Apple、折りたたみ型デバイスのディスプレイ技術を進化


Appleが折りたたみデバイスのディスプレイ技術の進化を示唆する特許を新たに更新・出願したことが明らかになった。これにより、近い将来、Appleの折りたたみデバイスが市場に登場する可能性が一段と高まった。

米国特許商標庁(USPTO)が公開した「フレキシブルなディスプレイを持つ電子機器における自己修復機能」の特許には、折りたたみ可能なディスプレイの傷の自動修復技術が詳述されている。この技術の進化として、自己修復機能を持つタッチスクリーンが搭載される可能性が示されている。

この特許は、2022年11月にAppleが初めて出願したものの更新バージョンで、新たにタッチスクリーンの機能も組み込まれることが記載された。旧特許では自己修復機能のみに焦点を当てていたが、今回の更新で実製品としての形状や機能がより鮮明になった。

さらに、折りたたみデバイスのディスプレイが物体による衝撃を受けた場合の損傷を防ぐ新技術に関する別の特許も発見された。この特許では、折りたたみデバイスのディスプレイパネルと金属フレームの間にバネを設置することで、外部からの衝撃をバネで吸収し、ディスプレイの損傷を最小限にする仕組みが説明されている。

この特許は、世界知的所有権機関(WIPO)にも登録されており、その中ではバネを使った衝撃吸収技術の詳細な図解が添付されている。

これに関連して、SamsungがAppleの折りたたみMacBookのディスプレイ開発を手掛けているとの情報もある。Samsungは、ディスプレイの圧縮応力を高めることや、ペンなどの落下時の耐久性向上などを重要な課題として挙げていたが、WIPOに出願された新たな特許は、これらの課題への解決策として使用される可能性が高い。

Appleの折りたたみiPadやMacBookの開発が進行中であるとの噂があり、今回の特許情報はその開発における新しい取り組みやアイディアが盛り込まれている可能性がある。

Appleのこのような新技術の採用が、折りたたみデバイスの市場にどのような変化をもたらすのか、業界関係者や消費者からの注目が集まっている。


Latest Posts 新着記事

「AFURI」vs「雨降」—ブランドと地域性が交差する商標攻防戦の結末

はじめに 2025年4月、人気ラーメンチェーン「AFURI」を展開するAFURI株式会社と、日本酒「雨降(あふり)」を展開する吉川醸造株式会社との間で繰り広げられていた商標権を巡る争いに、知的財産高等裁判所が一つの決着をもたらした。AFURI社が主張していた吉川醸造の「雨降」商標に対する無効審判請求が棄却されたことで、両者のブランドの共存可能性が示唆された形だ。 本稿では、この裁判の経緯と背景、そ...

BYD・HUAWEI・XIAOMIが描くEVの未来図:特許情報から探る勝者の条件

中国の電気自動車(BEV)産業は、急速な技術革新と政府支援を背景に、世界市場を席巻しつつある。その最前線に立つのが、BYD(比亜迪)、HUAWEI(華為)、XIAOPENG(小鵬)、NIO(蔚来)、ZEEKR(極氪)、そしてXIAOMI(小米)といった企業群である。彼らの競争力の源泉には、特許戦略に基づいた技術開発と事業戦略がある。本稿では、各社の特許情報と独自の取り組みから、その強みと潮流を読み...

ブリングアウト、複数面談のビッグデータを効率解析する技術の特許取得

人材採用における「面談」の在り方が、今、大きな転換期を迎えている。履歴書や職務経歴書といった定型情報では読み取れない人物像を、企業はより深く、多面的に把握しようとしている。そのため、1回の面談で即決するのではなく、複数の担当者による複数回の面談を通じて候補者を評価するケースが増加している。 こうした「複数面談」時代の課題は、面談記録の管理と評価の一貫性だ。面談官が異なれば、見る視点や質問の切り口、...

Samsungの特許が描く未来のXR体験:Galaxy RingとWatchで広がる操作の可能性

XR(Extended Reality)の進化は、ハードウェアの小型化や表示性能の向上だけでなく、ユーザーインターフェース(UI)の革新にこそ真価が問われている。どれほど高精細な映像を表示できたとしても、その世界を直感的に操作できなければ、ユーザー体験は限定的なものにとどまってしまう。AppleのVision Proが「視線とジェスチャー」を組み合わせた操作体系で話題を集めたのも、この直感性に焦点...

DeepSeekの衝撃、その先にある“中国のAI戦略”とは

2024年、中国発の大規模言語モデル「DeepSeek」が登場し、AI業界に衝撃を与えた。ChatGPT-4と比較しても遜色ない性能を持ちながら、オープンソースとして公開され、誰もが利用・改良できるというその姿勢は、クローズド戦略をとる米国の主要AI企業とはまったく異なる方向性を示していた。 2025年現在、中国発AIモデルの躍進は一過性のものではなかったことが証明されつつある。DeepSeekの...

「錆びない未来建築」大阪・関西万博に採用された沖縄発コンクリート技術とは?

2025年4月、大阪・夢洲において開幕する大阪・関西万博。その会場には、世界中から訪れる来場者の目を引く斬新なパビリオン群が並ぶ。だが、注目すべきはその「デザイン」だけではない。建築資材として使われている“ある特殊なコンクリート”が、業界関係者や専門家の間で静かな話題を呼んでいる。 それが、沖縄県内の建材系企業によって開発された「炭素繊維強化コンクリート(Carbon Fiber Reinforc...

ペロブスカイト・タンデム太陽電池が切り開く世界―中国が示した現実解

2025年春、中国の大手太陽光発電メーカー「トリナ・ソーラー」が発表したニュースが、エネルギー業界を大きく揺るがせた。それは、ペロブスカイト・シリコンタンデム構造を持つ太陽電池モジュールにおいて、実用サイズで世界初となる最大出力808Wを達成したという報道だ。この成果は単なる性能の誇示ではなく、世界中の研究者・企業が長年追い求めてきた「次世代太陽電池の商業化」という夢を現実に近づけるものとして、極...

Google、スマホの“側面&背面タッチ”操作に新提案─片手操作の未来を変える特許技術

2025年3月、Googleが出願した新たな特許が注目を集めている。この特許は、スマートフォンの側面および背面にタッチセンサーを搭載し、ユーザーがタップやスワイプといったジェスチャーで各種操作を行えるというもの。既存のタッチスクリーン中心の操作体系に、新たな入力インターフェースを加えることで、より直感的で負担の少ないUX(ユーザーエクスペリエンス)を実現する狙いがあると見られる。 この特許は、将来...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

大学発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る