ChatGPTも使う超巨大AI技術競争が本格化~関連の特許取得増加率で韓国が世界1位


オープンAI社が公開した対話型人工知能チャットGPT(ChatGPT)に世界的な注目が集まるなか、チャットGPTの基盤となる「超巨大AI」関連の特許競争も激しくなっている。そのようななか、韓国の関連特許取得数が高い伸び率を示している。

韓国特許庁によると、特許5大主要国(IP5)に出願された超巨大AI関連特許出願数は2011年530件から2020年1万4848件へと、最近10年間で28倍も増えたことが分かった。 これは年平均44.8%の増加率だったと、23年2月25日niftyニュースがコリア・エコノミクスから次のように伝えている。

特に2016年以降の最近5年間は年平均61.3%の増加を示し、特許獲得レースがスピードを増している。これは2016年に「アルファ碁」が登場した際の衝撃によるものとみられている。

特許出願者を国別に見てみると、米国(35.6%、1万5035件)、中国(31%、1万3103件)、日本(11.6%、4906件)の順となっており、韓国は日本に0.3%差となる4位(11.3%、4785件)だった。

ただし、年平均増加率では韓国(年平均89.7%)が最も高く。中国(年平均79.3%)も急上昇している。 特に韓国は2011年には年間6件出願にとどまったが、2020年には年間1912件に達して319倍も急成長した。 2019年からは年間出願量が日本を追い越している。2020年には韓国の特許出願数が日本を400件以上上回った。

超巨大AIの技術開発トレンドを見てみると、△データ生成技術が69.3%で最も多く、△学習モデル(25.8%)と△特化サービス(16.4%)技術がこれに続いた。

その中で超巨大AIの核心技術といえる「学習モデル」関連出願が急速に増加(年平均75.9%)していることが分かった。 特に最近5年間は毎年126.3%ずつ増加しており、この分野の研究開発が特に活発であることが分かった。

主要出願者としてはサムスンが1213件(2.9%)で1位となっており、IBM(928件、2.2%)、Google(824件、2.0%)、マイクロソフト(731件、1.7%)、バイドゥ(572件、1.4%)、キャノン(569件、1.3%)などの順だった。グローバルビッグテック企業が上位圏を占めた形だ。

韓国企業および研究機関では、サムスン(1位)、LG(10位、384件、0.9%)、ストラドビジョン(25位、209件、0.5%)、韓国電子通信研究院(ETRI)(36位、157) 件、韓国科学技術院(KAIST)(66位、80件、0.2%)などの順だった。

超巨大AIに対する特許出願は「企業」を中心(78.7%)に行われ、特に、米国(91.2%)と日本(95.4%)は企業の割合が高い。韓国も2011年には50%にすぎなかった企業の出願が2020年には73.6%に増えた。

特許庁の人工知能ビッグデータ審査課長は、「超巨大AIは、川上・川下産業への影響力が大きい技術として、韓国が一段と飛躍するための新成長動力だ」とし、「特許庁は、韓国企業の新技術開発および特許戦略の策定に必要な特許動向の分析を引き続き提供していく計画だ」と述べた。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://news.nifty.com/article/world/korea/12329-2190937/
https://www.jetro.go.jp/world/asia/kr/ip/ipnews/2023/230220a.html


Latest Posts 新着記事

「aiwa pen」誕生!端末を選ばない次世代タッチペン登場

株式会社アイワ(aiwa)は、ワコム株式会社が開発した先進的なAES(Active Electrostatic)方式の特許技術を搭載した新製品「aiwa pen(アイワペン)」を、2025年7月3日より全国の家電量販店およびオンラインショップにて販売開始したと発表しました。マルチプロトコル対応によって、Windows・Android・Chromebookなど様々な端末での利用を可能にし、使う端末を...

完全養殖ウナギ、商用化へ前進 水研機構とヤンマーが量産技術を特許化

絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの持続的な利用に向けた大きな一歩となる「完全養殖」技術の量産化が、いよいよ現実味を帯びてきた。国の研究機関である水産研究・教育機構(以下、水研機構)と、産業機械メーカーのヤンマーホールディングス(以下、ヤンマー)が共同で開発を進めてきたウナギの完全養殖技術について、両者が関連する特許を取得したことが明らかになった。 これにより、これまで不可能とされていたウナギ...

ミライズ英会話、AI活用の語学教材生成技術で特許取得 EdTech革新が加速

英会話スクール「ミライズ英会話」(運営:株式会社ミライズ、東京都渋谷区)は、AIを活用した「完全パーソナライズ語学教材自動生成技術」に関する特許を、2025年5月に日本国内で正式に取得したと発表した。この技術は、学習者一人ひとりの語学レベルや目的、学習傾向に応じて最適な学習教材をリアルタイムで生成・更新するという、従来にない革新的な仕組みである。 本技術の特許取得により、語学教育における個別最適化...

トランスGG、創薬支援で前進 エクソンヒト化マウスの特許が成立

株式会社トランスジェニック(以下、トランスGG)は、2025年6月、日本国内において「エクソンヒト化マウス」に関する特許が正式に成立したと発表した。本特許は、ヒト疾患の分子機構解析や創薬における薬効評価、毒性試験など、幅広い分野で活用が期待される次世代モデル動物に関するものであり、今後の創薬研究において大きなインパクトを与えるものとなる。 ■ エクソンヒト化マウスとは エクソンヒト化マウスは、マウ...

紙も繊維も“東レの特許にぶつかる”──業界を動かす知財の力とは?

繊維、紙、パルプ業界は、古くから日本の基幹産業の一つとして発展してきました。近年では、環境配慮型の製品開発や高機能素材の開発が加速し、技術競争の主戦場となっています。そんな中、特許という形で技術を押さえることの重要性がかつてないほど高まっており、「特許牽制力」すなわち他社の出願・権利化を妨げる力が、企業競争力の鍵を握る要素として注目されています。 2024年の業界分析において、特許牽制力で群を抜く...

万博で出会う、未来のヒント──“知財”がひらく可能性

2025年に開催される大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、世界中から最先端の技術、文化、アイデアが集まる祭典です。その中で、ひときわ注目を集めているのが「知的財産(知財)」をテーマにした展示や体験型イベント。普段は馴染みが薄いと感じがちな“知財”の世界を、子どもから大人まで誰もが楽しく学べる機会が広がっています。 知財とは?難しくない、でもとても大事なこと 「知的財産...

ロボットタクシーの現状|自動運転と特許

「ロボットタクシー」の実用化が世界各地で進んでいます。本コラムでは、その現状とメリット・問題点を簡潔にまとめ、特にロボットタクシーを支える特許に焦点を当てて、日本における実用化の可能性を考察してみます。 世界で進むロボットタクシーの実用化 ロボットタクシーの導入は、主に米国と中国で先行しています。 米国 Google系のWaymo(ウェイモ)は、アリゾナ州フェニックスやカリフォルニア州サンフランシ...

6月に出願公開されたAppleの新技術〜顔料/染料レスのカラーマーキング 〜

はじめに 今回のコラムは、2025年6月19日に出願公開された、Appleの特許出願、「Electronic device with a colored marking(カラーマーキングを備えた電子デバイス)」について紹介します。   発明の名称:Electronic device with a colored marking 出願人名:Apple Inc.  公開日:2025年6月19...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る