HOUSEIの特許取得が株価に影響!?機器の寿命をAIで予測する技術とは


HOUSEI株式会社(以下HOUSEI、本社:東京都新宿区、代表:管祥紅)は「機器又は機器を構成する部品の劣化度あるいは新鮮度を、機械学習を利用して予測する技術」に関しての特許を取得したことを23年3月20日、プレスリリースで公表すると22日には同社の株価がストップ高となった。

この特許、実体寿命や設定寿命を迎えていない予測対象物に対し、予測精度の低下を抑制可能な学習処理装置、方法、プログラムを提供するのが発明の目的で、決まった時期に機器を交換する従来の対応から、機器の寿命をAIで予測して予定より早く壊れそうなものを交換する「パターン処理」を実現させるという。

実際の機器の運用ではシステムの保全を優先し、故障が発生する前に機器が交換又は撤去される場合が多くある。例えば、業者が実体寿命よりも短い耐用期間(つまり、設定寿命)を設けておき、この設定寿命を経過した機器を新品に交換することが挙げられる。

しかし、実体寿命を全うすることなく稼働を終えた機器の場合、実際の劣化度又は新鮮度を特定できず、正しいラベル値を算出することが困難だ。この発明の目的は、実体寿命又は設定寿命を迎えていない予測対象物から取得した状態値を用いる場合であっても、ラベル値の不確定性に起因する予測精度の低下を抑制可能な学習処理装置、方法及びプログラムを提供することにあるとしている。

今後の可能性として、本発明の実施形態は、限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更でき、また、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせることも可能だとしている。

【発明の名称】 学習処理装置、方法及びプログラム
【公開番号】 特開2022-70744(P2022-70744A)
【公開日】 令和4年5月13日(2022.5.13)
【出願人】 【氏名又は名称】HOUSEI株式会社
【発明者】 【氏名】若井 秀之

【要約】 【課題】実体寿命又は設定寿命を迎えていない予測対象物から取得した状態値セットを用いる場合であっても、ラベル値の不確定性に起因する予測精度の低下を抑制可能な学習処理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】学習処理装置30は、予測対象物の状態を示す状態値セットを取得する状態取得部50と、予測対象物の劣化度又は新鮮度を示すラベル値を付与又は補正するラベル算出部52と、状態値セットとラベル値とからなる学習データの母集団である学習データセット60を用いて、学習器LNに対して学習処理を行う学習処理部54と、を備える。ラベル算出部52は、同一の予測対象物から時系列的に取得された複数組の状態値セットに関して、該複数組の状態値セットにそれぞれ対応する複数のラベル値を一括して付与又は補正する。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000035497.html


Latest Posts 新着記事

終わりなき創造の旅 厚木の発明家が挑む“次の技術革命”」

特許数でギネス更新 21世紀のエジソン、厚木に―発明の街が問いかける、日本の未来図 神奈川県厚木市―東京からわずか1時間足らずの距離にあるこの街が、世界の技術史に名を刻んだ。特許数の世界記録を更新した発明家、山﨑舜平(やまざき・しゅんぺい)氏が拠点を構えるのが、まさにこの地である。彼の名がギネス世界記録に再び載ったというニュースは、科学技術の世界だけでなく、日本人のものづくり精神を象徴する話題とし...

知財は企業の良心を映す鏡――4億ドル評決が語るイノベーションの倫理

2025年10月、米テキサス州東部地区連邦地裁で、韓国の大手電子機器メーカー・サムスン電子に対し、無線通信技術の特許侵害を理由に4億4,550万ドル(約690億円)の賠償を命じる陪審評決が下された。この判決は、単なる企業間の紛争を超え、ハイテク産業における知的財産権(IP)の重みを再認識させる事件として、世界中の知財関係者の注目を集めている。 ■ 「技術を使いたいが、支払いたくない」——内部文書が...

知財が揺るがす電機業界――TMEIC×富士電機、UPS特許訴訟の裏側

2025年夏、産業用電源装置分野を揺るがすニュースが伝わった。東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が、富士電機の無停電電源装置(UPS)製品が自社の特許を侵害しているとして、韓国において訴訟および輸入禁止の措置を求めた件である。韓国貿易委員会(KTC)は8月下旬、TMEICの主張を一部認め、富士電機製の特定UPSモデルについて韓国への輸入を禁止する決定を下した。日本企業同士の知財紛争が、国外で具...

「JIG-SAW、AI画像技術で米国特許を獲得へ 知財を武器にグローバル競争へ挑む」

はじめに:発表概要と意義 JIG-SAW(日本発の IoT / ソフトウェア/AI ベンチャーと理解される企業)は、米国特許商標庁から「コンピュータビジョン技術」に関する Notice of Allowance(特許査定通知) を取得した旨を、自社ウェブサイトおよびニュースリリースで公表しています。 具体的には、JIG-SAW は「コンピュータビジョン技術、画像処理・画像生成支援技術」分野において...

「特許で世界を包囲する中国 イノベーション強国への加速」

はじめに:なぜ国際特許出願数が注目されるか イノベーション(技術革新)の国際競争力を測る指標として、研究開発投資、論文発表数、特許出願数などが長らく注目されてきました。特に国際特許(例えば、特許協力条約 PCT 出願、あるいは各国出願による外国での保護を意図した出願)は、一国の発明・技術が国際市場を見据えて保護を志向していることを示すため、技術力だけでなく国際志向性の強さも反映します。 近年、中国...

「AI×知財が生む国産イノベーション ナレフルチャットの議事録特許が拓く未来」

2025年秋、CLINKS株式会社が提供する法人向け生成AIチャット「ナレフルチャット」が、議事録生成技術に関する特許を取得した。 このニュースは単なる技術発表にとどまらず、「AIが人の仕事の記録と知識をどう扱うか」という大きな変化の象徴でもある。 いま、AIは“人の代わりに考える”段階から、“人の思考を支える”段階へと進化している。 その中で、「会議をどう記録し、どう活かすか」は、企業の知的生産...

「日用品にも知財戦争 クレシア×大王製紙、“3倍巻き”特許訴訟の行方」

はじめに:争点と構図 日本製紙クレシア(以下「クレシア」)は、トイレットペーパーについて、従来品に比して「長さ3倍(長巻き)」としつつ実用性を保つ技術を有する特許を取得しており、これを背景に、同種製品を販売する大王製紙(以下「大王製紙」)に対し、製造・販売の差止めおよび約3,300万円の損害賠償を求めて訴訟を提起しました。 第1審(東京地裁)では、クレシアの請求は棄却され、大王製紙の製品がクレシア...

「ナノレベルの精度を支える静電チャック ― ウエハー温度均一化の秘密」

ウエハー温度を均一に保つ静電チャック ― 半導体製造を支える見えない精密技術 半導体製造の現場では、目に見えない高度な工夫が、日々の歩留まりや性能向上に直結しています。その代表例の一つが、静電チャック(Electrostatic Chuck, ESC)です。静電チャックは、半導体ウエハーをチャック面で静電力により吸着保持し、ナノメートル単位の加工を可能にする装置です。表面からはただの「吸着板」のよ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る