既存特許を買取して有効活用!?買取メリットと相場とは


新しいビジネスを始めるときや、既存の事業を成長させるために何か特別な技術やアイデアが欲しいと思ったことはありませんか?
そんなとき、特許を買い取ることが有力な手段になることがあります。
特許というのは、新しい技術やアイデアを保護するための権利で、特許を持つことで他の人や企業がその技術を勝手に使うことを防ぐことができます。

そんな特許を買い取ることができる市場をご存じでしょうか?
米国では比較的有名な市場として存在しますが、日本においてはまだまだ発展途上で例えば最近β版としてローンチしたIPmarket(IPマーケット)などがあります。

今回は、既存の特許を買い取ってビジネスに活用するメリットや、どのような特許を買うべきか、その相場について詳しく解説していきます。
特許の買取は、ただのアイデアの入手だけでなく、新しい市場への参入や競争力の強化に役立つものです。
特許の買取がどのように役立つのかをご紹介しましょう。

特許とは何か?

まず、特許とは何かを簡単に説明しましょう。
特許とは、新しい発明や技術に対して与えられる独占的な権利です。
この権利を持つことで、その技術を他の人や企業が勝手に使うことを防ぐことができます。特許は政府から与えられ、通常は20年間有効です。

特許を持つことで、その技術を自分たちだけが使えるようになり、他の企業が同じ技術を使って競争することを防ぐことができます。例えば、スマートフォンの新しい機能や自動車のエンジン技術など、私たちが日常的に使っている多くの製品には特許が関係しています。

既存特許の買取とは?

特許は新しい発明に対して与えられるものですが、実はすでに取得された特許を他の人や企業が買い取ることもできます。
これを「既存特許の買取」といいます。
特許を買い取ることで、その技術を自社で活用したり、新しい製品を作ったりすることができます。

例えば、新しいビジネスを始めたいと思っているけれど、自分たちには独自の技術やアイデアがない場合、既存の特許を買い取って、その技術を利用することでビジネスをスタートすることができます。
特許の買取は、既存の技術を迅速に手に入れるための有効な手段です。

既存特許を買い取るメリット

特許を買い取ることには多くのメリットがあります。主なメリットを5つ紹介しましょう。

1. 時間とコストの節約

新しい技術やアイデアを自分たちで開発するには、時間とお金がかかります。
しかし、既存の特許を買い取ることで、その技術をすぐに使うことができ、開発にかかる時間やコストを大幅に削減することができます。
これにより、競争相手よりも早く市場に参入することが可能になります。

実際に特許を買取し市場参入をした例をコチラより見ることができます。

2. 市場参入のスピードアップ

新しい技術を自分たちで開発するのではなく、すでに成功している技術を特許として買い取ることで、ビジネスを迅速にスタートすることができます。
これにより、市場に早く参入し、競争相手に先駆けてシェアを獲得することができます。

実際に特許を買取(ライセンス)し市場参入をした例をコチラより見ることができます。

3.競争力の強化

特許を買い取ることで、その技術を独占的に使用できるようになります。これにより、他の企業が同じ技術を使って競争することを防ぎ、ビジネスの競争力を強化することができます。また、特許を持っていることで、他の企業とのライセンス交渉やパートナーシップを有利に進めることができます。

4. 新しいビジネスの可能性

特許を買い取ることで、新しいビジネスの可能性が広がります。たとえば、他の企業が開発した技術を活用して、新しい製品やサービスを提供することができます。また、特許を持つことで、その技術を他の企業にライセンスして収益を得ることも可能です。

5. リスクの軽減

新しい技術を開発する際には、その技術が市場で成功するかどうかは分かりません。しかし、すでに市場で成功している技術を特許として買い取ることで、リスクを軽減し、確実に収益を得ることができます。

既存特許の買取相場

既存特許を買い取る際の価格、つまり「相場」は、特許の種類や市場価値、特許の有効期限などによって異なります。特許の価値は、その技術がどれだけ革新的であるか、またどれだけの市場で使用される可能性があるかによって決まります。

たとえば、非常に革新的で多くの市場で利用できる技術を持つ特許は、非常に高い価値があります。一方で、技術が古くなり市場での需要が低下している特許は、比較的安価で買い取ることができます。

一般的には、特許の買取価格は数百万円から数億円に及ぶことがあります。具体的な金額はケースバイケースであり、特許の価値を正確に評価するためには、市場調査や専門家のアドバイスが必要です。また、特許を買い取る際には、その技術が自社のビジネスにどれだけ貢献するかをしっかりと評価することが重要です。

