Off-White™️が約4年にわたる交渉の末にレッドジップタイの商標を取得


〈Off-White™️(オフホワイト)〉が、米国特許商標庁との約4年にわたる交渉の末、同ブランドのスニーカーやバッグなどのアクセサリーに付属しているレッドジップタイの商標権を正式に取得したことが明らかになったとHYPEBEASTが22年4月4日伝えている。

〈Off-White™️〉はこれまでにも、引用符が付いた“PRODUCT BAG”や同じく引用符付きの“FOR WALKING”の商標出願を試みてきたが、どちらも米国特許商標庁に却下されている。

レッドジップタイは〈Off-White™️〉の商品に2016年から使用され始め、今やブランドのアイデンティティーを象徴する要素として一般的に認知されている。同ブランドは2016年7月にレッドジップタイの商標出願を申請したものの、審査官はこのパーツを実用品と分類し、「機能的なものは商標として登録できない」として却下された。

その後同ブランドは幾度となく出願を試みたが、レッドジップタイを商標としての機能を裏付ける証拠が不十分だとして受け入れられなかった。〈Off-White™️〉は、このジップタイは「(その)製品にとって絶対に必要でも不可欠なものでもない」ため、厳密には機能的ではないと主張。

また、2020年末には以下のような声明を発表している。「審査弁護士は、他のファッションブランドがこのような方法で赤いジップタイを使用している、または使用したことがあるという証拠を提出していない。申請者のマークの登録を許可することは、競合他社のファッションブランドが申請者の評判を利用して商売や取引を行うのを防ぐことを除けば、彼らに不利益をもたらすことはないでしょう」。

そして〈Off-White™️〉のレッドジップタイに関する最新の商標出願が、3月29日(現地時間)にようやく審査を通過することに。今回の申請書にはレッドジップタイの具体的な形状とその位置づけが明確に示されており、「この商標は、ほぼ長方形の形状のジップタイで構成され、全て赤色になっている。

シューズの輪郭は商標の一部として主張されていません」と記載されている。なお、レッドジップタイの商標は〈Off-White™️〉の模倣品に対する法的措置を行うためのデータリストに追加されるとのこと。

Off-White™(オフホワイト)はJ/ファッションデザイナーのVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)が2012年にスタートさせた。

以前Virgilが試験的に展開していたアートプロジェクト、PYREX VISION(パイレックス・ヴィジョン)の流れをくむファッションレーベル。現在はパッチワークを施したアイテムやグラフィックTシャツをメインにリリース。その全てには、”WHITE”の文字と共にトレードマークのストライプがフィーチャーされている。

世界中の有力アカウントで取り扱いがあるほか、2014年12月にはOff-White™初となるフラッグシップストアが香港にオープン(その後、東京にもオープン)。2年という短期間のうちに、ストリートウェアの世界で目を見張るほどの急成長を遂げたOff-White™だが、2014年にはAbloh自身もLVMHの”Young Designer Award”を受賞。現在、同ブランドのアイテムはイタリア・ミランで作られており、確かな生産プロセスによる高品質なアパレルを提供している。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://hypebeast.com/jp/2022/4/off-white-wins-trademark-registration-patent-red-zip-tie-news


Latest Posts 新着記事

「AFURI」vs「雨降」—ブランドと地域性が交差する商標攻防戦の結末

はじめに 2025年4月、人気ラーメンチェーン「AFURI」を展開するAFURI株式会社と、日本酒「雨降(あふり)」を展開する吉川醸造株式会社との間で繰り広げられていた商標権を巡る争いに、知的財産高等裁判所が一つの決着をもたらした。AFURI社が主張していた吉川醸造の「雨降」商標に対する無効審判請求が棄却されたことで、両者のブランドの共存可能性が示唆された形だ。 本稿では、この裁判の経緯と背景、そ...

