まだまだやれる!すごいぞJapan技術


突然ですが、
硬貨を入れて、取っ手を回すと、ランダムでカプセルが出てきて、カプセルの中には精巧に作られたおもちゃが出てくるアレ、知っていますか?
先日、優勝を果たした阪神タイガースの岡田監督が言う「アレ」ではないですよ。

そうです、ガチャポン(ガシャポン)です。

実は、あのガチャポン(ガシャポン)、日本の職人さんたちによる日本の誇りなのではないでしょうか!?
皆さんも子供の時、またはお子様にねだられて、一度はしたことがあるのではないでしょうか?
近年では、「課金」という言葉も常用化し、アプリ上でした方もいるかと思います。

そんなガチャポン(ガシャポン)、日本だけでなく、海外でも大絶賛だそうです。
一昔前は、スーパーなどの端っこ小さくしか置かれてなかったガチャポン(ガシャポン)ですが、近年ではインバウンドにも向けられてか、店舗自体が全てガチャポン(ガシャポン)コーナーというのも珍しくはありません。

また、海外の方への流行には一つのキッカケがあったとか?
紙幣や硬貨というもの、国が変わると換金をしないといけないですよね?
しかしながら、日本の硬貨は換金ができないそうです。そこである仕掛け人が思いついたのです。
諸説あるかとは思いますが、関西国際空港の一角に使わない硬貨を日本旅行のお土産にとガチャポン(ガシャポン)コーナーを設置したのです。
そうすると、あっても仕方ない硬貨が、日本の職人さんが作った精巧なおもちゃに変わるのです。しかもかなり手軽に手に入ります。
そんなガチャポン(ガシャポン)は、今や約600億円市場だとか?

ガチャポン(ガシャポン)は知財の集まり!?

+VISIONでご紹介している今、何もないわけではありません。
日本の技術は、どちらかというと、アイデアと職人さんの技術の方が選考しがちですが、実は、知的財産が使われていたりします。

コップのフチ子

コップのフチ子、少し前にとても流行りました。
このコップのフチ子、実は知的財産権を持っています。
「コップのフチ子」で

商標登録(第5738077号)
商標権者は株式会社奇譚クラブ(キタンクラブ)
指定商品は第28類
遊園地用機械器具(「業務用テレビゲーム機」を除く。),愛玩動物用おもちゃ,
おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,
ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,
ドミノ用具,トランプ,花札,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具

に、なっています。

ガチャポン?ガシャポン?正式名称は?

呼び方に悩んだ方は多いのではないですか?そして、メディアでは、このガチャポン(ガシャポン)のことを、カプセルトイと言われていることに気づきませんか?

そうです。
実は、これら含めた呼び名、商標登録されまくっています。

「ガチャガチャ」は1985年に商標登録されたそうです。
詳しくは、バンダイが9類と28類を「ガチャガチャ」で商標を登録しています。
よって、バンダイは什器と玩具商品のカテゴリーで「ガチャガチャ」の名称を利用することができます。
憶測ですが、玩具菓子の30類でカバヤが登録をしているのは玩具菓子で商品化を企画していたのでしょうか?

バンダイは「ガチャガチャ」以外に、「ガシャポン」「ガチャポン」も登録商標を持っています。
しかし、「ガチャ」という登録商標、別会社が持っていました。
それは、タカラトミーアーツです。

タカラトミーアーツは、「ガチャ」の商標で9類と28類で登録しています。1996年なのでスリムボーイが発売された年になります。当時「スリムボーイ」という什器に名前をつけてマシンをブランド化しようと考えました。スリムボーイロゴのジャンパーやプロモーションビデオも制作しました。しかし既に大手カメラメーカーが商標を取得していた為、ブランド名を変更せざるおえず、「ガチャ」になりました。

商標登録という概念が気薄な時代、お茶目なユージンは調査もしないでスリムボーイを発売。スリムボーイもかなりのスピードで設置台数が増えていきます。2年目に大手カメラメーカーから不幸なお手紙で商標の事が明らかにされるのです。

引用: 日本ガチャガチャ協会

最近メディアで使われている「カプセルトイ」の商標登録は登録させれていませんでした。
理由としては、近年、海外のサイトでも「CAPSULE TOYS」と呼ぶようになってきていたりと、「カプセルトイ」は総称扱いだったからでしょうか?

アプリゲームのガチャは商標侵害してないのか?

アプリゲーム界隈である、ガチャは、上記の登録商標を持っている会社の侵害をしていないのか?気になりますよね。

・・・なっていないんです。
なぜならば、商標登録には分類があります。
そこで、既存の登録商標は9類と28類の什器と玩具商品のカテゴリーでは、権利をおさえていますが、ゲームでの使用の権利を抑えているわけではありません。

そのようなことから、使用が可能なんでしょう。

+VISIONでは、せっかくの商標登録も意味のない商標登録にならないように、しっかりとアドバイスも可能です。
サービス提供者の誰しもが当てはまることです。
まずは、自分のサービスの権利関係を見直してみてはいかがでしょうか?


ライター

+VISION編集部

普段からメディアを運営する上で、特許活用やマーケティング、商品開発に関する情報に触れる機会が多い編集スタッフが順に気になったテーマで執筆しています。

好きなテーマは、#特許 #IT #AIなど新しいもが多めです。




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