独自スマホ発売で話題のバルミューダ、デザインのみならずしっかりとした技術の裏付けの特許価値は7位と健闘

2020年12月16日に東証マザーズに上場した家電メーカーのバルミューダ。久しぶりの製造業の上場とあって、人気が集まり、売り出し価格1930円に対し、現在は5000円前後で取引されている。

バルミューダは、主に調理器具、空調・照明の分野に絞って、洗練されたデザインと高機能を売りに比較的高価格の商品を販売している。この分野は大手メーカーも機能とデザインの高度化に力を入れており、競争が激しい。特にデザインの優位性はサステナブルではなくなってきている。

バルミューダは典型的なファブレス経営で、ほとんど生産設備を持たない。これは生産設備の革新による価格競争力の強化ができないことを意味する。製品そのものの技術の優位性を維持・向上させていくことが成長に不可欠なビジネスモデルだ。
そんな中、バルミューダの独自スマホBALMUDA Phoneが話題になっているが、この製品の特長のひとつでもあるコーティング技術についてもバルミューダが特許を出願しているということだ。

このコーティング技術については出願公開(出願から1.5年後)前のようだが、公開されているものだけでも、今までに合計36件の特許出願が行われており、うち21件が特許化されている。

ほぼすべての出願において、同社社長の寺尾玄氏が発明者(あるいは共同発明者)としてクレジットされており、特許の内容は扇風機(サーキュレーター)や空気清浄機、それらに使用される軸流モーター、オーブントースター等の調理家電等、同社の主力製品に関するも。

特許調査会社によるKKスコアを使った特許価値評価においても、バルミューダ社は調理器具や空調・家電分野で7位にランクされ、洗練されたデザインだけではなく、しっかりとした技術の裏付けのある会社であるということがわかる。出願状況からみて今後も10位以内を維持する可能性は高いと見られている。

■調理器具、空調・家電分野の特許価値ランキング(出所:日本知財総合研究所作成)

なお、バルミューダ社は意匠登録も35件行っているが、こちらもその多くにおいて寺尾玄社長が創作者になっている。

特許から売り上げを増やす方法は自社販売のほか、ライセンス供与などが考えられ、新規上場後も株価が人気を集めているのは、特許価値からみても当然といえる。

なお、特許価値評価の「KKスコア」は神戸大学とカネカの共同開発によるもので、公開情報から特許の重要性を判定する指標として優れている。パナソニックが提供する特許調査支援サービス「PatentSQUARE」などで入手することができる。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://moneyworld.jp/news/05_00043114_news
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20211122-00269206

* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。

コメントを残す