ソニー、「デスティニー」や「ヘイロー」シリーズを開発した米ゲーム会社バンジー買収 4100憶円


ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は31日、人気ビデオゲームの「デスティニー」や「ヘイロー」シリーズを開発した米バンジーを36億ドル(約4100億円)で買収することを明らかにしたとTHE WALL STREET JOURNAL2221日伝えている。。

バンジーは西部ワシントン州にあるゲーム開発会社で、シューティングゲームのデスティニーシリーズを手掛ける。200007年はマイクロソフトの傘下に入っており、「Xbox」の主力タイトルに育った「Halo」シリーズを開発したことでも知られる。SIEとはこれまで「プレイステーション(PS)」向けのソフト供給を通じて協業関係にあった。

ソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長は声明文で、バンジーは世界でこよなく愛されるゲームシリーズ作品を生み出し、今も進化を続けており、ゲーム体験を共有したいとのユーザーの希望に寄り添うことで、全世界の数百万人を一つにしたとコメントした。

バンジーのピート・パーソンズ最高経営責任者(CEO)も別途プレスリリースを公表し、ソニーによる買収が同社の成長を支援するとともに、クリエーティブの独立性を維持できるとの見解を示した。

ソニーによると、バンジーはソニー・インタラクティブエンタテインメントの独立子会社となり、パーソン氏が会長を務める取締役会と現行の経営陣が率いる見通しだ。

マイクロソフトは2000年、当時発売を控えていた家庭用ゲーム機「Xbox(エックスボックス)」向けのゲーム開発を目的にバンジーを買収した。バンジーはその後、2000年代初頭にカルト的な人気を誇る「ヘイロー」作品シリーズで大成功を収める。ヘイローはXboxのみの取り扱いとなっており、ソニーの「プレイステーション(PS)」では利用できない。

バンジーは2007年、マイクロソフトから分離して再び独立。マイクロソフトのXboxゲーム・スタジオはそれ以降、ヘイローの新作シリーズを手掛け、ヘイローに関する知的財産権も保有している。

またバンジーは、2010年にアクティビジョンとの間で、デスティニー作品に関する10年間の提携を発表。だが、アクティビジョンは業績への貢献が想定に届かなかったとして、19年初頭に提携を解消した経緯がある。

ソニーは31日、バンジーのチームは「デスティニー2」の長期開発に引き続き注力すると説明。デスティニーワールドに関する取り組みを拡大するとともに、「将来的に知財で全く新たな世界を生み出す」としている。

ゲーム業界では今年に入り、大型M&Aが相次いでいる。118日にはマイクロソフトが同社として過去最大となる687億ドルを投じ、米ソフト大手アクティビジョン・ブリザードを買収すると表明した。10日にも米テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエアがモバイルゲームの米ジンガを127億ドルで買収すると発表している。

ゲーム市場の成長と構造変化がM&Aを促している。オランダの調査会社ニューズーによると、21年の世界のゲーム市場規模は約1800億ドルだった。5年前に22億人だったゲーム人口は21年に30億人に達し、映画や音楽市場を大きく上回るエンタメに育っている。米アマゾン・ドット・コムや米ネットフリックスといったIT(情報技術)大手もゲーム事業に触手を伸ばしている。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://jp.wsj.com/articles/sony-to-buy-videogame-maker-bungie-in-3-6-billion-deal-11643655218
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN31DHG0R30C22A1000000/


Latest Posts 新着記事

アレルギー治療の未来を変える一歩:物質特許が日本で成立

2025年、日本の特許庁がついに、ある画期的なアレルギーワクチンに対する「物質特許」を正式に認めた。このニュースは、製薬業界だけでなく、慢性的なアレルギーに悩まされている多くの患者たちにも希望の光となった。これまで「対症療法」に留まってきたアレルギー治療の歴史において、根本治療への転換点となり得る出来事である。 ■ 特許の意義:なぜ「物質特許」が重要なのか 医薬品における特許にはいくつかの種類が存...

特許分析×データサイエンス:次世代知財戦略の幕開け

世界の特許分析市場は、2031年までに2715.9百万米ドル(約4100億円)に達し、年平均成長率(CAGR)は13%にのぼると予測されている。この成長率は、単なる知財部門の拡大ではなく、特許情報が企業経営全体に戦略的に活用され始めていることを如実に物語っている。 ■ 特許分析とは:知財の“使い方”が問われる時代 「特許分析」とは、国内外の特許文献に記載された情報を体系的に収集・可視化し、企業の意...

オープンイノベーションの旗手に——三菱電機、「知財功労賞」で国家からの高評価

2025年春、三菱電機株式会社が特許庁より「知財功労賞」の特許庁長官表彰を受賞した。この表彰は、知的財産の創造・保護・活用において模範となる企業や個人を称えるものであり、日本における知財戦略の高度化に貢献する重要な制度だ。三菱電機の今回の受賞は、同社が推進するオープンイノベーションを中心とした知財活動の成果が高く評価された結果であり、製造業が直面する激動の環境において、一つの指標を示したとも言える...

福島市×富士フイルム、罹災証明簡素化システムを特許出願──災害対応DXの新モデル

地震、台風、水害、火山噴火──自然災害が頻発する日本において、行政が担う災害対応業務の中でも、被災者の生活再建に直結するものが「罹災証明書」の発行である。罹災証明書は、住宅などの被害状況を確認し、「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」などの判定を行政が下し、それを被災者に文書で交付するものである。これにより被災者は、公的支援や保険金の請求などが可能になる。しかし、その発行には時間と人的コストが...

ペロブスカイト特許競争が激化 日本の技術立国に試練

近年、次世代の太陽電池として注目されている「ペロブスカイト太陽電池」。軽量・柔軟・低コスト・高効率という四拍子揃ったこの技術は、従来のシリコン型太陽電池を補完あるいは置き換える存在として、世界中の研究機関・企業から熱い視線を浴びている。その中でも、中国勢の特許出願ラッシュが著しく、知財戦略の面でも日本は岐路に立たされている。 ペロブスカイト太陽電池とは何か ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト...

IBMの特許王国を支える“ミドルの力”——革新を続ける管理職育成の真髄

2020年、IBM(International Business Machines Corporation)は米国特許商標庁(USPTO)から9,130件の特許を取得し、28年連続で特許取得件数世界一の座を守った。これはApple(2,792件)、Microsoft(2,905件)、Google(1,817件)などの名だたるテックジャイアントを大きく引き離す数字であり、IBMがいかに継続的にイノベ...

メガネの新常識、「Zoff SNAP GRIP」登場──全国発売開始、究極のフィット感を実現

2025年5月16日、国内大手アイウェアブランド「Zoff(ゾフ)」は、新製品「Zoff SNAP GRIP(ゾフ・スナップグリップ)」を全国のZoff店舗およびオンラインストアにて発売した。この新商品は、Zoffが“究極の快適性”を追求した末に生み出した革新的なメガネフレームであり、現在特許出願中の新構造「スナップグリップ機構」を搭載している点が最大の特徴だ。 Zoffは、これまでにもリーズナブ...

三菱ケミカルG、CATLと特許契約締結 電解液技術をグローバル展開へ

2025年5月、三菱ケミカルグループ(以下、三菱ケミカルG)は、世界最大の電気自動車(EV)用バッテリーメーカーである中国・寧徳時代新能源科技(CATL)に対し、リチウムイオン電池に使用される電解液の特許技術をライセンス供与する契約を締結したと発表した。電池材料業界における知財戦略の新たな局面を象徴するこの一件は、単なるライセンス供与という枠にとどまらず、日中間のEV産業連携、そして将来のバッテリ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る