もう9月に入りましたが、先月、二週間、コロナ禍も明けたので久しぶりにアメリカへ旅行してきました。英語が苦手な筆者はプライベート旅行とはいえ海外へとなるといつも行く前に「コトバの壁」が気になる。そこで今回は事前にその対策をチェックしてみた。
頼りにしているGoogle翻訳に代表される無料翻訳アプリはあるが、やはり最新の翻訳専用ガジェットに興味が沸く。中でもまずは明石家さんまさんのCMでもおなじみの翻訳機「ポケトーク」。ソースネクストが2017年に発売した翻訳機の草分け的な商品で、2022年末には累計出荷台数で100万台を突破している双方向タイプAI音声翻訳機だ。
手のひらサイズのコンパクト設計にもかかわらず、音声・テキストあわせて74言語に対応する「ポケトーク」は今最も知られ、音声翻訳機のなかでもその機能性、信頼性でトップクラスといえる。いくつかタイプはあるがどれも翻訳の信頼性は同じで、数ある音声翻訳機の中でも評価は高い。
さらにはこの「ポケトーク」、双方向での翻訳が可能で最大の特徴は長文の翻訳ができる点にある。短い文章を交互にやり取りするのではなく、長文で意思を伝えられより自然なコミュニケーションが可能になるのが良い。また、2019年に発売された「ポケトークS」ではカメラ翻訳機能が搭載され、この機能により会話のみならず新聞や掲示案内、さらにうれしいのはレストランでのメニューの翻訳だ。
ちなみに、この「ポケトーク」の翻訳精度の高さは双方向音声翻訳システム、双方向音声翻訳方法及びプログラムにおいて、独自の特許技術によることが確認できた。
【公開番号】 特開2023-22150(P2023-22150A)
【公開日】 令和5年2月14日(2023.2.14)
【発明の名称】 双方向音声翻訳システム、双方向音声翻訳方法及びプログラム
【出願人】 【氏名又は名称】ポケトーク株式会社
【発明者】 【氏名】川竹 一
翻訳アプリ、翻訳専用ガジェット、さらにチェックしてみると小型翻訳機も進化しており、あらたなタイプとして「翻訳イヤホン」なるものがあるではないか。
音声翻訳機の新たなアプローチの「翻訳イヤホン」。代表的なのはTimekettle。タイムケトルは2016年に設立されたAI翻訳スタートアップ企業。彼らが手掛けるイヤホン型翻訳機WT2 Edge」では、タイムケトル社が独自開発したエンジンに加えて、Google、Microsoft、AmiVoice、iFlytek、DeepL、Hoyaの世界6大翻訳エンジンを採用している。すべての翻訳エンジンが持つそれぞれの利点を活用し、組み合わせることで、世界最高レベルの翻訳体験を提供可能とし、一部の言語では、最大95パーセントの翻訳精度を実現しているとしている。
リアルタイムで自動通訳の「翻訳イヤホン」はイチオシだ。翻訳のスピードが速く両手が空き、お相手の顔をみながらコミュニケーションできるのがいい。用途的には観光より特定のひとと会話が多いビジネス向きといえそうだ。ただし、イヤホンの貸し借りが気になるひとには不向きかもしれない。
Timekettle(タイムケトル)が手掛けるイヤホン型翻訳機「WT2 Edge」
音声翻訳機はガジェットタイプ、イヤホンタイプに関わらず、その翻訳方法は2種類あり、1つはSIMやWi-Fiでネットに接続して翻訳するオンライン翻訳。もうひとつは本体の内蔵データを参照して翻訳するオフライン翻訳。その頻度、使用の環境によるが、SIMを通じてネットに接続し翻訳するオンライン翻訳機がよさそうだ。これだとホテルやレストラン、道端やタクシーなど、どこにいてもポケットWi-Fiを持たずにコミュニケーションが取れる。
自分自身が海外旅行に行ったときだけでなく、これからは日本でのビジネスや、わんさかやってくる多言語の外国人観光客とのコミュニケーションが必要な機会も多くなってくる。とくに全国各地の経営者は外国人観光客の集客はもちろん、外国人労働者の採用も考えたいものの、言葉によるコミュニケーションの不安などから、なかなか踏み切れないというケースも多いようだ。
この機械翻訳と呼ばれる方式は 2014 年に登場し、その後、性能が格段に向上し外国の方とのコミュニケーションで、最もネックとなるの「コトバの壁」を解消してくれる心強いツールとして進化・普及が進む。
同時に機械翻訳の需要は急速に伸び、より精度の高い翻訳が求められる中、深層学習によるニューラルネットワークの改良が進んでいる。しかしながら人工知能による翻訳の精度はまだ完璧ではないと言われ、誤訳や訳抜け等が依然として存在するが、そのことを踏まえても「ことばの壁」を超えるコミュニケーションの拡がりはビジネスの可能性を拡げ、生活の幅を拡げ、人生を一層楽しくしてくれるツールであり積極的に活用したいものだ。いや、これからの日常には必需品となろう。
ライター
渡部茂夫
SHIGEO WATANABE
マーケティングデザイナー、team-Aプロジェクト代表
通販大手千趣会、東京テレビランドを経て2006年独立、“販売と商品の相性” を目線に幅広くダイレクトマーケティングソリューション業務・コンサルティングに従事。 通販業界はもとより広く流通業界及びその周辺分野に広いネットワークを持つ。6次産業化プランナー、機能性表示食品届出指導員。通販検定テキスト、ネットメディアなどの執筆を行う。トレッキングと食べ歩き・ワインが趣味。岡山県生まれ。