コロナワクチン特許訴訟、ファイザーとモデルナともに一部勝訴

新型コロナウイルス用ワクチン開発におけるメッセンジャーRNA（mRNA）技術を巡る特許訴訟で、米ファイザーと独ビオンテックが米モデルナを相手取った裁判において、英ロンドンの高等法院（高裁）は7月2日、モデルナの2件の特許のうち1件を無効とし、もう1件は有効とする判決を下しました。

裁判の背景

2022年9月、ファイザーとビオンテックはモデルナの2件の特許の取り消しを求めて高等法院に提訴しました。その数日後、モデルナは自社の特許が侵害されたとして反訴しました。この訴訟はドイツ、オランダ、米国などでも係争中です。

高等法院の判決内容

英高等法院は、mRNA技術に関するモデルナの2件の特許のうち1件を無効とする一方、もう1件については有効であり、ファイザー・ビオンテック製ワクチンがその特許を侵害していると判断しました。ファイザーとビオンテックはこの判決に対し不服を示し、上訴する方針を表明しました。また、ワクチンの生産と供給は契約や計画に基づいて継続するとの意向も示しています。

各社の反応

ファイザーとビオンテックは、特許侵害と判断された件について上訴する予定です。モデルナの広報担当者は、裁判所が特許の有効性と侵害を認定したことを喜ばしいと述べましたが、判決には同意できない内容もあり、上訴を検討していると述べました。

特許の重要性と今後の展開

mRNA技術は新型コロナウイルスワクチンの開発において非常に重要な役割を果たしており、特許の帰属が大きな争点となっています。今回の判決は、特許権の確立と技術の独占に対する一つの節目となるでしょう。各社は引き続き法的手続きを進め、最終的な決着を目指します。

特許侵害訴訟の影響

この判決は、mRNA技術を巡る特許戦争の一環であり、今後の医薬品開発や技術革新に大きな影響を与える可能性があります。企業間の技術競争が激化する中で、特許権の確立と保護がますます重要となるでしょう。

まとめ

ファイザーとモデルナの間で争われた特許訴訟は、一部勝訴という形で決着しましたが、特許権の帰属を巡る争いは続く見通しです。今後も各社の動向に注目が集まります。

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