SONYがゲームを他のユーザーと共有できる特許を出願


ソニー・インタラクティブエンタテインメント社(SIE社)は、米国特許商標庁(USPTO)に「ゲームコンテンツを共有するための方法及びシステム」と題した特許出願を行い、2020年7月16日に当該出願が公開された(公開番号:US2020/0222802)。

ゲームに限らず、現在、コンテンツの共有自体は非常に普及しているといえる。典型的には、ユーザーが興味あるビデオ(動画)を閲覧したり、好きな歌を聞いた後、自分の友人等に電子メールやメッセージ等を送信し、コンテンツを紹介することはよく行われていることであろう。さらにはメッセージを受信した友人が、コンテンツへのリンクを通して当該コンテンツにアクセスするというのは既に当たり前に行われていることである。

ゲームコンテンツの共有の場合は事情が異なる

しかし、ゲームの共有といった場合、単にゲームセグメントのビデオ(動画)を共有するに過ぎないのであれば、ゲームとしての重要な部分を欠いているといえよう。

そこで、今回特許出願された共有のためのシステムにおいては、ユーザーが例えば友人等とゲームを共有した場合、ゲームの途中状態のデータが共有され、同じゲーム進行状態でゲームを開始することができる。このような共有が可能となれば、ユーザーの楽しみやゲームの人気が確実に増大するといえよう。

共有する範囲を定めることも可能

 複数のユーザーで同期されたゲームをプレイする場合であって、かつ、ユーザーが特定のゲームシナリオを共有したい場合、ユーザーは予め定められた部分を選択し、その部分のみゲームを共有して同時プレイが可能とすることもできる。この場合、当初設定したシナリオが終了すると、得点や試合結果等の統計データを取り込んでゲームが終了するというわけである。

もちろん、共有する範囲というのを特定のシナリオに限定するということもあるが、単に時間で区切ることも考慮されている。決められた時間だけゲームを共有して一緒に遊ぶ、ということができるわけだ。

特許出願はされたが、まだ公開されただけ

USPTOによる出願公開は前述のとおり2020年7月16日にされている。出願公開は出願日から所定の日数を経れば自動的にされるものだが、特別な早期審査の申請をしていない限りは、特許審査はこれからだと考えられる。よって、無事に特許権となるか、また、実際の製品に搭載されるかは、まだはっきりとはわからないのが現状である。

この技術が実装されれば、友人等とゲームを共有することで、ゲーム内で互いに競争するなどして、共有レベル及び共有の関心を劇的に増加させることができるだろう。ユーザー同士は、互いから学び、それらの知識をゲームの進行に活かすことができることが期待される。


Latest Posts 新着記事

「肌は『足す』だけでは整わない――ナリス化粧品の新特許が示す角層研究の現在地」

化粧品の進化は、派手な新成分だけで起きるわけではない 化粧品業界のニュースというと、どうしても美白、シワ改善、ハリ、うるおいといった分かりやすい言葉が前面に出やすい。消費者にとっても、「何を与えるか」「どんな機能を足すか」は理解しやすいからだ。だが、肌の美しさは、単に何かを塗り重ねれば成立するものではない。むしろ近年あらためて注目されているのは、肌の最も外側にある角層が、どのように整い、どのように...

「タイヤは“黒い丸”のままでいいのか――フォード発光タイヤ特許が映す、クルマ個性化の新段階」

クルマの個性化は、ついにタイヤにまで及び始めた クルマのカスタマイズといえば、これまではボディカラー、ホイール、ライト、内装、エアロパーツといった領域が主役だった。どれも車体そのもの、あるいは車体に近い部分の表現であり、タイヤはどちらかといえば性能や安全性を担う“黒子”だった。ところが、その常識を少し揺さぶるニュースが出てきた。フォードが、発光するサイドウォールを備えたタイヤに関する特許を取得した...

「猛暑対策は『我慢』から『設計』へ――特許取得の冷却シリーズが示す新常識」

  もはや日本の夏は“季節”ではなくリスクになった 日本の夏は、すでに「少し暑い季節」ではない。 屋外で働く人にとっては体力を奪う労働環境であり、通勤する人にとっては日々の消耗そのものだ。子どもや高齢者、さらにペットにとっては、体調不良どころか命に関わるリスクに直結することも珍しくない。 そう考えると、猛暑対策グッズの進化は、単なる季節商品の話では済まされない。 いま求められているのは、「暑いから...

「RAGだけでは足りない――『chai+』が示すFAQ型AIの新たな価値」

企業向けAIチャットボットは、いま転換点にある 法人向けAIチャットボットの議論は、この1年ほどでかなり変わった。少し前までは、「生成AIで自然な文章が返る」「社内文書を読み込ませれば答えてくれる」といった点が注目された。だが企業現場で本当に問われているのは、流暢さではない。間違えずに答えられるか、そして業務に組み込めるかである。 その意味で、法人向けRAG型AIチャットボット「chai+」が、特...

3月に出願公開されたAppleの新技術〜バイオメカニクスに基づくモーションマッピング〜

はじめに 空間コンピューティング(XR)のUI設計において、最も困難な課題の一つは「ユーザーの物理的な動き」と「仮想空間の操作」の間のギャップを埋めることです。Appleが公開した特許出願「US 2026/0086652 A1」は、人間の解剖学的制約を逆手に取り、数学的に「操作の揺らぎ」を排除する高度なマッピング手法を提案しています。   発明の名称: MOTION MAPPING FO...

「顔認証は“門番の代わり”ではない――KIDSCALL特許取得が示す保育DXの次の競争軸」

保育現場の負担は、想像以上に細かく、重い 保育現場の課題というと、多くの人は人手不足や安全管理、あるいは保育士の処遇改善といった大きなテーマを思い浮かべる。もちろんそれらは重要だ。だが、実際の現場を支配している負担の多くは、もっと細かく、もっと断続的なものでもある。 夕方のお迎え時間を思い浮かべれば分かりやすい。インターホンが鳴る。職員がモニターを確認する。マスク越しの顔や、たまに来る祖父母・親族...

「防錆塗料はここまで進化した――『水性ローバルONE』が変える現場の常識」

防錆の世界で起きているのは、小さな改良ではない 塗料の話は、一般にはあまり派手なニュースとして扱われない。 だが、社会インフラや工場設備、鋼構造物の維持管理に関わる人にとって、塗料の進化はコストや安全性、環境対応、施工現場の働き方を左右する重要なテーマである。とりわけ鉄を守る防錆技術は、橋梁、プラント、設備保全の世界では、見えないが極めて本質的な基盤だ。 今回のローバルの新製品「水性ローバルONE...

「ゲームの自由は、どこまで囲い込めるのか――任天堂特許拒絶が映す知財戦略の難しさ」

それは「敗北」ではなく、まずは黄信号である 任天堂とポケモン社が保有していた、いわゆる「キャラクターを召喚して戦わせる」米国特許について、米国特許商標庁(USPTO)が非最終の拒絶を通知した。対象は米国特許 US12,403,397 B2 で、USPTO長官が2025年11月に職権で再審査を命じた後、2026年3月のオフィスアクションで全26請求項について拒絶理由が示された、という流れである。これ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る