通信アプリのLINEで、友達を追加する時に相手と一緒にスマホを振ると登録できる「ふるふる」機能について、東京地方裁判所は京都市のIT企業、株式会社フューチャーアイ(京都市下京区 代表:塚本豊)の特許を侵害したと認め、LINEに対し1400万円余りの賠償を命じた。一方、LINEは「簡単に発明できるもので、特許は無効にすべきだ」と主張していた。
2021年5月19日の判決で、東京地方裁判所の佐藤達文裁判長は「振動などでユーザーのスマホどうしが近くにあると表示された時点で、互いのIDが交換される。発明が簡単だとは認められない」と指摘した。
LINEは、去年5月に「ふるふる」のサービスをすでにやめている。双方、この判決とは別に当事者どうしで和解したとし、「すでに平和的に解決している。当社は、今後も、知的財産を尊重しつつ、お客様に対するサービスのより一層の向上を目指していく所存だ」というコメントを出している。
一方、京都市のIT企業、フューチャーアイの塚本豊社長は東京霞が関で会見を開き、「この特許はおもしろい機能なので、やはり使用するところが出てきたかという気持ちだった。特許権の侵害が認められた勝訴判決だが、賠償額が少なく、複雑な気持ちだ。技術開発はインセンティブを受け取れなければ、廃れてしまう」と話している。
また、塚本社長は自身のブログで、特許取得によるブルーオーシャンの独占戦略として、光るアイデアを戦術的に特許出願することで勝ち組を狙う手法を述べている。
5年先に誕生するブルーオーシャン市場に今から飛び込んで事業化しようとしても時期尚早で成功しない。しかし、先読みできたブルーオーシャンを独占する方法が特許だ。
特許出願して5年後には特許が成立する時期になり、先ずは、推測されるあらゆる事業形態を明細書に記載して広い請求の範囲で出願する。その後は、市場を睨みながら自然淘汰で生き残った成功事例を狙い撃ちできる請求の範囲で分割出願を繰り返し行う。これらの特許は、先行技術が少ないため基本特許(必須特許)になる。と語っている。
アイデアの具現化はできなくとも、活かし方の一つの手法を教えられた今回の判決とも言える。
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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