無料のソーシャルメディアフレームワークであるMastodon(マストドン)は、Truth Socialがオープンソースソフトウェアを自社のものだと偽っていると主張し、その是正に30日間の猶予を与えた。2021年11月末までに修正されなければ、事態は混乱する可能性があると、テクノロジーメディアのTechCrunch Japanは21 年10月31日次のように伝えている。
Mastodonの創業者でCEOのEugen Rochko(ユーゲン・ロッコ)氏は、同社のブログへの投稿で、問題は単にTruth SocialがMastodonを使用していることではなく、Truth Socialのサイトのコードに関する所有権を主張しながら使用していることだと説明している。
先週、立ち上げ前のサイトのコードを調べた人々が、Mastodonのコードが明らかに無断で使用されていることを発見した。
「利用規約には気がかりな一節が含まれています。サイトは所有権のある財産であり、すべてのソースコードとソフトウェアは、彼ら(Truth Social)によって所有または管理されているか、彼らにライセンスされていると主張しています」とロッコ氏は書いた。
「MastodonはAGPLv3ライセンスで公開されているフリーソフトウェアであり、これを使用する他のネットワークサービスは、ソースコードとそのあらゆる変更を公開することが求められています」。
Truth SocialはMastodonについて言及していないが、Mastodonのコードが使用されていることは明らかだ。SNSこの種のライセンスは、オープンソースソフトウェアでは一般的なもので、多くの場合、大企業にも無料で提供されている。
大企業は、そのソフトウェアを自由に使用・変更することができるが、使用する場合、その作業を公開し、ツールの開発全体の一部として扱うことが求められる。これが、時間を割いてボランティアで活動する人々と、お金をもらって貢献するエンジニアを抱える企業との間に、豊かなコラボレーション環境を生む。
しかし、得てしてこうしたライセンスは尊重されない。大企業は多くの場合、自分たちは逃げ切れると考えているか、あるいは、自分たちに何が求められているのかを理解していない。たとえ、それが単に、使用を認めることであったり、GitHubのページにコードをどう変更したかを記録したりするだけであってもだ。
違反した場合の影響はまったくわからず、さまざまな要因に左右される。例えば、ある企業が、利用可能な状態にある有料ライセンスへの支払いを回避するために、オープンソースソフトウェアを無料で使用した場合、失われた収入に対する金銭的損害賠償を求める訴訟が起こされるかもしれない。
また、最近のVizioに対する訴訟のように、純粋にコードをオープンにしておきたいという動機で訴訟が起こされることもある。
世の中には膨大な数のライセンス違反が存在するため、多くの違反は見逃される。だが、トランプ氏のソーシャルネットワークが公然とライセンス違反を犯せば、それが見逃されることはないだろう。
ロッコ氏の投稿によると、もしTruth SocialがMastodonのソースコード利用を認めず、コードをレビューに回さなければ、ライセンスは11月26日(Truth Socialの最高法務責任者にこの件を説明する書簡が送られてから30日後)に取り消されるという。
これは先週、Software Freedom Conservancyが予言した救済措置そのものだ。というのも、彼らが指摘するように「AGPLv3の救済規定は、不動産王やリアリティテレビのスター、さらには前大統領であっても例外なく機能する」からだ。この「治癒」は、他に何らかの合意がないことを前提に、著作権者(つまりMastodon)からの通知があれば足りる。
「ライセンスなしにコードを使用する人は、私たちの著作権を侵害することになります」ロッコ氏はTechCrunchにメールで述べた。「そして、著作権侵害に対抗する手段が私たちに開かれることになります」。
ロッコ氏は、トランプ一派が自分たちのソフトウェアを使用していることは喜ばしくないと認めているが、ビジネスを始めたときにそのような事態が起こることは覚悟していたとし、唯一の、真の異議申し立ては、ルールに従って使用されていないことだと述べた。
Mastodonは、意図的にインスタンスが完全に独立するよう設計されており、同社が介入して特定のインスタンスをシャットダウンすることはできない。皮肉なことに、このソーシャルメディアツールは、トランプ氏の仲間たちが声高に求めてきたものだ。
彼らは、Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)という集権化された権威に不満を述べてきた。Mastodonは何年も前から利用可能だったが、トランプ氏の会社は利用にあたり最もあやしい方法を採ったため、会社全体の運営を危険にさらした。
Truth Socialが、ソーシャルネットワークを自ら作り上げたという主張を撤回すれば、安全ではあるが、少し輝きを失うことになるかもしれない。単なるMastodonのインスタンスのセットアップは、誰でも半日あればできる。
もし撤回しないのであれば、これは教科書的なケースであり、結局のところ、訴訟を受けてTruth Socialは独自のコードベースを構築せざるを得なくなるかもしれない。そして、それは予想以上に難しいことだと分かるかもしれない。
【オリジナル記事・引用元・参照】
https://jp.techcrunch.com/2021/10/31/2021-10-29-mastodon-issues-30-day-ultimatum-to-trumps-social-network-over-misuse-of-its-code/
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
関連記事
- 任天堂、スマホをコントローラー化する特許出願 次世代機での活用に期待
- 「JavaScript」商標の行方は?Denoがオラクルの商標登録取り消しを申請
- SUPER EIGHT」商標登録拒絶の背景と繰り返される承諾問題
- 新潟発のフードテック!特許技術「米マヨネーズ」
- 韓国、中国の「特許ただ乗り」に対抗 バッテリー特許戦争の幕開け
- パテントトロールに反撃!特許の無効化を目指すオープンソース界
- 特許技術で耳にカスタムフィット!AirPods Pro専用イヤーチップ
- 特許資産規模ランキング2024 トップ3はNTT、HUAWEI、Google
- Samsung、三つ折りスマートフォンの特許を申請
- 「NewJeansがモデル」インドネシアラーメン、韓国商標権を侵害?