【コラム】クラファンやるなら知財を知ろう!【第1回】


最近、クラファン(クラウドファンディング)を利用することで、誰でも容易に資金調達をすることができるようになってきました。しかしながら、その容易さゆえに知的財産に関するトラブルも増えてきております。

そこで、今回はクラファンをやる上で知っておきたいクラファンの知的財産に関する注意点をまとめてみました。

新規性の要件

クラファンを実施(プロジェクトページの公開)すると、動画、写真、説明文に商品の詳細情報が公開されますので、新しさ(新規性)が必要になります。

原則、特許権、実用新案権、意匠権を取得するためには「新規性」が必要です。過去に販売された商品、ホームページ・SNSにアップした商品は、原則、これらの権利を取得することができません。

一方、商標については、「新規性」が取得の条件となっていないため、クラファンを実施した後でも商標出願して商標権を取得することが可能です。

新規性喪失の例外規定

特許法等には、「新規性」を喪失した場合でも、これを例外として取り扱う「例外手続」が用意されております(特許法30条など)。

いわゆる「新規性喪失の例外」などと呼ばれているものです。この例外規定を受けるためには、新規性を失ってから1年以内に特許出願を行うなど一定の条件を満たす必要があります。ちなみに、意匠も新規性を失ってから1年以内に意匠出願をしなければなりません。

ここで注意しなければいけないのが、この新規性喪失の例外手続は国ごとに条件(制度)が異なるということです。

例えば、中国では、クラファンによって新規性が喪失するケースは、例外手続きの対象外となります
中国では、「中国政府が主催又は承認した国際展覧会」等の一定のケースのみが例外手続きを受けられる対象となります。このため、将来、中国では特許を取得したいなどと思っている方はクラファンを開始する前に出願を完了しておかなければなりません。

秘密状態

一度、クラファンで商品を公開してしまうと、再び秘密状態にすることはできません。

このため、ライバル企業にアイデアが知られてしまう可能性があります。もし、クラファンが失敗し、資金調達ができないときは、アイデアを再び秘密状態にはできないため、アイデアだけを公開したことになりますので、注意する必要があります。

他社の知財侵害につながる可能性

クラファンを行うと、他者の知的財産権の侵害につながることもあります。

クラファンで、アイデアが公開されることになると、他社企業もそのアイデア(商品情報)を知ることができるので、もしクラファンに出品したその商品が、その他社機能の権利を侵害しているものだとすると、将来、その他社企業から権利侵害の主張を受けることになるかもしれません。


クラファンで資金調達をする際、新規性などが問題となる特許出願等と、新規性などは問題となりませんが、権利侵害の問題となるかどうかについてしっかり理解して、クラファンにチャレンジしたいところです。


ライター

杉浦 健文

パテ兄

特許事務所経営とスタートアップ企業経営の二刀流。

2018年に自らが権利取得に携わった特許技術を、日本の大手IT企業に数千万円で売却するプロジェクトに関わり、その経験をもとに起業。 株式会社白紙とロックの取締役としては、独自のプロダクト開発とそのコア技術の特許取得までを担当し、その特許は国際申請にて米国でも権利を取得、米国にて先行してローンチを果たす。 その後、複数の日本メディアでも取り上げられる。

弁理士としてはスタートアップから大手企業はもちろん、民間企業だけではなく、主婦や個人発明家、大学、公的機関など『発明者の気持ち、事業家の立場』になり、自らの起業経験を生かした「単なる申請業務だけでない、オリジナル性の高い知財コンサル」まで行っている。

■日本弁理士会所属(2018年特許庁審判実務者研究会メンバー)
■株式会社白紙とロック取締役
■知的財産事務所エボリクス代表
■パテント系Youtuber 


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