東京地方裁判所は、AIによる発明に特許を認めるかどうかが争われた裁判で、「発明者は人に限られる」との判断を下しました。この判決は、現在の法律がAIの発明を想定しておらず、多くの問題が生じる可能性があるとして、国会での議論を促す内容となっています。
アメリカ在住の原告は、AIが自律的に発明した装置について、「ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能」と発明者名を記載して特許を出願しました。しかし、特許庁は3年前に「発明者は人間に限られる」としてこの出願を退け、原告はその決定の取り消しを求めて訴訟を起こしました。
16日の判決で、東京地方裁判所の中島基至裁判長は「知的財産基本法では、発明は人間の活動によって生み出されるものと定義されている。国際的にも、発明者にAIを含めることに慎重な国が多い」と指摘し、原告の訴えを退けました。
一方で、中島裁判長は現在の特許法がAIの発明を想定していない点を強調し、「AIは社会や経済の構造に変革をもたらし、現行の法解釈では多くの問題が生じる可能性がある。まずは立法論として検討を行い、できるだけ速やかに結論を得ることが期待される」として、国会での早急な議論を求めました。
この判決を受け、AI技術の急速な進展に対応するための法改正が求められる可能性が高まっています。発明者の定義や特許制度のあり方について、広範な議論が必要とされるでしょう。
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