起業や新規事業における特許買取の重要性

特許の買取は、新しいビジネスを始める際や既存の事業を拡大する際に非常に有効です。
起業や新規事業において特許の買取がどのように役立つかを具体的に5つ説明しましょう。

1. 迅速な市場参入

新しいビジネスを始める際には、迅速に市場に参入することが成功の鍵となります。
特許を買い取ることで、時間とコストを節約し、競争相手よりも早く市場に参入することができます。これにより、初期の市場シェアを獲得し、ビジネスを軌道に乗せることができます。

2. ビジネスの差別化

市場には多くの競争相手が存在しますが、特許を買い取ることで、自社の製品やサービスを他社と差別化することができます。
特許技術を活用して、他にはない独自の製品やサービスを提供することで、顧客にアピールしやすくなります。

3. ビジネスパートナーシップの強化

特許を持つことで、他の企業とのパートナーシップを強化することができます。
特許技術を共有することで、共同開発やライセンス契約を結びやすくなり、ビジネスをさらに拡大することができます。

4. リスクの軽減

新しいビジネスを始める際にはリスクが伴いますが、特許を買い取ることでそのリスクを軽減することができます。
すでに成功している技術を活用することで、失敗のリスクを減らし、ビジネスの成功確率を高めることができます。

5. 知的財産の価値を最大化

特許を持つことで、自社の知的財産の価値を最大化することができます。
特許技術を利用して新しい製品を開発したり、他の企業にライセンスすることで、収益を得ることができます。
また、特許を複数保有することで、自社の技術ポートフォリオを強化し、競争力を高めることができます。

特許買取における注意点

特許を買い取る際には、いくつかの注意点があります。

まず、特許が本当に価値があるかどうかをしっかりと評価する必要があります。
市場での需要や競争相手の状況を考慮して、その特許がどれだけの利益を生む可能性があるかを見極めることが重要です。

また、特許を買い取る際には、その特許がすでに他の企業によって利用されていないか、または他の特許と競合しないかを確認することも重要です。
特許が競合する場合、法的な問題が発生する可能性があり、そのリスクを避けるためには慎重な調査が必要です。

さらに、特許の有効期限も重要なポイントです。
特許の有効期限が残り少ない場合、その特許を買い取ってもすぐに他の企業が同じ技術を使えるようになる可能性があるため、価値が低くなることがあります。

特許を有効活用するための戦略

特許を買い取った後、それをどう活用するかが成功の鍵となります。特許を有効活用するための戦略を4つ紹介しましょう。

1. 新製品の開発

特許を活用して、新しい製品やサービスを開発することが最も一般的な活用方法です。
特許技術を活用して、他にはない独自の製品を作ることで、市場での競争力を高めることができます。

2. ライセンス契約の締結

特許を他の企業にライセンスすることで、安定した収益を得ることができます。
特許を持っていることで、他の企業との交渉を有利に進めることができ、ビジネスパートナーシップを強化することができます。

3. 特許ポートフォリオの構築

特許を複数保有することで、特許ポートフォリオを構築し、自社の技術力を強化することができます。
これにより、競合他社に対する優位性を保つことができ、ビジネスの成功を支える基盤となります。

4. 市場参入のタイミングを見極める

特許を買い取った後、その技術をいつ市場に投入するかが重要です。
市場の動向を見極め、最適なタイミングで特許技術を活用することで、最大の利益を得ることができます。

まとめ

既存の特許を買い取ることは、ビジネスの成功に向けた強力な戦略となります。特許を買い取ることで、新しい技術を迅速に手に入れ、競争相手に対して優位に立つことができます。また、特許の買取は時間とコストの節約にもなり、新しいビジネスの可能性を広げることができます。

特許を買い取る際には、その価値を正確に評価し、ビジネスの成功にどう貢献するかをしっかりと考えることが重要です。適切に特許を活用することで、起業や新規事業の成功確率を高め、競争力のあるビジネスを築くことができます。

そして冒頭でも説明したように、特許を買い取ることができる市場があります。
日本においてはまだまだ発展途上にはなりますが、最近β版としてローンチしたIPmarket(IPマーケット)を使用してみてはいかがでしょうか?


