華為技術(ファーウェイ)は8日、広東省深セン市内の会場と世界各地をオンラインでつなぐ形式で「イノベーションの新たな視野を広げる2022」と題したフォーラムを開催した。同フォーラムでは2年に1度発表される、同社の「十大発明」も発表されたことをRecord Chinaは22年6月13日伝えている。
ファーウェイの「十大発明」、今回は異例の11件が受賞
ファーウェイは2年に1度、社内での「十大発明」を発表してきた。同社は知的財産について、確保せねばならないのは「数」ではなくて「質の高さ」と認識しており、同社製品や事業の改良に大きく貢献した特に優秀な知的財産の創出を奨励している。また、受賞者はいずれも若い技術者や科学者であり、次の世代を鼓舞する意味もある。
「十大発明」として発表された研究成果は、実際には11件だった。最終選考でも、優劣をつけ難い優秀な成果が11件残り、あえて11件を対象にしたという。
選ばれた11件の中には、いわゆる機器やシステムの性能を大いに向上させた新理論もあり、機器の仕組みを創造したものもある。例えば受賞事例の筆頭として紹介された「加法ニュートラルネットワーク」は、数学理論を応用して計算精度の維持を前提に、演算処理の際の回路の負担を大きく軽減するものだ。この手法による関連技術は各種端末や家電製品、スマートカー、電気通信応用技術に応用でき、演算の際の消費電力と回路面積を70%削減できるという。
2番目に紹介された、マルチターゲットアルゴリズムも理論研究の成果で、自動運転に必要な複雑な状況な道路上の測位やセンシング、意思決定のための演算量を85%も削減した。
いわゆるハード分野の受賞としては、3番目に挙げられた光ファイバーについての「光虹膜」と名づけられた技術がある。産業のスマート化やデジタル関連施設の急増に伴い、光ファイバーの使用も猛烈な勢いで増えている。しかし光ファイバーはその特質上、大量に扱い管理することは非常に困難だ。そこで光ファイバーに光虹膜(光光彩)」という部分を刻むことで、一種のタグにした。この技術により、通信業者は資源の利用を30%削減し、運用コストを20%削減できるなどで、光ファイバーによる通信網の展開を加速することができるという。
大きな資金を投じて開発した高度な技術は積極的にライセンス付与
ファーウェイは毎年売上高の10%以上を研究と開発に投じることを堅持している。21年に投じた研究開発費は1427億元(約2兆8600億円、22年6月9日時点の為替レートによる。以下同じ)だった。報告書「2021年EU産業研究開発投資スコアボード」によると、ファーウェイの同年の研究開発投資は全世界の企業の中で第2位だったという。過去10年間に投入された研究開発費は累計8450億元(約16兆9000億円)を超えた。
しかしファーウェイは、高度な技術を「独占」することで、市場で「一人勝ち」することを狙っているのではない。フォーラムの基調講演を行った宋柳平最高法務責任者は、「全世界に特許と技術ライセンスを提供し、世界と科学技術革新の成果を分かち合いたい。革新の視野と構想を共に開拓することで、産業の発展と技術の進歩を促進したい」と述べた。
ファーウェイが狙っているのは業界全体と社会全体の進歩であり、そのために技術を他社に積極的に供与した方が有利との発想という。また現実問題として、技術を供与すればライセンス料などの形で、売上に貢献できるという。
ファーウェイ知的財産部の樊志勇部長によれば、過去5年間でスマートフォン20億台以上にファーウェイから取得した4G/5G特許ライセンスを利用した。現在では毎年約800万台のコネクテッドカーがファーウェイの4G/5G特許ライセンスを利用している。
ファーウェイは複数の企業や組織が持ち寄った特許を扱う組織の「パテントプール」の利用にも積極的だ。樊部長によると、現在はメーカー260社の携帯端末10億台が、新しいタイプの動画圧縮プログラムのHEVCに関連して、パテントプールを通じて取得したファーウェイの特許ライセンスを使っている。
ファーウェイは新たなパテントプールの設立を積極的に検討しており、より多くのWi-Fi機器にファーウェイの特許ライセンスを提供することを期待しているという。(取材/構成 如月隼人)
【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.recordchina.co.jp/b895811-s25-c20-d0198.html
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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