2024年のAI活用はスイスに学べ!?


2023年は+VISION内でも多くのAIやロボットなどに関する特許を解説させて頂きました。
2024年も引き続きAIには注目しつつも、2024年問題と言われる運送に関するテーマや、
農業や環境などテクノロジーだけではなく、身近な発明や知財にも焦点を当てていきたいと思っています。

私個人としては引き続き、俯瞰した観点と大局観を持ってコラムを書いていきたいと思いますし、スイスを中心としたテーマも継続していきます。

さて、そんな「AIとスイス」を繋ぎ合わせる興味深い情報を発見しました。

人口当たりのAIスタートアップ数では欧州でトップ(スイス)

少し古いデータとはとはいえ、現在もなおスイスが上位にいることは間違えなさそうです。
数値的な競争力はもちろんですが、政府が掲げるその使い方にや目標に関して読むとスイス社会の豊かさが想像できますね。

さらに、スイスのAI関連スタートアップ投資額トップ10を見てみると、ヘルスケアやビックデータ、物流管理、農業テクノロジーなど、、、
社会課題や市民生活の為にインフラの一環としてAI活用を進める国として分かりやすい結果が出ており、2017年時点の人口当たりのAI企業数は2.53社/100万人と欧州の中で最大(調査会社ASGARD調べ)。

AIが全てではないものの、今後世界的な中心になることは間違えがなく、
今現状では日本はAIの普及が遅れているのは事実であり、2024年は日本社会も変化を求められる年になりそうです。

企業や政府・行政へのAIの具体的な導入はもちろんですが、日本で一番遅れているのは教育だと感じています。
スイスがこれだけAIに関して先進的な背景としては、国際的な競争力を持つ人材の教育環境が優れており、
各地に設立されている応用科学大学がプログラマーの輩出を後押ししています。

スイスの人材育成環境は、過去に国際競争力インデックスで、世界1位を6回連続で取っており、
人材育成はもちろん、その能力保持、取り込みに関する環境で世界最高水準と評価されている。

知財や技術を確保するのはもちろんですが、それを扱う「人材」の教育も必要不可欠。
人口は多くないが、質の高い教育で優秀なAI活用の人材がいれば、一人当たりで多くの人々を支えることができる。
日本の目指すべきAI活用のロードマップの参考になのではないだろうか。

※参考元:JETOR(特集:AIを活用せよ!欧州の取り組みと企業動向)
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2019/0502/10e15f8b83a878ae.html


ライター

渡部一成

株式会社白紙とロック代表取締役

高校卒業後、20歳で起業しwebマーケティングや商品開発に関するコンサルティング事業を15年間経営。
さらに、バンコクでスタートアップ企業を設立し、海外でIT関連のプロダクト開発を経験。
その後、大手IT企業に特許を売却し、その資金で株式会社白紙とロックを設立。
創業後も複数の特許を取得。 その他にも、新規事業の立ち上げや、医療法人理事、大学で特別講師として授業を行うなど多角的に活動中。




Latest Posts 新着記事

「aiwa pen」誕生!端末を選ばない次世代タッチペン登場

株式会社アイワ(aiwa)は、ワコム株式会社が開発した先進的なAES(Active Electrostatic)方式の特許技術を搭載した新製品「aiwa pen(アイワペン)」を、2025年7月3日より全国の家電量販店およびオンラインショップにて販売開始したと発表しました。マルチプロトコル対応によって、Windows・Android・Chromebookなど様々な端末での利用を可能にし、使う端末を...

完全養殖ウナギ、商用化へ前進 水研機構とヤンマーが量産技術を特許化

絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの持続的な利用に向けた大きな一歩となる「完全養殖」技術の量産化が、いよいよ現実味を帯びてきた。国の研究機関である水産研究・教育機構(以下、水研機構)と、産業機械メーカーのヤンマーホールディングス(以下、ヤンマー)が共同で開発を進めてきたウナギの完全養殖技術について、両者が関連する特許を取得したことが明らかになった。 これにより、これまで不可能とされていたウナギ...

ミライズ英会話、AI活用の語学教材生成技術で特許取得 EdTech革新が加速

英会話スクール「ミライズ英会話」(運営:株式会社ミライズ、東京都渋谷区)は、AIを活用した「完全パーソナライズ語学教材自動生成技術」に関する特許を、2025年5月に日本国内で正式に取得したと発表した。この技術は、学習者一人ひとりの語学レベルや目的、学習傾向に応じて最適な学習教材をリアルタイムで生成・更新するという、従来にない革新的な仕組みである。 本技術の特許取得により、語学教育における個別最適化...

トランスGG、創薬支援で前進 エクソンヒト化マウスの特許が成立

株式会社トランスジェニック(以下、トランスGG)は、2025年6月、日本国内において「エクソンヒト化マウス」に関する特許が正式に成立したと発表した。本特許は、ヒト疾患の分子機構解析や創薬における薬効評価、毒性試験など、幅広い分野で活用が期待される次世代モデル動物に関するものであり、今後の創薬研究において大きなインパクトを与えるものとなる。 ■ エクソンヒト化マウスとは エクソンヒト化マウスは、マウ...

紙も繊維も“東レの特許にぶつかる”──業界を動かす知財の力とは?

繊維、紙、パルプ業界は、古くから日本の基幹産業の一つとして発展してきました。近年では、環境配慮型の製品開発や高機能素材の開発が加速し、技術競争の主戦場となっています。そんな中、特許という形で技術を押さえることの重要性がかつてないほど高まっており、「特許牽制力」すなわち他社の出願・権利化を妨げる力が、企業競争力の鍵を握る要素として注目されています。 2024年の業界分析において、特許牽制力で群を抜く...

万博で出会う、未来のヒント──“知財”がひらく可能性

2025年に開催される大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、世界中から最先端の技術、文化、アイデアが集まる祭典です。その中で、ひときわ注目を集めているのが「知的財産(知財)」をテーマにした展示や体験型イベント。普段は馴染みが薄いと感じがちな“知財”の世界を、子どもから大人まで誰もが楽しく学べる機会が広がっています。 知財とは?難しくない、でもとても大事なこと 「知的財産...

ロボットタクシーの現状|自動運転と特許

「ロボットタクシー」の実用化が世界各地で進んでいます。本コラムでは、その現状とメリット・問題点を簡潔にまとめ、特にロボットタクシーを支える特許に焦点を当てて、日本における実用化の可能性を考察してみます。 世界で進むロボットタクシーの実用化 ロボットタクシーの導入は、主に米国と中国で先行しています。 米国 Google系のWaymo(ウェイモ)は、アリゾナ州フェニックスやカリフォルニア州サンフランシ...

6月に出願公開されたAppleの新技術〜顔料/染料レスのカラーマーキング 〜

はじめに 今回のコラムは、2025年6月19日に出願公開された、Appleの特許出願、「Electronic device with a colored marking(カラーマーキングを備えた電子デバイス)」について紹介します。   発明の名称:Electronic device with a colored marking 出願人名:Apple Inc.  公開日:2025年6月19...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る