ライター

+VISION編集部

普段からメディアを運営する上で、特許活用やマーケティング、商品開発に関する情報に触れる機会が多い編集スタッフが順に気になったテーマで執筆しています。

好きなテーマは、#特許 #IT #AIなど新しいもが多めです。




Latest Posts 新着記事

AI×半導体の知財戦略を加速 アリババが築く世界規模の特許ポートフォリオ

かつてアリババといえば、EC・物流・決済システムを中心とした巨大インターネット企業というイメージが強かった。しかし近年のアリババは、AI・クラウド・半導体・ロボティクスまで領域を拡大し、技術企業としての輪郭を大きく変えつつある。その象徴が、世界最高峰AI学会での論文数と、半導体を含むハードウェア領域の特許出願である。アリババ・ダモアカデミー(Alibaba DAMO Academy)が毎年100本...

翻訳プロセス自体を発明に──Play「XMAT®」の特許が意味する産業インパクト

近年、生成AIの普及によって翻訳の世界は劇的な変化を迎えている。とりわけ、専門文書や産業領域では、単なる機械翻訳ではなく「人間の判断」と「AIの高速処理」を組み合わせた“ハイブリッド翻訳”が注目を集めている。そうした潮流の中で、Play株式会社が開発したAI翻訳ソリューション 「XMAT®(トランスマット)」 が、日本国内で翻訳支援技術として特許を取得した。この特許は、AIを活用して翻訳作業を効率...

特許技術が支える次世代EdTech──未来教育が開発した「AIVICE」の真価

学習の個別最適化は、教育界で長年議論され続けてきたテーマである。生徒一人ひとりに違う教材を提示し、理解度に合わせて学習ルートを変化させ、弱点に寄り添いながら伸ばしていく理想の学習プロセス。しかし、従来の教育現場では、教師の業務負担や教材制作の限界から、それを十分に実現することは難しかった。 この課題に真正面から挑んだのが 未来教育株式会社 だ。同社は独自の AI学習最適化技術 で特許を取得し、その...

抗体医薬×特許の価値を示した免疫生物研究所の株価急伸

東京証券取引所グロース市場に上場する 免疫生物研究所(Immuno-Biological Laboratories:IBL) の株価が連日でストップ高となり、市場の大きな注目を集めている。背景にあるのは、同社が保有する 抗HIV抗体に関する特許 をはじめとしたバイオ医薬分野の独自技術が、国内外で新たな価値を持ち始めているためだ。 バイオ・創薬企業にとって、研究成果そのものだけでなく 知財ポートフォ...

農業自動化のラストピース──トクイテンの青果物収穫技術が特許認定

農業分野では近年、深刻な人手不足と高齢化により「収穫作業の自動化」が急務となっている。特に、いちご・トマト・ブルーベリー・柑橘など、表皮が繊細な青果物は人の手で丁寧に扱う必要があり、ロボットによる自動収穫は難易度が極めて高かった。そうした課題に挑む中で、株式会社トクイテンが開発した “青果物を傷付けにくい収穫装置” が特許を取得し、農業DX領域で大きな注目を集めている。 今回の特許は単なる「収穫機...

<社説>地域ブランドの危機と希望――GI制度を攻めの武器に

国が地理的表示(GI:Geographical Indication)保護制度をスタートしてから10年が経つ。ワインやチーズなど農産物を地域の名前とともに保護する仕組みは、欧米では産地価値を国境を越えて守る知財戦略としてすでに大きな成果を上げてきた。一方、日本でのGI制度は、導入から10年が経った今ようやくその重要性が幅広く認識される段階に差し掛かったと言える。 農林水産省によれば、2024年時点...

保育データの構造化とAI分析を特許化 ルクミー「すくすくレポート」技術の本質

保育業界におけるDXが本格的に進む中、ユニファ株式会社が展開する「ルクミー」は、写真・動画販売や登降園管理、午睡チェックシステムなどを通じて保育の可視化と効率化を支えてきた。その同社が開発した 保育AI™「すくすくレポート」 が特許を取得したことは、保育現場のデジタル化における大きな節目となった。 「すくすくレポート」は、子どもの日々の成長・発達をAIが分析し、保育士の観察記録を補助...

JIG-SAW、動物行動AIの“核技術”を米国で特許化 世界標準を狙う布石に

IoTプラットフォーム事業を展開する JIG-SAW株式会社 が、米国特許商標庁(USPTO)より「AI算出によるベクトルデータをベースとしたアルゴリズム・システム」に関する特許査定を受領した。対象となるのは 動物行動解析分野—つまり動物の動き・姿勢・行動をAIで読み取り、ベクトルデータとして構造化し、行動傾向や異常を自動判定するための技術だ。 近年、ペットヘルスケア、畜産、動物実験、野生動物の行...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る