なぜiPhoneは、使いやすい!?答えはインターフェース特許にあった!!


突然ですが、皆さんのスマホはiPhoneですか?それともAndroidですか?
どちらが良い悪いというのはなく、どちらも特徴的で使いやすいのですが、直感的でなぜか「その動作をすると、想像した通りに動く」というのはiPhoneではないでしょうか?

そこで今回は、インターフェースの特許について一部ご紹介したいと思います。

iPhoneユーザーであれば、ご理解頂けると思いますが、「左スワイプ」は「戻る」の代名詞ですよね?
スマホを持って、左から右に指をスワイプさせる動作は、今や当たり前のように「戻る」と認識しているかとおもいますが、Androidをご使用の方は、画面下部に戻るマークがあって、それを押すと戻るが主流です。
最近のAndroidでは右左問わず、画面の端から中央にスワイプをすると戻るになるものもありますが、あまり見ないかなと思います。

しかし、Androidユーザーの方々は、左から右にスワイプが戻る、右から左にスワイプが進むという動作が存在しないのは、なぜなのか疑問に感じたことはないでしょうか…?

実はこれ…インターフェースの特許問題が深く関わっているのです!

Appleは、マルチタッチディスプレイによるユーザーインターフェース米国特許番号7966578を取得しております。

この特許の要約には、以下のように記載されています。

タッチスクリーンディスプレイを搭載した携帯型多機能機器とともに使用するためにコンピュータに実装された方式。ここにはフレーム内コンテンツの一部を表示するフレーム、さらにはページのほかのコンテンツを含む、ページ内コンテンツのタッチスクリーンディスプレイ上での一部表示が含まれる。N本の指による移動ジェスチャーは、タッチスクリーン上あるいはその付近で検出される。それに反応して、フレーム内コンテンツのうち表示されている部分、および当該ページのそのほかのコンテンツを含むページ内コンテンツが移動し、タッチスクリーンディスプレイ上にページ内コンテンツの新しい部分が表示される。MがNと異なる数である場合に、M本の指による移動ジェスチャーは、タッチスクリーン上あるいはその付近で検出される。それに反応して、フレーム内コンテンツが移動し、タッチスクリーンディスプレイ上にフレーム内コンテンツの新しい部分が表示されるが、当該ページのそのほかのコンテンツは移動しない。

簡単に説明しますと、
「スマートフォンの画面をタッチした際に、そこに表示されているコンテンツがどのように動くかを決める」特許となっています。

指1本でタッチすれば、ページ全体が動くが、指2本でタッチすると、この特許では「フレーム」と呼んでいますが、特定領域内のコンテンツだけが動くというようなことが記載されています。

そして、この特許は、実はスマートフォンを使用する上で、非常に重要な動作の一部になっています。
スマートフォンの使いやすさというのは、このような特許から成り立っており、
Appleは各社に知的財産をライセンスとして提供しているようで、ライセンス料からも収入を得ているそうです。

そのようなことから、ユーザーにとっての使いやすさ、使いにくさというのは、実は特許の事情で左右されているのかもしれません。

今後出てくるスマートフォンの使いやすも、開発力だけでなく他社との知的財産問題が関わってくるかもしません。
毎年のようにある、新しいガジェットの発表会ですが、知的財産も気にしてみてみると、また違った見方ができるかもしれません。


ライター

+VISION編集部

普段からメディアを運営する上で、特許活用やマーケティング、商品開発に関する情報に触れる機会が多い編集スタッフが順に気になったテーマで執筆しています。

好きなテーマは、#特許 #IT #AIなど新しいもが多めです。




Latest Posts 新着記事

村田製作所、“特許力”で世界を制す 年々強化される知財戦略の全貌

電子部品業界において、グローバルで確固たる地位を築く日本企業・村田製作所。同社はスマートフォン、自動車、通信インフラなど、あらゆる先端分野で不可欠な部品を供給し続けているが、その競争優位性の核心には、他社を圧倒する「特許力」がある。 村田製作所の特許出願数は、国内外で年々増加しており、特許庁が公表する「特許資産規模ランキング」においても常に上位を占める。2020年代以降、その特許戦略はさらに洗練さ...

