玩具メーカー大手「タカラトミー」の人気シリーズ「プラレール」の30周年新製品に、特許技術が採用されていると思われるので紹介したいと思います。
煙突から蒸気が出る機関車型おもちゃ
蒸気機関車を模したプラレールで、実際に蒸気のような煙を出しながら走行させることができるものはすでに市販されており、また、そのプラレールに人気キャラクターである機関車トーマスとのタイアップを行った商品は現在も人気を博しています。
噴霧機構には玩具としての問題点が
この噴霧機構に関しては実は2005年に特許が取得されており、玩具本体に設けられた噴出筒から、超音波発生素子によって霧化した水粒子を出しつつ、「ポッポ-」といった音を別途スピーカーから鳴らすという態様が開示されています(特許3744931号/2004年12月28日出願)。
しかし、この玩具は水を溜めたタンクにスポンジのような給水棒(綿棒のようなもの)を漬け、それを超音波振動させることで霧化しているため、子どもが遊んでいるときに玩具を倒してしまうと、中の水が漏れてしまうという問題がありました。
遊んでいる途中で倒しても、水がこぼれにくい設計とした
そこで、2022年8月30日に特許登録された発明(特許7133077号/2021年10月12日出願)では、タンクの形状を工夫し、玩具を倒しても内部の水がこぼれない形状としました。
図面を参照してみると、玩具が倒れた際に水が逃げるスペースを予め用意しておくという対応によって問題解決を図っていることが見て取れます。
この図が蒸気発生機の内部構造です。参照番号25がスポンジとなっていて、水を吸い上げます。水はWで示された網掛けされた部分です。通常時、横転時、上下反転時となっても、水が外部へこぼれない設計になっているのがよくわかります。
実際の商品への適用も
この機構はタカラトミーの新製品「きかんしゃトーマス 蒸気がシュー!でっかいトーマス」に採用されているものと推測します。ウェブサイトにも「水がこぼれにくい」ということが謳われています。
このような玩具についても、古い技術をアップデートしていくという、不断の開発が行われて特許が取得されているのです。サンタさんにはぜひ優れた特許製品をプレゼントに選んでほしいですね。