サムスンが折り畳みスマホの特許公開 縦横、内外に折り畳めるノートPCとしても使用可能


サムスンが折り畳みスマートフォンに関する新たな特許を取得したことが明らかになった。縦横、内外へ自由に折り畳むことができる。そのことをオランダのテック系メディア「LetsGoDigital」が伝えたと中国最大のITメディアの36Kr Japanが22年2月28日取り上げた。

この折り畳みスマホは、水平と垂直方向に2つのヒンジ(蝶番)がある。水平方向のヒンジは画面を2分割する位置にあり、垂直方向のヒンジは画面中央からやや左寄りにある。つまり、横折りすると折り畳み線が真ん中より左にずれ、左右非対称になるが、折り畳んだ後の前面のディスプレイのサイズが通常のスマホのサイズに近くなるため、画面表示に適しており使い勝手が良い。

折り畳み線が画面中央にあると、折り畳んだ状態では画面の幅が狭くなりすぎてしまう。また、横折りの場合はディスプレイは外向きに二画面表示になる。縦折りではディスプレイは内側になり、傷がつかないよう保護できる。

さらに特筆したいのは、縦折りにすると上下とも画面の縦横比がほぼ16:9となり、それぞれディスプレイとバーチャルキーボードとして使えるのでミニノートパソコンにもなることだ。

サムスンは昨年7月に世界知的所有権機関(WIPO)にこれを「畳める電子機器」として特許出願した。特許出願書類は全57ページにわたり、国際公開日は2022年2月10日だ。業界関係者は、この特許は非常に汎用的で、特許を利用した端末によってタブレット、スマホ、ノートパソコンの違いが一層曖昧になり、一台でこれらの端末の機能をすべて備えることさえ可能だとみる。

サムスンは、今年1月初めの電子機器の業界向け見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」でFlex SシリーズとFlex Gシリーズを含む3つの三つ折りスマホのコンセプトモデルを発表した。

CESで展示されたモデルを見る限り、Flex SもFlex Gも使いやすく、画面の折り畳みもスムーズで、画質も良い。

サムスンは外折りスマホをまだ量産していないが、Flex Sは外折りも内折りも含めてS字型に三つ折りするタイプなので生産は一層困難だ。さらにサムスンは今回、1台のスマートフォンで内折り、外折り、横折り、縦折りを可能にした。ここに、サムスンの折り畳みスマホ技術へのあくなき挑戦を垣間見ることができる。

サムスンは折り畳みスマホの量産で世界をリードしている。サムスンは、昨年1年間に世界の9割の折り畳みスマホを売り上げた。調査会社「カウンターポイント(Counterpoint)」のデータによると、世界で販売される折り畳みスマホの10台に9台はサムスン製で、サムスンは2019年以来、スマホメーカーで最多となる7モデルの折り畳みスマホを発表している。


【オリジナル記事・引用元・参照】
ttps://36kr.jp/175895/


Latest Posts 新着記事

知財の主戦場は「充電」から「交換」へ——CATLが先回りする日本市場の布石

世界最大級の車載電池メーカーCATLは、セルやパックの“モノづくり”を超えて、交換式バッテリーによる「BaaS(Battery as a Service)」へと事業射程を拡張している。交換ステーション、共通モジュール、運用ソフト、資産管理—この新モデルが成立するとき、勝負を決めるのは工場規模だけではない。規格化を押さえる特許と、サプライチェーン横断で効くサービス設計の知財である。中国本土では、Si...

環境×技術×知財 BlueArchがつくる“持続可能な海洋モニタリング”の新モデル

海岸林、マングローブ、塩沼、藻場などの ブルーカーボン生態系 は、地球温暖化対応の大きな鍵となる。これらの環境は、陸上森林よりも濃密に炭素を隔離する能力を持つという報告もある。Nature+2USGS+2 だが、こうした海・沿岸域の調査・保全には「アクセス困難」「高コスト」「リアルタイム性の欠如」といった課題が横たわる。ここに、ドローン技術、GPS(あるいは水中位置推定技術)、そして特許設計による...

ファーウェイ、特許で動く EV×5G基地局に見る中国知財の拡張戦略

■ 序章:静かに増える“赤い知財網” 特許庁の公開データを丹念に追うと、近年ひとつの変化が浮かび上がる。日本国内での中国企業による特許出願が、2015年以降、年率二桁で増加しているのだ。 とりわけ通信・電池・モビリティといった「脱炭素×デジタル」分野に集中しており、日本企業が得意とする領域を正面から狙っている。こうした動きの中心にいるのが、通信大手・華為技術(ファーウェイ)である。 米中摩擦のさな...

終わりなき創造の旅 厚木の発明家が挑む“次の技術革命”」

特許数でギネス更新 21世紀のエジソン、厚木に―発明の街が問いかける、日本の未来図 神奈川県厚木市―東京からわずか1時間足らずの距離にあるこの街が、世界の技術史に名を刻んだ。特許数の世界記録を更新した発明家、山﨑舜平(やまざき・しゅんぺい)氏が拠点を構えるのが、まさにこの地である。彼の名がギネス世界記録に再び載ったというニュースは、科学技術の世界だけでなく、日本人のものづくり精神を象徴する話題とし...

知財は企業の良心を映す鏡――4億ドル評決が語るイノベーションの倫理

2025年10月、米テキサス州東部地区連邦地裁で、韓国の大手電子機器メーカー・サムスン電子に対し、無線通信技術の特許侵害を理由に4億4,550万ドル(約690億円)の賠償を命じる陪審評決が下された。この判決は、単なる企業間の紛争を超え、ハイテク産業における知的財産権(IP)の重みを再認識させる事件として、世界中の知財関係者の注目を集めている。 ■ 「技術を使いたいが、支払いたくない」——内部文書が...

知財が揺るがす電機業界――TMEIC×富士電機、UPS特許訴訟の裏側

2025年夏、産業用電源装置分野を揺るがすニュースが伝わった。東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が、富士電機の無停電電源装置(UPS)製品が自社の特許を侵害しているとして、韓国において訴訟および輸入禁止の措置を求めた件である。韓国貿易委員会(KTC)は8月下旬、TMEICの主張を一部認め、富士電機製の特定UPSモデルについて韓国への輸入を禁止する決定を下した。日本企業同士の知財紛争が、国外で具...

「JIG-SAW、AI画像技術で米国特許を獲得へ 知財を武器にグローバル競争へ挑む」

はじめに:発表概要と意義 JIG-SAW(日本発の IoT / ソフトウェア/AI ベンチャーと理解される企業)は、米国特許商標庁から「コンピュータビジョン技術」に関する Notice of Allowance(特許査定通知) を取得した旨を、自社ウェブサイトおよびニュースリリースで公表しています。 具体的には、JIG-SAW は「コンピュータビジョン技術、画像処理・画像生成支援技術」分野において...

「特許で世界を包囲する中国 イノベーション強国への加速」

はじめに:なぜ国際特許出願数が注目されるか イノベーション(技術革新)の国際競争力を測る指標として、研究開発投資、論文発表数、特許出願数などが長らく注目されてきました。特に国際特許(例えば、特許協力条約 PCT 出願、あるいは各国出願による外国での保護を意図した出願)は、一国の発明・技術が国際市場を見据えて保護を志向していることを示すため、技術力だけでなく国際志向性の強さも反映します。 近年、中国...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る