LEGOの根幹となる歴史的な特許

みなさんも馴染みの深い組み立てブロックのおもちゃ。

子供から大人まで誰でも簡単に組み立てて遊ぶことができますが、実はその構造は非常に洗練されたシステムで構成されているのをご存じでしょうか?

レゴブロックレゴ®

誰しも多かれ少なかれ、おもちゃのブロックを組み立てて遊んだことがあると思います。中でも世界的に有名なレゴブロックは、いまでは世界中に愛好者が広まり、2017年には名古屋市に「レゴランドジャパン」がオープンするなど、長年にわたり高い人気をもつ玩具です。

レゴブロックのメーカーであるレゴ社は、1916年にデンマークのビルンという街にある木工所からスタートしました。デンマーク語で「よく遊べ」という意味の「Leg Godt」からラテン語の「LEGO(組み立てる、の意味)」という名称を社名とし、1934年に玩具メーカーとして種々の組み立てブロックを手掛けるようになりました。

今回紹介する考案(実用新案は発明ではなく、考案を保護するものです)は、1958年にデンマークで出願され、優先権を伴って昭和34年に日本の特許庁に出願、昭和37年に実用新案出願公告がされたものとなります。

この出願前から、突起と内向き突起(つまり凸部と凹部)を組み合わせて相互に結合させるブロック玩具は存在していました。

しかし、単に凸部や凹部を並べただけでは広範囲にブロックを結合させていくことは困難なため、凸部と凹部の相対的な寸法や位置を正確に決める必要がありました。

そこで、凸部の直径と凹部の幅とを、ある特殊な数式で表現することとし、この数式を実際のブロックとしたものが考案の具体的内容となったのです。

当時の実用新案公報を見ると、現在のレゴブロックの形状が完璧に描かれており、数式から導かれたブロックの形状が既に完成形だったのだということがよくわかります。玩具の考案というと、なんとなく曖昧につくられたものという偏見があるかもしれませんが、計算されつくした玩具であるからこそ、長い期間、世界中で愛されてきたのかもしれませんね。

世界中で今なお愛され続けるレゴブロック。

その根幹となる基本構造はなんと半世紀以上も前に出来上がっていたみたいですね!

中空の直方体形状のトイビルディングブロックは、以前から知られていました。

このブロックは、直方体の1面だけがなくなったような開口形状を有し、開口とは反対側の面から延びた複数の突起を有します。このような従来のブロックでは、上記突起〈以後「主突起」といいます〉のうち4つに注目すると、4つの突起が等間隔で配置されて正方形を描くように配置されています。

さらに、複数の突起がある面において、端の突起から端の突起までの長さ、幅は、ブロックの裏側の空間の長さ、幅とほとんど同じです。

このように、上記空間の縦横寸法と、配列した主突起の両端間の縦横寸法とが同じであるため、一方のブロックの空間内に、もう一方のブロックの複数の突起が、すっぽりとはまります。よって、2つのブロックを結合して積み上げることが可能です。

また、従来の別のブロックは、上記のごとき外向き突起に対応するような位置に、空間内で反対方向に突出する内向き突起を有します。内向き突起の端には、外向き突起の先端が入り込めるくぼみが形成されています。

そして、一方のブロックの外向き突起が、他方のブロックの内向き突起先端のくぼみに入り込むように構成されています。このような内向き突起を有する中空状のビルディングブロックも知られていました。この内向き突起は、以下、副突起といいます。

2つの利点を集約

本考案のブロックは、従来の各ブロックが有する特徴の両方を持っています。

従来のように主突起と副突起とが単に並んで配置しただけでは、複数のブロックを単純に積み上げることはできても、様々な配置でブロック同志を結合させて積み上げることは困難です。

本考案は、上記の問題を念頭に置いて着想されたものです。様々な積み上げ状態を可能にするためには、主突起と副突起との相対的な寸法および位置が、特定の関係を満たすように設計する必要があります。

従って、本考案は、主突起および副突起の位置と寸法とが特定の配置となるように工夫しています。本考案は、さまざまなパターンでブロック同士を結合して固定できるトイビルディングブロックを提供します。

