コオロギが地球を救う?せんべい食べてみました


お盆も過ぎてそろそろ秋の気配と言いたいところですが、まだまだしばらくは暑い日が続きそうですね。秋の足音と言えば昔からコオロギの鳴き声に気付くことから始まります。そんなコオロギ、いま昆虫食が注目されるなかの主役としていろいろな商品が出てきています。

わたしは2020年、無印良品がコオロギせんべいを発売した時には少々驚いたものの、それ以来興味をもって、昆虫食とか食の未来についてウオッチしてきました。昆虫食はタイやベトナムなどのアジア諸国では一般的だと聞いていますが、日本ではまったく新しいカテゴリーで、ユーグレナの代表出雲充氏のミドリムシへの拘りと同じように食品としてその未来へのインパクトを感じています。
おりしもロシア軍がウクライナ侵攻が続きもうすぐ半年、世界有数の穀倉地帯からの「小麦」や「トウモロコシ」などの輸出が滞り、食糧不足・食料価格の高騰があっという間に世界に広がっています。日本も原材料費の高騰や円安進行で多くの企業が値上げに動き、日々の生活で身近な商品が値上がりしていることを目の当たりに感じています。

もうひとつ、世界の人口増加の問題。2000年には世界人口60億人だったのが、2020年には78憶人、2055年には100憶人を超えると予想されている。それにつれて医療の問題やエネルギー不足の問題、そして飲料水不足・食糧不足の問題と言われてます。

そんなことでコオロギなのですが、ここに来て注目が拡がってきてホンモノになってきてるようで、実は超高タンパクで美味しいらいい・・・と。なのでまずは先日食べてみました。無印良品のコオロギせんべい(190円・税込)です。

一言でいえば、意外とと言うか、なかなか美味しい!です(正直、最初はかなり抵抗がありましたが)。あくまでも個人的な感じ方ですが、その味はほんのりエビせんべいのようで、特に特別な味は感じませんでした。ビールつまみにも合い、大人なの味ですね。これで地球を救えるんだって思いながら食しました。

ともあれ地球を救うと言われるスーパーフードとしてのコオロギのスペックは、まずは何と言っても驚きの高タンパクなことがあげられる。日本食品分析センターと文部科学省の食品成分データベースによると、100g当りのたんぱく質量が粉末にしてコオロギが60g、鶏23.3g、豚22.1g、牛21.2gとなっている。

さらに、世界の人口増加によって2030年にはタンパク質の供給が需要を下回り、タンパク質が供給不足になると国連の「世界人口白書」から予測され、その生産においてエサの必要量、水の必要量、温室効果ガスの排出量が他の家畜と比べて圧倒的に少ないとされ、環境への負荷が少ない昆虫食に期待を寄せるもうひとつの大きな理由になっている。

コオロギ食品は、この無印良品「コオロギせんべい」のほかに、MNHのコンフェクショナリー・コオロギ「未来コオロギ柿の種」・「スーパーコオロギ玄米グラノーラ」、TAKEOの「昆虫ふりかけ白米用昆虫ミックス」・「国産こおろぎ食べくらべ京都・二本松」。他にもコオロギうどんにコオロギラーメン、コオロギバームクーヘン、冷凍コオロギパン、コオロギレトルトカレー、コオロギビール、コオロギ醤油などなど、幅広い展開になってきている。

やはり無印良品のような大手が取り組むと広がるのは早い。その無印良品のコオロギ食品は国内大手のコオロギパウダーの素材メーカーグリラスとの共同開発だ。そのグリラスでは現在、年間10トンを超えるコオロギパウダー原料の生産体制で対応しているが生産が追い付かない状況が続いているという。このため、2023年末までに現在の約6倍となる年間60トンの生産体制を整えるとしてすでに資金調達を終えていると発表している。

ちなみに生産にあって、コオロギは省スペースで育てられるなどの基本的な要素の他に、雑食性であるという特性によりエサを容易に取得することが可能なことが優位性だとしている。グリラスでは高効率にコオロギを飼うにあたり、100%食品残渣を使い実現できる技術を確立し現在特許出願準備中だとしている。

ともあれ、超高タンパク、生産効率がよく環境への負荷が少ない、食糧問題の解決策のひとつ、として注目されている昆虫食だが、これらはほぼ供給側において話しだ。では食する側からはどうだろうか、正直「気持ち悪い」「ゲテモノ」「まずそう」など、先入観とはいえネガティブに反応するひとのほうが多いのではなかろうか。このことは食品として「文化」となるにはかなりハードルは高いと言える。

しかし、タイでは昆虫食は文化となっていて、逆に日本人の好きなタコは一部の文化圏では食卓にはあがらない。

そう考えると日本でのネガティブハードルを越え一定の市場を獲得しビジネスとしても成り立つためには、「味」「価格」とそしてもう一つ「御利益」、つまりプロテインやキシリトールのようなアプローチではなかろうか。要はカラダにいい!というポジションだ。

昆虫食レストランはすでに東京、横浜、名古屋、大阪などの都市部には数店舗あるようだだが、その姿身を調理する一方、パウダーとしてその素材を活かした商品展開が広まるスピードは速いと考える。無印良品はそのブランド力で昆虫食へのネガティブハードルに風穴を明けたことは確かで、その影響力は大きい。日本の「食」シーンに革新をもたらすかどうか、今年がコオロギ元年になりそうだ。そして食の未来を感じさせてくれる新しいカテゴリーの昆虫食に今後とも目が離せない。


ライター

渡部茂夫

SHIGEO WATANABE

マーケティングデザイナー、team-Aプロジェクト代表

通販大手千趣会、東京テレビランドを経て2006年独立、“販売と商品の相性” を目線に幅広くダイレクトマーケティングソリューション業務・コンサルティングに従事。 通販業界はもとより広く流通業界及びその周辺分野に広いネットワークを持つ。6次産業化プランナー、機能性表示食品届出指導員。通販検定テキスト、ネットメディアなどの執筆を行う。トレッキングと食べ歩き・ワインが趣味。岡山県生まれ。




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