兵庫工業高校(神戸市兵庫区)のデザイン科3年岸本愛望(あいみ)さん(17)がデザインしたテープカッターが、若い世代のアイデアを評価する「デザインパテントコンテスト」で優秀賞に輝き、意匠権を取得したと、神戸新聞NETが2021年10月8日次のように伝えている。
同校の生徒としては初めて。企業などと協力すれば製品化される可能性もあるといい、自らのデザインを人の役に立てる夢に向かって一歩を踏み出した。(小野萌海)
コンテストは、若い世代に知的財産制度の理解を深めてもらおうと、文部科学省や特許庁、日本弁理士会などが主催する。
高校生や高等専門学校生、大学生らからデザインを募り、入賞者には弁理士の相談料や出願料などを支援し、意匠権を取るまでの手続きを体験してもらう。
同校では2020年秋に、デザイン科プロダクトデザインコースの2年生12人がテープカッターのデザインを応募した。優秀賞に選ばれた岸本さんのデザインは21年8月、意匠登録された。
受賞作品は、2本足のタワーの形で、背面のくぼみにテープをはめ込んで回転させ、頂点に取り付けた歯でカットする。奥行き1・7センチの薄型で、棚や引き出しにしまいやすく、そのままオブジェとして部屋に飾れる。
自身が普段使うテープカッターが大きくて重く、持ち運びや収納に不便だったために思いついた。幼い頃からものづくりが好きで、日常で「これがあったら便利だな」と感じることからデザインのアイデアが生まれるという。
意匠登録が完了し、特許情報を公開するサイトのデータを見て「自分のデザインが世の中に出たと実感した」と岸本さん。卒業後は就職して「ものづくりを通して誰かを笑顔にできる生活空間を作りたい」と夢を膨らませる。
なお、意匠とは物品(商品)の形態、すなわち、外観のデザインのことで、意匠権についても、取得には特許権と同様に新規性が必要となっている。また、意匠は外観ものである以上、商品の写真や図面が公開されてしまった場合、ただちに公知(新規性を失った状態)となってしまう。
そして、公知になってしまえば、そのデザインについては、原則、意匠登録を受けることができなくなる。また、意匠は特許等に比べれば模倣が容易なので、真似された商品を先に販売されるリスクも高くなる。
従って、意匠登録を視野にいれたデザインについては、商品のプレスリリースや販売開始の検討と合わせて、早めに意匠登録出願を済ませておくことが大切だと言われている。
【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/202110/0014742785.shtml
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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