「ラーメン二郎」と「宅二郎」、 特許庁、ラーメン二郎の周知性を認めず!

根強いファンがいるラーメン二郎、正規ののれん分け店とは別に、さまざまな類似店(インスパイア系)があるのは周知のことかと。インスパイア系の店には二郎を多少連想させはするものの独自のブランドを確立しているものもあれば、一線を越えて本家二郎との誤認混同を招きかねないようなものがある。

後者の例とも言える宅配専門ラーメン店「宅二郎」と本家二郎との争いについて、Yahooニュースは2021年8月14日個人ニュースとしてその内容を以下のようにアップしている。

現在は、「宅二郎」の権利者はラーメン宅配の店名を変更(なぜか、おにぎりの宅配についてのみ使用)していますので、両社の争いは一応解決しているのですが、この争いの過程においてラーメン二郎側が「宅二郎」の商標登録(6280422号)に対して請求した異議申立の決定が5月に出ていた。

異議申立の理由はいくつか挙げられているが、ポイントとなるのは商標法4条1項10号(周知商標と類似)、または、15号(他人の業務との混同)。(「ラーメン二郎」と「宅二郎」の類似(4条1項11号)はちょっと厳しいと思います)。要するに、異議申立人は「ラーメン二郎」という商標の周知性を立証する必要があるということです。

異議申立書は、弁護士先生3名(やはりジロリアンなのでしょうか)を代理人とする、なかなか気合の入った内容で、統計テクニックを駆使してラーメン二郎の周知性を主張したりしています。たとえば以下の記載(あくまでも、申立人の主張)がある。
フェルミ推定で、「ラーメン二郎」に来店するコアのジロリアンが35万人、インスパイア系の店に来店する「ラーメン二郎」のコンセプトのファンと呼べる人は70万人と推定され、「ラーメン二郎」は、少なくともジロリアンを中心とした熱狂的な105万人のファン層に知られていると推定される。

しかし、特許庁審判官は、「ラーメン二郎」の商標の周知性(および、「ラーメン二郎」と「宅二郎」との類似性)を認めず、登録維持(取消不成立)の決定となった。(決定文省略)
本件、異議申立の登録維持決定には不服申立(取消訴訟)できませんが、ラーメン二郎側が別途無効審判を請求することは可能です。とは言え、本件は「宅二郎」側の店名変更により一応の解決を見ていますので、無効にする必然性も薄くなっていますが。

【オリジナル記事】
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20210814-00253219

* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。

コメントを残す