BYD・HUAWEI・XIAOMIが描くEVの未来図:特許情報から探る勝者の条件

中国の電気自動車(BEV)産業は、急速な技術革新と政府支援を背景に、世界市場を席巻しつつある。その最前線に立つのが、BYD(比亜迪)、HUAWEI(華為)、XIAOPENG(小鵬)、NIO(蔚来)、ZEEKR(極氪)、そしてXIAOMI(小米)といった企業群である。彼らの競争力の源泉には、特許戦略に基づいた技術開発と事業戦略がある。本稿では、各社の特許情報と独自の取り組みから、その強みと潮流を読み...

ブリングアウト、複数面談のビッグデータを効率解析する技術の特許取得

人材採用における「面談」の在り方が、今、大きな転換期を迎えている。履歴書や職務経歴書といった定型情報では読み取れない人物像を、企業はより深く、多面的に把握しようとしている。そのため、1回の面談で即決するのではなく、複数の担当者による複数回の面談を通じて候補者を評価するケースが増加している。 こうした「複数面談」時代の課題は、面談記録の管理と評価の一貫性だ。面談官が異なれば、見る視点や質問の切り口、...

Samsungの特許が描く未来のXR体験:Galaxy RingとWatchで広がる操作の可能性

XR(Extended Reality)の進化は、ハードウェアの小型化や表示性能の向上だけでなく、ユーザーインターフェース(UI)の革新にこそ真価が問われている。どれほど高精細な映像を表示できたとしても、その世界を直感的に操作できなければ、ユーザー体験は限定的なものにとどまってしまう。AppleのVision Proが「視線とジェスチャー」を組み合わせた操作体系で話題を集めたのも、この直感性に焦点...

マツダとロームがGaNパワー半導体で車載部品を共同開発!その狙いとは?

2025年3月27日、マツダとロームが次世代パワー半導体「GaN(窒化ガリウム)」を用いた車載用電動駆動システム部品の共同開発を行うと発表した。このニュースは、自動車業界だけでなく、日本の製造業にとっても大きなインパクトを与えている。 電動化の潮流が加速する中で、なぜいまGaNなのか?そして、マツダとロームという異業種の企業が手を組む狙いはどこにあるのか?本稿では、両社の提携の概要を整理し、その背...

オプトエレが挑む「OCR誤読」の可視化:信頼性を高める新特許

近年、行政手続きや業務効率化の現場において「OCR(光学文字認識)」技術の導入が加速度的に進んでいる。AIを活用したOCRは、手書き書類や帳票の文字を瞬時にデジタル化し、データ化ミスを減らす要として期待されている。一方で、画像の品質や文字の崩れ具合によって誤認識が発生し、業務フローの根幹に影響を与えるリスクも見過ごせない。 こうした背景のもと、オプトエレクトロニクス(以下、オプトエレ)は、画像文字...

「知財で狩る時代」─約6,000商標を操るカプコン、IP戦略の最前線

2025年4月、株式会社カプコンが「知財功労賞」の特許庁長官表彰を受けたというニュースが、ゲーム業界内外で大きな注目を集めた。この表彰は、特許庁が毎年、知的財産の創造・保護・活用に貢献した個人や企業を称えるもの。とりわけ、カプコンは長年にわたるIP(知的財産)管理の姿勢と実績が高く評価され、今回の受賞に至った。 中でも特筆すべきは、同社が約6,000件にのぼる商標を保有している点である。これは単な...

DeepSeekの衝撃、その先にある“中国のAI戦略”とは

2024年、中国発の大規模言語モデル「DeepSeek」が登場し、AI業界に衝撃を与えた。ChatGPT-4と比較しても遜色ない性能を持ちながら、オープンソースとして公開され、誰もが利用・改良できるというその姿勢は、クローズド戦略をとる米国の主要AI企業とはまったく異なる方向性を示していた。 2025年現在、中国発AIモデルの躍進は一過性のものではなかったことが証明されつつある。DeepSeekの...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

大学発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る