる技術。 

出願人:株式会社コロプラ 特許6776409 【概要】演者のモーションに基づいてキャラクターおよびその表情を動かす技術。

出願人:グリー株式会社 特許6491388 【概要】視聴者からの「ギフト(投げ銭に相当)」を、アバターに違和感なく表示する技術。 特許6668549 【概要】イベントごとの専用ギフトを用意し、ユーザーからのギフティングを向上させる技術。

出願人:株式会社IRIAM 特開2021-111102 【概要】静止画像から、動画像を生成する技術。(差分を準備するのではなく、一枚の画像から動画を生成する技術) 

上記から、配信に関する技術だけでなく、投げ銭周りの技術も広く出願・権利化されていることがわかる。また、最近の動向として、アバターの表示方法、投げ銭の効果等で差別化を図っているように見受けられる。

加えて、配信プラットフォームごとにも出願の違いが見られるようで、例えば、YouTubeを主な配信プラットフォームにしている企業は、「より品質の高い映像(3D含め)」を追求し、スマホを主な配信プラットフォームにしている企業は「より負荷が軽く簡単にVTuberになれる」といった形に両極化しているようだ。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://ascii.jp/elem/000/004/071/4071337/

* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。