このような、本考案によって、多数のブロックを使って、各ブロック同士を様々に配置して積み上げることができるため、複雑な形状の構造体を作り出すことができます。

本考案のトイビルディングブロックは、多数のブロックで形作られる構造体に組み入れられるブロックに関します。

各ブロックは、6つの面で形成された直方体形状のうち1面が欠けて一方向に向けて開口した中空状の直方体形状を有します。

また、開口方向とは反対側に突出した突起を有します。2つのブロックが組立てられるときに、一方のブロックの突起が、他方のブロックの中空空間のなかで係合するように、突起が配置されています。

本考案のトイビルディングブロックを使えば、思い通りの相対位置でブロックを互いに結合して固定することができます。よって、様々なパターンでブロック同士を積み上げることができ、作り上げる構造体を複雑な形状の構造体にすることができます。

レゴブロックレゴ®

本考案は、あの有名な「レゴ(LEGO)」のブロックに関する技術です。あの特徴的なブロック形状を見てわかるように、単にブロックを上下に積み上げるだけでなく、角だけが重なるようにずらしても2つのブロックを結合できるように工夫されています。

すでに有名になってしまったブロックですが、以下、そのブロックの仕組みについて詳しく紹介します。

全体構成

登録請求の範囲には、上記のように「トイビルディングブロックの構造」の考案が記載されています。

概要を説明しますと、組立てられる一対のブロックAおよびBにおいて、ブロックAの少なくとも1つの主突起pの側面が、ブロックBの少なくとも1つの副突起sの側面に当たって固定されるように構成されています。上記各突起の形状は、必ずしも正確な円筒形状である必要はありません。主突起および副突起の両方が実質的に円筒形状のものであればよいのです。

このような考案を実施するための具体例について、以下に説明します。

実施形態

図1、2、4、6に示すように、符号AおよびBで示された中空ブロックの各底部は、符号aで示されています。

【図1】

【図2】

【図4】

【図6】

また、側壁および端壁がそれぞれ符号bおよびcで示されています。このブロックの底部a、すなわち開口面eとは反対側の面に、主突起pがあります。副突起sは、上記ブロックの内空間に配置されています。

副突起sの配置は、以下の通り工夫されています。詳しくは、2組の1対の隣り合う突起p(4つの突起)で形成される四角形の中心と、軸が同じとなるように副突起sが配置されています。

また、4つの主突起で囲まれた空間に1つの副突起sが入り込むように、しかも、4つの主突起の各外周面の一部が、副突起sの外周面と4か所で接触するように工夫されています。

言い換えますと、中空ブロックBの副突起sと側壁bもしくは端壁cとの間にある「隙間」に、中空ブロックAの主突起が入り込むように構成されています。

主突起pおよび副突起sの形状は、両方とも円筒形状です。副突起sは、中空の管状(中空円筒形状)であり、管形状の内空間tの内径と、主突起pの直径とは、実質上等しくなっています。

【図7】

このような工夫によって、2つのブロックAおよびBは、図7に示されるように、一方のブロックの主突起の端を、他方のブロックの副突起の内空間tに挿入することで、互いに連結されます。

上記の通り、本実施形態のトイビルディングブロックの構造は、2つのブロックを単純に上へ積み上げるだけでなく、一部だけが重なるようにずらしても結合できるように構成されています。

本考案のブロック構造によって、複雑な様々な形状の構造体を作り出すことができます。

いろいろな形状の構造体を考える主体は、まさしく子供たちであり、上述したような工夫が詰め込まれた本考案は、想像力のある子供を育てるために、大きく貢献できるといえるでしょう。

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発明の名称

トイビルディングブロック

出願番号

実願昭36-033064

出願日

昭和34年1月21日(1959.1.21)

公告日

昭和37年7月26日(1962.7.26)

出願人

ゴットフレッド、キルク、クリスチャンセン

考案者

ゴットフレッド、キルク、クリスチャンセン

国際特許分類

120E 51

経過情報

・デンマークで最初に出願され、優先権を主張して日本で出願された後、実用新案権を獲得しました。
・かなり前の出願であるため、権利期間は終了しています。

<免責事由>
本解説は、主に発明の紹介を主たる目的とするもので、特許権の権利範囲(技術的範囲の解釈)に関する見解及び発明の要旨認定に関する見解を示すものではありません。自社製品がこれらの技術的範囲に属するか否かについては、当社は一切の責任を負いません。技術的範囲の解釈に関する見解及び発明の要旨認定に関する見解については、特許(知的財産)の専門家であるお近くの弁理士にご相談ください。


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