トヨタ・中国勢が躍進 2024年特許登録トップ10に見る技術覇権の行方

2024年における日本企業の特許登録件数ランキングが、特許庁公表の「特許行政年次報告書2025年版」により明らかになりました。その結果、国内企業上位10社には、自動車関連企業が3社名を連ね、さらに中国企業の技術力と知財戦略の成長が際立つ結果となりました。本稿では、トップ10企業の顔ぶれを振り返るとともに、自動車関連企業の動向、中国勢の勢い、そして今後の展望について解説します。 ■ ランキング概要:...

メルク、英ベローナを100億ドルで買収 キイトルーダ後を見据えCOPD新薬を強化

米製薬大手メルク(Merck & Co.、日本ではMSDとしても知られる)は、英国バイオ医薬品企業ベローナ・ファーマ(Verona Pharma)を約100億ドル(1兆4,700億円)で買収することで基本合意に至りました。買収金額は現地株式の米国預託株式(ADS)1株あたり107ドルで、これは直近の株価に対して約23%のプレミアムを上乗せした水準です。 背景:キイトルーダの特許切れと「ペイ...

知財覇権争い激化 中国企業が日本の次世代技術を標的に

中国企業、日本で次世代技術の知財攻勢強化 特許登録が急増 日本における次世代技術分野で、中国企業による特許登録件数が急増している。AI(人工知能)、量子技術、電気自動車(EV)、通信(6G)といった先端分野での出願が目立ち、知的財産権を活用したグローバル戦略の一環とみられる。中国勢の台頭により、日本国内企業の技術優位性や将来的な事業展開に影響を及ぼす可能性があるとして、専門家や政策当局も注視してい...

「aiwa pen」誕生!端末を選ばない次世代タッチペン登場

株式会社アイワ(aiwa)は、ワコム株式会社が開発した先進的なAES(Active Electrostatic)方式の特許技術を搭載した新製品「aiwa pen(アイワペン)」を、2025年7月3日より全国の家電量販店およびオンラインショップにて販売開始したと発表しました。マルチプロトコル対応によって、Windows・Android・Chromebookなど様々な端末での利用を可能にし、使う端末を...

完全養殖ウナギ、商用化へ前進 水研機構とヤンマーが量産技術を特許化

絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの持続的な利用に向けた大きな一歩となる「完全養殖」技術の量産化が、いよいよ現実味を帯びてきた。国の研究機関である水産研究・教育機構(以下、水研機構)と、産業機械メーカーのヤンマーホールディングス(以下、ヤンマー)が共同で開発を進めてきたウナギの完全養殖技術について、両者が関連する特許を取得したことが明らかになった。 これにより、これまで不可能とされていたウナギ...

ミライズ英会話、AI活用の語学教材生成技術で特許取得 EdTech革新が加速

英会話スクール「ミライズ英会話」(運営:株式会社ミライズ、東京都渋谷区)は、AIを活用した「完全パーソナライズ語学教材自動生成技術」に関する特許を、2025年5月に日本国内で正式に取得したと発表した。この技術は、学習者一人ひとりの語学レベルや目的、学習傾向に応じて最適な学習教材をリアルタイムで生成・更新するという、従来にない革新的な仕組みである。 本技術の特許取得により、語学教育における個別最適化...

トランスGG、創薬支援で前進 エクソンヒト化マウスの特許が成立

株式会社トランスジェニック(以下、トランスGG)は、2025年6月、日本国内において「エクソンヒト化マウス」に関する特許が正式に成立したと発表した。本特許は、ヒト疾患の分子機構解析や創薬における薬効評価、毒性試験など、幅広い分野で活用が期待される次世代モデル動物に関するものであり、今後の創薬研究において大きなインパクトを与えるものとなる。 ■ エクソンヒト化マウスとは エクソンヒト化マウスは、マウ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る